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zoom RSS ブルガリア大統領の来日

<<   作成日時 : 2009/01/29 12:57   >>

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1.ブルガリア大統領の来日
  昨晩帝国ホテルで、パルヴァーノフ・ブルガリア大統領来日記念レセプションが開催され、小生も招待を受け出席しました。幸い、琴欧洲関の写真を撮らせて貰うことにも成功しました。側にいるブル人女性が誰なのか知りませんが、金髪系ではなく、いかにも混血が進んだブル人女性の典型の一つというか、様になっておりすばらしい写真となった。
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2.秋篠宮殿下ご夫妻のブルガリア訪問予定
  ところで、大統領、秋篠宮殿下の挨拶から、今年同夫妻がブルガリアをご訪問になられる予定のようです。現天皇・皇后陛下は、皇太子の頃(1979年だったとおもう)ブルガリアを公式訪問されており、その後三笠宮殿下ご夫妻も(1988年頃)ブルガリアを訪問されているのですが、皇室のご訪問としては20年以上を経過していると思う。

3.トラキア黄金展
  そういえば、本日から東京駅大丸店の10階で、トラキア黄金展が始まる予定だ。エジプト文明より早く、今から6千年前頃から「トラキア人」(ブルガリア先住民)達は、黄金細工においてすばらしく発達していたらしく、近年発掘されている黄金の宝は、紀元前後のものが多いらしいが、工芸的に益々優れていてすばらしいものです。是非ご観覧ください。

4.相互の好感度は高いが、残念ながらビジネスはまだいまいち
  ブルガリアにおける日本人への好感度は、日本において明治乳業がヨーグルトのCMで長年築き上げた好イメージに対応するもので、必ずしも相互理解に基づいたものではなく、印象的なものではあるのだが、なにしろ地理的に遠隔で、利害対立がないので、今後もこのムードが持続して欲しいと思う。
  他方で、ビジネス面での関係はというと、昔から、日本の電化製品、自動車などは、ブルガリアで評判が高いものの、最近は価格の高さから、韓国製品、中国製品に押される傾向もあるし、韓国、中国は積極的な(ばくち的とも言える)投資を思い切って断行するが、日本の企業は用心深くてなかなか進出しないという欠点がある。せっかくユーロ安の円高で、投資環境もある意味よいのだから、日本企業には頑張って進出して欲しいものだ。何度も言ってきたように、まず日本の銀行が進出すべきと思う。他には、ブルガリア・ワイン(小生は極めて美味だと思う)をどしどし輸入すべきだ。

  今回、大統領訪日に随伴してきたビジネスマンとレセプション会場で少し話しできたが、黒海沿岸の海水浴リゾートなどでの淡水化装置の場合、米国製の浸透膜を使用しているようだ。下水浄化のためには、オゾン発生器による浄化をしている由。下水処理場などのポンプ類には日本製品も入っているらしいが、環境対策機器も、現状では欧州製品、米国製品が主流のようで、日本製品は十分使用されていないようだ。中東の真水製造装置は、ほとんど日本の技術が多いはずだ、日本製の浸透膜の方が優れているはずだと小生からは強調しておいた。ソフィア市で問題化しているゴミ処理問題は、倒産状態のクレミーコフツィ製鉄所の高炉を活用して、「高温で」焼却処分すれば、一番安価に、清潔に処理できるはずだ。製鉄事業には、コスト面から、小生は将来性はないと思うが、高炉をゴミ焼却装置として活用しないのはもったいない。ペールニックにも、製鉄高炉が余っているかも。技術的に、クレミーコフツィなどの製鉄高炉が「ゴミの高温消却」への転用に適さないのならば、日本式の普通の「高温焼却炉」を建設するしかないだろう。

5.次期選挙予想
  小生がブル人達に質問したところ、今年6月に予定される総選挙に関しては、単独で多数議席を占めうる政党が見あたらず、連立政権が予想されるという。注目されるBoyko BORISOVが率いる(但し、自分はソフィア市長職にあるので、表面上別人を党首とし立てている)GERB(ゲルプ、紋章の意味)党は、ボリーソフ*のみが主導するワンマン政党で、ソフィア市の市政が、ゴミ対策とかで成果を上げられない他、最近は市政における汚職などの事件も相次いでいるようで、GERBの人気はむしろ低下傾向にある由。
  (*注:ボリーソフは、元来はSIK系のマフィアの親分の一人と噂されるが、早期に「Ippon(柔道の「一本」から採用した名前)」という警備会社を設立して合法ビジネスに転じ、さらには同社でシメオン・サクスコブルクゴツキー(元国王)の身辺警備を引き受け信頼を確保した後、シメオンが選挙で圧勝して政権を取ると、内務省の官房長(軍隊で言えば参謀総長)に抜擢され、任期中に警察組織を指導して、犯人逮捕を先導する「フリをして」(実際には、マフィアの大物との関係は続いていたとの噂もある)、国民的人気者になった上、05年総選挙でBSP(社会党)主導政権となると、自分自身はソフィア市長選に打って出て当選、その後GERB党を立ち上げた。)
  小生が聞いたブル人の予測では、今夏の選挙結果は:BSP(社会党)、GERB、DPS(デペセ、トルコ人の利益を代弁する政党)の3党連立政権を生むだろうという。現在の政権が、BSP、NDSV(シメオンが党首の政党)、DPSの3党連立だから、保守系の連立相手として、NDSVが勢力減退で脱落して、GERBがこれに代わるという程度の変化となるというのだが、BSP自身も相次ぐ汚職事件で、信用を薄くしているのだし、議席数の変化もあろうし、どういう種類の政体となるのかは、必ずしも読めない。

