ブルガリア研究室

アクセスカウンタ

zoom RSS 2011年の回顧、解釈と将来への展望

<<   作成日時 : 2011/12/31 00:58   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 3

 2011年を締めくくるに当たり、東日本大震災を含めて激動の1年となった今年に関して、世界情勢を自分なりに回想しつつ、分かりやすい解釈をしてみたくなった。
 小生程度の知性で、国際情勢全般を解読すると言うことは不可能だ、とは分かっているのだが、自分なりの解釈を試みることは、折角年齢を重ねて、年寄りになった人間にとっては、一種の特権というか。ともかく、どこまで良い回答を出せるか、頭脳を振り絞ってみよう。
 なお、本年このブログを愛読してくださった少数の読者に対しては、大いに感謝します。来年も、よろしくお願いします。

1.米国の衰退傾向、利害・戦略の転換
(1)金融技術での「金の創造」が止まり、資金不足となった

 今年は米国発の世界経済危機「リーマン・ショック」(08年9月)以来3年目に当たるが、やはり米国型の、金融業依存型の怪しげな経済成長政策のバブルがはじけた後遺症で、米国の経済力が益々衰退してきており、これに平行して、海外への軍事力投影能力に限界が生じた。
 すなわち、イラクからは撤兵したし、アフガニスタンからも、兵力を削減していく施策が実施された。

(2)対中東政策は、もはや米国の「中核的利害」ではなくなった
 更には、中東諸国に対する、従来型の「イスラエル、エジプトへの援助と対イスラム敵視政策」からも後退しつつあるように見える。米国の対中東積極関与政策が後退したせいで、「アラブの春」という民主化運動が、チュニジアを契機として、各国に蔓延し、オバマ黒人政権の米国は、これまでと違い、民衆革命をむしろ「歓迎する」とのリップ・サービスに転じている。

 上記の全ては、ある意味では、エネルギー革命の裏の側面、という視点もあることを指摘すべきであろう。
 すなわち、第二次大戦後中東の石油こそが、世界のエネルギー市場を左右した時代には、米国としては深く中東情勢に関与して、覇権国家としての権益(石油利権)を維持するということが必要で、そのために一番要となる「憲兵役」をイスラエル国家に担わせたのだ。 しかるに、1973年の石油危機以降、徐々に中東産油国が米国の石油利権を「買収」し、或いは革命で「奪取」して、自前の権益として行った。このため、米国の石油エネルギーからの収益は減り続け、かつ、西欧、日本などは天然ガスへの依存を強めた。
このように、米国の中東石油への依存度が弱まってきていたほかに、この2--3年、米国では、シェールガス革命というエネルギー技術革命が達成されて、米国自体は、ある意味シェールガス開発という新しい技術革命で、益々中東石油は、米国の国益から見て、「中核的利益」ではなくなってきたとも言える。

(3)アジアこそが重要
 更に、米国にとって今年急に明らかとなった懸念は、東日本大震災で、日本経済が没落し、中国の経済的勃興、軍事的拡大が抑制不可能となりうる、という危機感である。幸い、日本国は、想像した以上に急速な天災からの復興能力を改めて証明したが、中国の軍事的脅威が、余りにも急角度で伸びてきていることが、中国の対日本、対東南アジア強硬政策で明白となり、米国としては、対アジア政策の転換を必要と感じ始めた。

 米国のモノヅクリ産業は、現実には、在中国子会社とか、台湾企業の在中国下請け企業によって担当されている場合が多いことは、アップル社の新型携帯電話機などが、米国本土で設計されているとはいえ、韓国、台湾、中国、日本などの技術、部品をミックスして、実際には中国国内にある台湾系下請け生産企業で組み立てられていることからも明らかなのだ。
 すなわち、米国の将来に関して展望してみても、極東アジア諸国という生産拠点を傘下に維持しておかない限りは、その電子産業、軍事技術、自動車工業などの何れをとっても、存続と、今後の発展は不可能だ。

 だからこそ、米国にとっては、中国という大国といえども、これまでの日本、韓国、台湾のように、自分の都合良く操れる傀儡国家として飼い慣らしていかないと都合が悪いし、或いは飼い慣らし得ないのなら、潰さなければならない、そういう段階に到っているのだ。

