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zoom RSS 北アイルランド問題に関する考察(3)

<<   作成日時 : 2009/04/14 12:29   >>

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  今回が、北アイ問題に関する小生の論文の最終回である。民族間紛争の根本は、自民族の立場をあまりにも過剰に主張しすぎることにあると思うが、日本人自身そういう感情がゼロとは言えない面もある。自戒の意味も含めて、下記の記述を読んでいただきたい。少し韓国人の立場に対し厳しい見解も示しているが、基本は英・アイ間論争、紛争への理解を高めるために、自分自身の感情の裏に潜む「激情」的な部分を自覚しない限り、この問題について十分理解できないと思うから、日韓関係を例として使っただけであることを、前もって記しておく。

5.日本人としていかに理解するか
北アイルランド問題、または、「アルスター問題」がいかに「解決困難(INTRACTABLE )」な、複雑なものであるかは、上記4−(2)の各選択枝の検討、結論から大体理解していただけたかと思う。

(1)歴史仮説
 しかるに、やはりこういう問題…民族問題…は、自分の問題として実感してみないと真の理解は難しいと思う。デヴァレラが50年余、政治生命と生涯をかけて取り組みつつも、ユニオニストとの和解または合意の達成には至らず、英国政府の説得、米国世論の動員による「圧力」、政治的に「少しでも前進する」との望みも、はかない夢に終わった。BOWMANは、この「デ」の失敗につき、「デ」自身でさえもやはり偏狭な NATIONAL IDEAがありすぎたとコメントする。「デ」の政策が、一つ一つユニオニストをますます疎外し、和解への道を遠ざけた点については、要点のみを上記2に示した。すなわち、民族問題を理解するには、自らの心の内に潜む「民族の血」または「愛国心」という“偏見“を呼び起こしてこそ、かえって理解が深まろう。この意味で、あえて下記のアナロジー(歴史的な仮説)を考えてみた。

日本人として、唯一民族問題を理解し得る例は、日韓両民族関係ではなかろうか。我々「加害者側」はのんきな面もあるが、実際に韓国人の誰かと議論を試みた経験のある人は、一部の韓国人の余りに激しい憎悪感情にとまどったのではなかろうか。
英・アイ関係のみを理解するには、上記で大体察しがつくとおもうが、ユニオニスト(移住者側)とナショナリスト(先住民側)の対立感情の深刻さを考えるには若干アジア史を書き替え、架空的な歴史を作る以外にない。

17世紀の秀吉軍による朝鮮侵略が、クロムウェル軍によるアイルランド再征服の場合のように成功を収めていたとしたらどうか。朝鮮半島の南東部には、日本の朝鮮支配の「番犬」として、強固な日本人植民地が建設され(屯田兵)、第二次世界大戦後も朝鮮半島南東部の日系人が同地区2/3の MAJORITY人口比率を背景に、日本帰属継続を頑強に主張し、日本もついに日系人社会を置き去りにはできず、軍隊の駐留を続け 、300年余にわたる混血の結果、一部市民の場合は「半韓・半日」の血を持ち、また長年にわたり築き上げた特異な伝統の故に、日本本土に完全移住することにも若干不安な現地日系人達は、「父祖伝来の地死守」をスローガンとし、頑強にいかなる「解決案・和解案」にも不信感を示し、一切の妥協を拒否するのである。
ややこしいのは、永年の日本統治、19世紀以来の教育普及により、韓国人も既に日本語を母国語とするようになり、韓国語の「復興」は失敗する。日本本土でも名士として活躍する韓国系市民は数多く、日・韓両国間には、入国審査もなく、パスポート、査証は不要(ただし、税関検査はありうる)という「移動の自由」が確保されており(common travel areaと呼ばれる制度)、年金、失業保険の受給、、パスポートの受給も、まったく問題なく平等に扱われる(自国民待遇)。かかる状況にまで融合化が進んでしまって、韓国の独立(独立は達成)といっても、日本人の眼から見れば、もはやピンとこない。(ちなみに、成田空港でソウルへ乗り換える場合には「Domestic Airlines」の標識に従っていかなければならない!!・・・小生は、89年に初めてロンドンからダブリンに行く際に、「国内線」表示に従う以外にダブリン行きの航空機に乗る方法がないことに驚いた!!)
 にもかかわらず、韓国全土の統一をとなえるナショナリズムの過激派は、KRAテロ団を結成、日本の国内でもテロ行為を次々と行う。テロ収束の見込み、韓半島南東部併合状態解消の見込みは一切ない・・・・・!!!

  
(2)歴史仮説と日韓の現実
  上記の歴史仮説(北アイルランド問題と同様の、より根深い、最低300年、或いは400年以上にわたる問題として考えてみて)を想定してみると、我々としては「日帝30年の圧政」程度に韓国で言われていることは、まだ幸いとでも言うべきか。

