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zoom RSS 米映画社のブルガリア進出

<<   作成日時 : 2011/09/10 14:44   >>

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9月7日付のNovinite.com紙に掲載された記事は、映画村という映画関連産業で、ブルのスタジオが、ハリウッドの撮影現場として、コスト面での優位性がある、との内容である。共産主義時代の遺産が、それなりに資本主義時代に有効に活用され、復活し、多くの非正規雇用が産み出されているようだ。最近のハリウッド映画をあまり見ていない小生には、映画名なども、さほどぴんと来るものは少ないのだが、ともかく、ブルガリアが、低賃金という優位性を利用して、映画撮影に益々利用されることは、結構なことと言えよう。
 もっとも、ブルが、最低賃金レベルで、他の東欧諸国、或いはEU先進国のレベルにまで到達するには、今後何十年も必要であろう、との下記6.の経済予測には、少しがっかりさせられる。もっとも、経済予測ほど当てにならないものもない、とも言えるのだが。

★ボヤーナ映画村で、米映画社が大作を撮影している
http://www.novinite.com/view_news.php?id=131846

1.Boyana映画村
首都ソフィア市南部に聳えるVitosha山山麓のBoyana地区に所在する、共産主義時代の映画村(約30haの規模)には、近くSylvester Stallone、Mickey Rourke、Bruce Willis、Arnold Schwarzneggerなどの、男臭い大物俳優が集結するだろう。

  この映画村では、9月19日から、最近のハリウッドの大ヒット作The Expendablesの2作目が撮影開始されるからだ。この、エリート傭兵達が活躍する映画は、昨年の第1作で5百万ドルの切符売り上げ(興業収益)を稼ぎ出したのである。
  Boyana映画村は、ロスアンジェルスに本拠を置く映画人(映画プロデューサー、資本家)Avi Lernerの会社Nu Image社が2006年に買収して、今やNu Boyana Film Studioと呼ばれている。

2.何故、ブルガリアで撮影するのか? 
 Avi Lernerは、多くの映画を製作し、これに出資する人物だが、同時に、制作費を極限まで節減するために、世界中で低賃金かつ低税額の国を探し回ることでも有名だ。
  だから同人はこれまで、イスラエル、南ア、カナダなどでも撮影してきたし、米国ではルイジアナ州に7万平方フィート(6503u=0.65ha)<小生注:これでは小さすぎるので、恐らくは二桁違いの700万平方フィート=65haの誤りと思う。ブル人は数字に関し、ずぼらであることが多い。ブルはメートル制で、ポンド・ヤード制の単位に付き疎いのに、きちんと換算しないから、このように平気で間違うのだ。>のStudio complexを建設した。  ル州を選んだ理由は、映画製作支援の優遇税制の存在だ。そして今回Lerner氏は、このブルガリアを映画製作地として採択したのだ。
  Lerner自身、「ブルこそは、東欧の中でも、映画撮影にもっとも安価な制作地である」と言っている。

3.映画村を改修し、近代化、高度化した
   Nu Image社は、共産主義時代のブルが1962年に国有映画村として建設したこのスタジオ(年間25本の映画が製作されていた)に、買収後数千万ドルもの投資をして、施設を高度化した。
  よって、Nu Boyana映画村は、現在1000名を雇用しているし、13もの録音室がある。一番大きい録音室は約600uもある。

  その上、NYマンハッタンのレプリカ、更には古代ローマのレプリカさえも作られている。
  Nu Image/Millennium社は、これまでも、Nu Boyana映画村で、数多くの低予算映画を製作してきたが、最近はThe Black Dahliaなどの大作ものも手がけはじめている。この作品は、Universal PicturesとMillennium社の共作で、06年のロスを舞台としたハードボイルド映画。先月公開されたConan the Barbarian(Millennium社によるリメーク版)もこの映画村で作られた。Lernerが計画している、次の高予算映画は、Herculesで、これもここNu Boyana Film Studioで、来年3月から撮影開始が予定されている。

4.Expendables第2作について
  第1作目は、主としてブラジルとルイジアナ州で撮影されたが、これから14週間に及ぶ第2作目の撮影の大部分は、ブルで撮影されるだろう。他には、パリ、モスクワ、中国での撮影も予定している。

  第2作目には、上記の他に、同じような、老齢化しているアクション・スターとして、
Chuck Norris、 John Travolta 、及び Jean-Claude Van Dammeをキャストに加える予定だ。
 ロケーションは、架空の東欧国家とされる。Nu Boyanaに建設済みの、詳細なマンハッタン・セットも使用される。このセットは、数ブロックにも及び、地下鉄の入り口もある。実は、ソ連軍が米国で戦闘するための訓練施設、という設定である。

5.他の東欧の映画村とのコスト比較 
  東欧に展開しようとしているハリウッドの映画社は、Nu Image社のみではない。Raleigh Studios社も最近、ハンガリーのブダペストに所在する18万平方フィートのStudio complexを建設、開所した。
 
  ハンガリー、チェッコ両国は、税制面での優遇措置を付与してくれるし、また、相対的に低賃金の優秀な技術スタッフも存在するという面で、これらの無いブルガリアより有利に見えるが、Nu Boyana社長のDavid Varod氏は、「それでも、ブルでの撮影は、他の東欧諸国に比べて、4割は割安だし、米国に比べれば8割は割安だ」と言う。
何故なら、非労組員のスタッフを雇用できるブルにおける最低賃金は、チェッコ、またはハンガリーの半分ですむのだ。

 Varod社長によれば、「労賃の低さこそが、主要な違いだ。プロデューサー達に、ブルで撮影することを承知させるのは、必ずしも容易ではないが、結局のところ、ここは安いのだ!」。
ブルの優位性は、ブルも映画撮影に対する税制面での優遇措置を採用するならば、更に確実となるし、これは実はブル側機関(the Bulgarian National Film Center)によれば、来年から実現しそうなのだ。
 Varod社長も、「インセンチブは、間もなく実施されそうだ」と期待する。

6.小生コメント:格差是正に要する膨大な時間
 ブルの優位性に関して、「結局のところ、ここの方が安い!」という評価は、少しがっかりする中身だが、それも致し方なかろう。所詮新興国の強みは、低賃金なのだ。

 最近のNovinite.com記事(8月27日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=131560)には、次のような悲観的な経済予測が掲載されている:
ブルが、東欧のスロベニア、スロバキアのレベルの最低賃金にまで到達するには、毎年5%の割合で最低賃金が上昇したとしても、実に27年が必要だ。(注:現在のブルにおける最低賃金は、289Lv=144.5ユーロ(月額)である。)
  更に、ポルトガル、ギリシャというEU中進国のレベルの最低賃金に追いつくには、同じ前提条件で、38年必要
  もっと上を目指して、仏、蘭、アイルランドの最低賃金レベルにまで上るには、41年の歳月が必要なのだ!!

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