2.中国は、平和裡の成長という枠を超え、米国を激怒させてしまった
(1)個人の活力、才能を経済面で開かせることには成功

  ソ連型社会主義制度は、生産力の国有化、集団化、を追求し、その結果国民個人の能力、活力を全て殺してしまうという愚策故に、経済的には当初の急成長後は、大失敗を繰り返す、という宿命を持っていた。

  ところが、中国には幸い、毛沢東路線、ソ連路線の欠陥を見抜いて「経済政策に関しては、改革開放の道を歩む」ことを決意した英雄がいた:ケ小平である。78年12月の党中央委総会で「経済こそが重要」として、個人の能力を経済面で活用することに踏み切ったのだ
  かくして、改革開放が始まり、「白猫でも、黒猫でも、鼠を捕るのが良い鼠」、「先に豊かになれるものから豊かになれ」という能力主義と、個人経営企業の容認政策が開始されたので、中国経済は徐々に浮揚していった。このように80年代中国は、ソ連における経済停滞、IT革命への乗り遅れ、という窮状とは一線を画して、「冷戦における敗退、東欧の離脱、ソ連帝国の解体」というソ連圏の崩壊過程には、巻き込まれずにすんだ。

(2)後継者への政権交代ルールの確立
  また、もうひとつケ小平の功績としては、共産党一党独裁体制の中でも、後継者を平和的に決定するメカニズムを確立した、ということがある。その後の中国という独裁国家の政権継承をスムースにして、一党独裁体制を安泰化する面で効果があった。
  すなわち、党・国家の最高指導者は、原則として2期10年間で次の世代へと政権交代すること、また、後継者の名前は、最高指導者の1期目の政権中にはほぼ確定し、2期目に入ったら固定すること、というルールが、ケ小平によって指令されたようだ。
  すなわち、中国の最高指導者は、ケ小平→江沢民→胡錦涛→習近平と交替するとのルールが確立されていて、1912年、すなわち来年には、太子党の習近平が胡錦涛から政権を継承することが決まっているらしい。

(3)イデオロギーを捨てた共産党独裁という矛盾
  ケ小平の改革は、確かに、中国経済を近代化し、21世紀に入ってからは、「世界の工場」と呼ばれるほどその工業力=モノヅクリ産業の力を向上することに成功した。

  他方では、政治面での民主化に関しては、ほぼ何らの改善も拒否している、と言う風に見える。よって、金儲けの自由を国民に認める一方で、言論の自由、政治的な競争の自由、という側面については、全く自由化していない。

  経済の自由競争を認めた結果、民営化企業を率いて成功し、大金持ちとなる人々が出現した反面、これら富裕層と、農民などの貧困層との間の所得較差は、急速に拡大している。
  政治的権力は相変わらず共産党が握るし、銀行、鉄道、エネルギー関連企業、軍事産業などの基幹部門に関しては、相変わらず国営企業が独占するなど、経済界でもやはり、共産党による統制的権力が要点を抑えている。

すなわち、貧富の格差が拡大し、共産党幹部の富裕化も著しいのに、相変わらず貧しい大衆層が取り残され、彼らの発言権は、民主的制度の欠如故に、無視されたままだ。

  そもそも、ソ連型社会主義では、富裕層から生産手段を取りあげ、皆が等しく平等な程度の低い給与を受け取る、という(悪)平等主義のイデオロギーがあったが、ケ小平改革では「能力主義による較差」が容認され、悪平等主義が破棄された。経済格差が生じたなら、これをある程度でも緩和するためには、貧者の側にも政治的な権利を与えて、その発言権を容認すべきだが、ケ小平の樹立したシステムでは、その面への配慮は為されなかったのだ。

(4)政治家の腐敗、汚職継続、亡命準備は万全
  国民に、ある程度の平等な給与水準を約束した上で、悪平等という経済的恩恵(能力のないものでも、平均的な賃金をもらえる)への代償的に、共産党員が特権的に政治権力を独占する、というソ連型社会主義体制の一種の暗黙の約束、法則は、無視されるようになったのだ。毛沢東時代には、共産党員でも、少し特権を持つとは言っても、最高幹部以外は、皆結構貧しく、平等主義的な給与体系だったのが、今では共産党員は権力を独占し、特に幹部党員達は、権力を背景に巨額の汚職を貪るようになっている。