  もちろん、議論をして見ると、中国による数千年にわたる支配・または間接統治の時代に培った韓国人の「中華帝国主義の枠組みにおいて、韓国は常に一番子分で、日本はアジアにおける中華秩序の中では、2番目以下の存在」という、韓国側の偏見が我々には頭に来る場合が多い。日本人の自意識の中には、中華帝国とか、韓国人とかに従属した記憶はゼロであり、常に日本国は独立・自立してきたという誇りがある(第二次大戦後の米国による占領統治を例外として)。故に中華秩序の中での序列順位にこだわる気持ちは一切無いし、むしろ「聖徳太子は、隋の煬帝皇帝に対し、日本は支那と対等だという書簡を送ったように、また日本国家の長は天皇と名乗ったように、中国と日本は対等だ」との意識しかあり得ない。いい加減に韓国人も、中国から見れば韓国の方がより優等生だとか、日本は元来韓国より下だとかいう上下史観は捨てて、対等意識で日本と接するべきであろう

  最近の韓国の歴史物テレビ小説(時代劇)でも、日本刀に見られるような技術レベルの高い鋼鉄技術、刀剣技術が既に紀元前の高句麗建国時代に存在した(チュモン=朱蒙の時代劇における主張)とか、現代史の満洲地区には、扶余(プヨ)国が存在していて、その扶余から分離した高句麗も大部分の国土が遼東地区を含む満洲地域で、侵略してきた漢帝国の軍隊を撃退したとか、中国側が嫌がるような歴史事例ばかりが強く主張されている(注:もっとも中国の古代の歴史書とか、韓国で中世期に成立した歴史書にも、そのように書かれているようだし、高句麗が中国軍に勝利した歴史事実はあるようだ。まあ、これらの古い歴史事例を強調されて怒るのは中国側の話しなので、この点は小生としては何ら構わないが)。中・朝の領土の取り合いはさておき、技術面では、小生がどこかで読んだ話では、中国も朝鮮3国も、近世に至るまで結局日本刀に匹敵するほどの、高度の鋼鉄を誕生させたことはない(故に、日本から宋、朝鮮半島への輸出品目としては常に日本刀が上位にあった)と思う。
  「ソドンヨ(薯童謡)」の時代劇でも百済時代の科学・技術の発達がやたらに強調されていて、本当かなと眉唾だ。何れにせよ、近年の韓国は、「技術力」を誇示したいし、それらの技術水準が、相当昔から韓国にも存在したと強調したいらしいのだ。そのくせ、近・現代史の「英雄時代」(韓国の現代劇、TV番組)では、韓国の財閥企業が日本の技術を導入して工場建設したことが正直に語られている(それだけ韓国産業にも力が蓄積され、自信が出てきたと言うことで、そういう風に意識が変わってくれば、更には対等意識へと進化が可能だろう)。

  ともかく、韓国人相手の議論で何時もこっちが引いてしまうのは、「中国は最先進国で、漢字、紙、絹織物、活字などを発明したが、これらの文明が全て、韓国で更に高められて、韓国経由で日本に入った」という主張。文明、文化は全て朝鮮半島経由というのだ。遣唐使などを派遣して、日本が中国から直接仕入れた技術、文明、文化も多いし、全て韓国人が日本にもたらしただとか、中国文明の流れから言って、日本は常に朝鮮の後塵を拝していた「より後進国だった」という主張とか、飛鳥文化、皇室など、古代の日本は、朝鮮人の移民達が作った国家だ、という極端な主張には、呆れることが多い(もちろん、仏師、寺院建築などの技術者の多くが、百済、新羅からの移民だったらしいことには、同意するが)。一番滑稽な韓国人の主張は、「万葉集を古代朝鮮語で読めば、全てがエロ詩文だった」と主張した怪しげな書物が一時韓国で話題となったこと。何でもありの、いい加減な主張をすればするほど、信憑性はなくなるというのに。

  とはいえ、英国とアイルランドの間、或いは北アイにおける先住民アイリッシュと移住民ブリティッシュとの間の、根深い対立の歴史、血塗られた紛争、混住状態の解消が難しい、などの「解決困難性」に比べれば、「竹島問題(李承晩が勝手に戦後のごたごた、日本における自衛軍欠如の間隙を突いて占拠したもの)」を例外的に、国境問題もなく、また韓国人、朝鮮人がしっかり別民族として自立し、存在している日韓関係は、ある意味気が楽だし、対立の根は浅いと思う(小生もキムチ、ナムルが大好きだ)。

(3)北朝鮮はソ連赤軍占領の負の遺産から未だに抜け出せない
  唯一の問題は、日本が投資した、恵まれた朝鮮半島内の工業遺産の大部分を無料で継承して、本来は韓国以上に素早く発展できたはずの北朝鮮が、共産主義という馬鹿げた体制を選択した(初めは、ソ連によって「選択させられた」、というのが正しいが)ために、また金日成王朝という「世襲主義を貫いている」ために、いっこうに近代化、民主化が進まないこと。
  また、貧弱な経済規模の割には、2千万の人口規模として、本来あり得ない「110万人」という巨大軍隊を抱える軍事国家の体制を維持しようとしていることだ。現実には、旧式兵器(しかも余りにも過度に老朽化してしまって、故障ばかりする)が大半で、大した脅威とも思えないが、体制維持のために「反日教育」が南以上に徹底しているので、日本相手には、可能性さえあれば、いかなる悪事をしても許容範囲と考えていることも大問題だ。我々としては、さっさと拉致被害日本人を帰せ!!と毎日叫んでいるのだが、馬耳東風だ。
  その上、あれだけ国民が貧しく、いつまでたっても過酷な現実から解放されそうもないのでは、見ているだけでも哀れすぎて、気分が悪くなる。                     



主張せよ、日本
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古森 義久

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