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zoom RSS 地方政界のエネルギーを国政にも入れよ

<<   作成日時 : 2009/06/02 18:35   >>

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 さて、オバマ政権のバブル処理は、それなりにこれまでのところ無難に対応できている(最近のGM一時国有化措置を含めて)、と言えるのではなかろうか?想像したほどには、その後の経済は混乱を極めているとは言えないし、何しろ民主党は元来が「大きな政府」という、より大衆寄りの政策を行う政党だし、借金を増やしてでも実体経済部門、金融機関に国家資金を投入していくべきという局面では、こういう政党が相応しい。
 他方で、日本の場合、二大政党と言っても、未だに民主党が何者なのか正体不明で、もし政権交代したら、日本の国益を守るような堂々たる外交が出来るのか、或いは日本国家の抱えた過剰な債務を適切な規模にまで縮小してくれる役割を果たしてくれるのか、というような期待に応えうるような責任政党であるのかどうかが怪しい。クリントン時代の民主党が、財政赤字を縮小させたように、同じ民主党でも米国の民主党は、時代に即して、「大きい政府」にも、「小さい政府」にも舵取りが出来るらしいのだが。
 ともかく、今回は最近の国内政情に関して、一応コメントを試みてみることとした。

1.景気対策のための財政出動
  今の麻生政権は、総選挙シフトのための過大な財政出動で、赤字国債をまた積み上げてしまったので、将来に不安を残すと言うしかない。その上、これらの財政出動が、中央諸官庁の例年の財政要求資料に沿って「大判振る舞い」した積み上げの年次予算という性格らしいのが気になる。あの秀才の与謝野大臣も、総理からの指示、自民党の利害、などに立脚して、今回は財政規律よりも、支出拡大を優先させたようなのが気にかかる。
確かに、昨年秋以来の世界恐慌・大不況を乗り切り、中小企業ばかりではなく大企業にさえ仕事を与えて、雇用を維持し、経済をある程度の再生軌道に乗せるには、財政出動以外の手法が見付からないのは確かだろう。
  市政レベルでも、予算を早い段階から実需に結びつけるという国策に沿ってか、公共工事、公共サービスなどの分野での発注が前倒しにされているように見える。小生の暮らす町では、身近な分野では、ガス管の取り替え、上下水道の幹線整備などのため、あちこちで道路が掘り返されている。こういうインフラ的公共投資の分野に、不況時に資金を優先して回すことは、結構と言うべきだろう。

2.小泉改革は「大きな政府」を残した?  
  総論として、上記の通り、不況時には財政出動による景気の底上げ、雇用拡大が必要なのだし、また、我々の気分としては、「小泉改革」という官僚主導排除・「小さな政府」を目指す構造改革路線の時代を経て、少しは「大きな政府」路線へ戻るのも致し方ない、という方向だろう・・・と見ていたのだが!!
  小生も、このような気分で経済全体を見ていたのだが、5月24日付の産経新聞「オピニオン」欄に掲載された田村秀男編集委員の「日曜経済講座:官僚依存、未曾有の危機」という記事を見て、本当にたまげてしまった!! 「小泉改革」の結果として、「小さな政府」が実現しているはずが、全く事実は逆で、小泉時代は「大きな政府」を遺産として残して退陣したのだという!!
この事実を裏付ける財務省データによる表=グラフも付随しているが、文章のみで要点を再現すると以下の通り:
(1)重複分を除いた一般会計と特別会計の純合計額@が、平成18年度(06年)には、名目GDPの7割に達した。そこから借り換え国債償還額を差し引いてAも、GDPの50%近い。(産出された)GDPのうち中央・地方を含めた政府の消費や投資などの公的部門の占める割合Bは、22%に過ぎない。
(2)20年前(86年)の国家予算のGDP比は30%程度で、20%程度の米国との乖離はそれほど大きくはなかったが、バブル崩壊後肥大化が進んだのだ、という。
(3)日本の経済というパイは、官僚が5--7割も仕切っているのに、生産に結実しているのは、2割少しに過ぎない。恐るべき非効率である!