6.利権、汚職まみれの政界:民主化の代償
  それにしても、2年ほど前にNDSV(エンデセヴェ)が、党内における法律屋(ユリスティ)派閥とユーピータ派閥(Milen Velchev元蔵相系、ユーピータとは英語のyuppy=ヤッピー<若手職業成功者、特に金融界で成功>を意味する)の対立で、前者が脱党してしまった(シメオンが結局はVelchevを重視してユーピータ派を重用したので法律屋らは去った)結果、今では本当に少数派勢力となっているという。ブル政界右派の代表政党だったSDS(セデセ)もコストフ元首相が脱党してDSB(デセベ)党を結党したので、2分裂(実際には、更にいくつかに分裂)となり衰退傾向にあるが、中道のNDSVも同様となったらしい。右派系の新党としてAtaka(攻撃)党が伸びてSDSの基盤を奪っているし、中道右派系ではGERBがNDSVの地盤を食っていると言うことであろう。

  今回来日したパ大統領にしても、半年ほど前には、地元ペールニック県のマフィア系ビジネスマンからスポンサーとして多額の献金を受け取っていたとして汚職疑惑が云々されたし、その前にはPetkov内相(元BSP副党首)、更にその前にはオフチャーロフ元BSP副党首(古参の大物)もスキャンダルで名を汚したようだ。要するに、スタニーシェフBSP党首(同人の父親は元共産党の政治局員だが、本人は新世代の若者)自身を除けば、BSPの他の大幹部は、大統領、内相らを含めて汚職にまみれたのだから、左翼系政党だからマフィアとは関係ないとか、清潔であるとは、とても言えないらしい。

  結局、自由選挙の時代になれば、誰もが当選するには、単にどの政党に所属してイメージを高めるかの選択の他に、選挙区での実弾(金とスポンサー)が当否の鍵を握るのであるから、清潔オンリーというわけにはいかない。これが民主化の代償であるが、バルカン体質というか、ブルガリアは、ルーマニアと共に特に汚職とかの分野で悪質と見られて、EU本部からは最近益々白眼視されている。オスマン帝国時代には、政府高官らが金持ちの商人(ギリシャ系、アルメニア系、ユダヤ系、その他)に要求して「多額の献金」(税金との境目は曖昧)をせびり取り、これを「公金」として軍隊の維持、政府機構の維持にさえ充当していたのだから、そういう歴史伝統のあるバルカンにおいて、政治家に「たかるな」といっても無理だ。

7.司法界、医学会も「人間的欲望に弱い」
  また、前にもどこかで書いたように、司法機構も、裁判官も、検察官も、予審判事も、また当然警察官も、マフィア達から「裏金」を受領して、怪しげな動き、裁定をすることも多い。共産政権時代に、司法機構は共産党の指令に従順だった伝統があり、司法人としての「良心」などには期待できない。司法界の制度的改革も、EUからさんざん要求されているが、未だに改善されていない。共産主義時代に、人間的欲望を全て否定されていたので、今の時代には欲望を全て解放するのが「自由だ」と、皆が考えているので、司法関係者も「インテリとしての高い報酬」を得て当然と思っているから、袖の下を断る気分ではない。
  上記と同じ論理で、医学会も欲望解放状況で、医師達も「袖の下の報酬」を別途約束してくれる金持ち達には、高度な治療を施すが、一般庶民はせめて医師との人的コネがなければ、満足な医療を期待できないことが多い。とはいえ、共産主義時代には、共産圏で製造・販売されている医療機器、医薬品が、旧式・低品質だったので満足な治療成績が期待できなかったのとは違い、現在では世界中から最新医療機器、医薬品が輸入されている。値段は高いとはいえ、医療水準も向上したし、医薬品欠乏による治療不足は、今では貧乏人以外はあり得ないといえる。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
遅ればせながらブルガリア大統領が来日していたことを、こちらのブログで知りました。
地元紙・河北新報には確か載っていなかったような。どうしようもない新聞ですが、家族がいるので他紙に替えられません
琴欧洲関の活躍は、やはりあちらでもトップニュース扱いなのでしょうか。

「トラキア黄金展」はさぞ見ごたえがあったでしょうね。以前「ペルシャ文明展」を見た時も、紀元前に造られた金工芸技術の質の高さに感嘆させられました。

ワインとチーズは私も大好きなので、是非ブルガリアのそれを食してみたいものです。
mugi
2009/02/08 13:35
mugiさん、コメントありがとうございます。ブルガリア大統領の来日に関しては、大新聞でもほとんど報道されていないみたい。昔から日本の新聞は、小国関係の来日報道に冷淡です。小生は、自分の好みで産経新聞をとっています。
琴欧洲は、ブルガリアでは英雄ですから、その活躍ぶりは詳しく報道されている。欧洲ではスポーツ好きは、CATV契約してユーロスポーツで、相撲を見ているので、ブルガリアでもかなりの人が相撲中継を見ていると思う。
トラキア黄金展と書きましたが、今から6千年前のVarna発見の黄金製品については、その頃の先住民が「トラキア」人だったかどうか、やはり疑問となっているのではないかと思います。しかし、6千年前の金製品は、やはり細工がさほどではなく、紀元前3世紀頃から(ギリシャの古代文明の影響下にある時期)のものが、見事な細工です。戦後早い時期に発見された、パナギューリシテ発掘の黄金製品群が、今でも最高の見物ですが、更に今から5年ほど前に発見された黄金の仮面が、今回展示の最高の目玉です。
室長
2009/02/08 17:45

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