尤もこの表をよく見ると、小泉政権時の平成13年(01年)4月--平成18年(06年)9月の期間に相当する平成13年--18年(01--06年)においては、@が60%から70%へと右肩上がりに上昇、Aが50%から50%へとほぼ横ばい、Bが25%から22%へとほぼ横ばいであり、このことから、小泉政権は世界全体より早めに(89年より)日本が直面したバブル崩壊の後に、肥大した国債依存状態からの脱却を図り、財政規模拡大を抑制していたという風にも評価しうる。すなわち、結論から言えば、小泉改革なるものは、GDPの「国家予算依存度の縮小までには至らず、横ばいに成功しただけ」ともいえる。そうはいっても、小生としては、この田村編集委員ほどは厳しく小泉改革を断罪できない。むしろ中途半端に終わったことが残念で、もっと長く改革を続行させてやりたかった、というべきだ。

3.特別会計を撤廃せよ
  田村氏によると、諸外国と比べて、日本の財政は、一般会計の外に、情報公開すら不十分な形で、官僚達が牛耳る「特別会計」が、一般会計の2--3倍の規模で存在するいびつな形態を有しており、これが無駄を産んでいる元凶だ。この異常な状態を正常化すべく小泉政権は、末期の18年5月に「行政改革推進法」を成立させたが、遅すぎたそうだ(改革気運は既に消失)。
  小生の経験では、例えばアイルランドの国家予算では、経常的予算と投資的予算とに二分されてはいるが、基本的には日本で言う一般会計以外には見あたらなかった。ブルガリアの国家予算では、中央政府予算と地方政府予算(日本で言えば、交付税部分)だけだった。国会では基本的に一般会計しか議論されないし、日本の予算制度は全く異常で救いようがない。官僚が優秀で国家の成長路線を築き上げた戦後の実績があるとはいえ、既に官僚を統制できないような、異常な国家機構となっているのではなかろうか?
最近鳩山大臣が、小泉郵政改革全体を揺り戻そうと張り切っているらしい。要するに社会の進歩と共に、宅配会社でも扱えるような業務となった「郵便事業」について、また官業のあり方について見直そうとした、ある意味実験的な小泉改革を、「安心できる官業で何が悪い」という形で揺り戻そうとしているのである。
  「かんぽの宿」という、巨大不動産の山を二束三文で売るのはけしからん、国有財産の処理は慎重に、という論法は分かりやすいし、国民受けする側面もあるが、鳩山大臣の意図は構造改革路線全体を揺り戻すことにあるのかもしれない。まあ、構造改革といっても米国が要求した、怪しげな、もしかすると米国の利益のみを追求するための構図だったという疑惑もあり、その意味では見直しもあるべきかもしれないが、そもそもの起点は、財政改革、「小さな政府」、天下り官僚の巣窟である「特別会計」に依存する公社、公団、その他の官僚系組織を徐々に解体して、民営化路線を強めるということではなかったのか?
  結局政治家達が固執する郵政民営化の行き過ぎ是正措置も、見方によっては、官僚が長年築き上げた利権体系を再構築して、これを政治家達が仕切る権利を復活して、裏金、利権を握ろうという、古い体質への後戻りとしか見えないのだ。

4.分かりやすい政治を実現した「タレント政治家」 
  最近の東国原英夫宮崎県知事、橋下徹大阪府知事の誕生は、官僚に依存せず、直接市民からの支持に依存するという、民主主義社会にとって誠に好ましい、本来そうあるべき政権を誕生させている。地方政界の方が、中央政界より先に、本質的な改革に動いているという意味でも、またこれら知事達が、全く新しい発想を種々提示しながら、地方政治の改革を推進していることは、実にすばらしいことだ。特に橋下知事は、巨大な赤字体質からの脱却のために、血を流す改革(官僚給与の削減)を実行されており、実にすばらしい!!

  この流れからすると、近い将来、これら改革派の知事達が主導する新政党が誕生し、中央政界に大改革をもたらすのかもしれない。小生は、国防、安全保障、その他の全般的評価として、これまで自民党を支持してきたが、他方では、自民党内に存在する怪しげな勢力には、警戒してきた。最近の経済政策でも、安易すぎる国債依存度の高まりには、警戒論を強めざるを得ない。新しい自民党のエースよ出でよ!と祈るばかりだが、知事連合の新党も、正しい政策さえ打ち出してくれるなら歓迎だ。
  尤も警戒すべきは、いわゆるタレント政治家達は、国内民生面ではよい発想をするが、対外的な意識、経験ではどうかな?という不安感が残ること。国際社会は、お人好しの出る幕などは少ない、熾烈な競争社会であり、剥き出しの軍事力を背景とした議論すらも、ロシア、中国、インド、ブラジルなどの新興国さえもが、当然のように繰り広げてくるのであり、お人好しの多い日本人のタレント政治家達では、対応が難しい可能性がある。そもそもタレント政治家達は、小泉氏以上に「票が取れる」政治家となれる可能性がある。今年8月、または9月の総選挙で、麻生政権が大敗北なら、自民党は野党に下る可能性もあり、その際には、橋下氏のような有能な地方政治家を総裁に推戴して、次の総選挙に勝利する体制を構築すべきかもしれない。 



「小泉規制改革」を利権にした男 宮内義彦
講談社
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