  ましてや、かれら党幹部の子弟は、ほぼ必ず外国に留学して、欧米諸国での永住権、或いは市民権をも手中にして、滅多に帰国しないのだ。共産党幹部達は、汚職の限りを尽くして蓄財し、蓄財部分の多くを子弟の経営する在外企業に出資したり、或いは子弟が管理する欧米の銀行口座に預けている。いわば、貧しい大衆が反乱を起こすなら、何時でも外国に亡命する準備をしつつ、汚職を継続しているのだ。

(5)軍部の台頭を抑えられない?
  元来中国の軍部は「人民解放軍」という名称で、中国国軍ではなく、共産党直属の、共産党のための軍隊だ。このような経緯からは、軍部は党に絶対服従と想像されるが、実はそうでもないという。

  産経紙に掲載された記事を総合すると、どうやら現在の中国共産党は、昔の王朝時代のように、重臣達の間の権力抗争の歴史を相変わらず継承していて、江沢民らの上海派閥、胡錦涛らの共青団系(ソ連で言えばコムソモール組織に当たるのが共青団)、習近平らの太子党(共産党元最高幹部の子弟達)、という3派閥が対立、拮抗しているらしく、このような党組織側の分裂・対立につけ込んで、軍部の方が独立的に権力を強めているらしいのだ。

  すなわち、党側は、ここ20年ほどの経済成長のおかげで、金銭的に富裕化し、腐敗・汚職を重ねてきた党幹部達が、貧者達の羨望を恐れつつも、しかし、理論的に独裁体制の政治的正当性を整備し得ない、そう言うジレンマに陥っている。故に、国内治安面では、結局軍部しか体制を維持する基盤はない、ということで、党側の軍部への依存が高まっているのだ。このような党側の弱点を逆手にとって、人民解放軍は、毎年二桁の軍事費の増額を要求し、勝ち取ってきたらしい。
  他方で、中国の成長も、最近はある程度ピークに達し、成長率には鈍化の兆しがあり、財政的に今後の二桁増額は困難なのに、もはや党の側には、軍事費の二桁増額要求を拒否する力がなくなっている、という。

(6)軍部は、傲慢になりすぎている
  最近の尖閣列島における「怪しげな漁民」による暴挙とか、海軍艦艇・航空機による東シナ海での自衛隊への挑発行為、或いは南シナ海での東南アジア諸国への挑発行為、などは、ある意味、軍部による軍事費増額要求、という国内政治視点での強硬手段とも見える。
  つまり軍部は、もはや中国共産党の忠実な道具ではなく、共産党に対する圧力団体、脅迫団体と化しているようにも見えるのだ。彼らが、米国という軍事大国にすら、今では対決的な姿勢を、時として平気で見せるようになったことは、実は共産党政権側としては、余計な強硬的態度で、迷惑限りないことなのかもしれない。それなのに、どうも軍部を抑えることが出来ないようなのだ。
  事実、米国政府は最近、あらゆる手段を使って、中国の台頭、特に軍事的な台頭を抑え、機会があれば叩こうとしている、と言う風に見える。軍幹部達の、世界情勢、或いは世界政治への無知と、急成長につきものの傲慢さが、対米緊張を招いているのだ。

3.ロシアの凋落
 ロシアの脱共産主義革命は、その後原油価格の高騰と言う追い風で、ロシア経済を浮揚させ、プーチンによるKGB式「ロシア帝国復興計画」を十分金銭的に賄えるように見えた。

 しかるに、米国が、シェールガス技術革新で、最近エネルギー面での輸入原油依存度を引き下げ(これは同時に、原油価格高騰に歯止めをかけた)、ある程度の経済的安定を取り戻したこと、逆にロシアは、石油に代わってその天然ガス資源で、西欧諸国へのエネルギー的覇権を確立するという戦略が破綻した(ポーランドにもシェールガス革命が起きつつある)こと、によって、当面将来展望において、悲観的側面が増大している(特に、石油、天然ガス価格高騰で、金銭面での余裕を確保するという目論見が暗くなってきた)。

 ロシアの場合、ある程度の市民的自由化、特に「移動の自由」の確立で、有能な市民が、自由に国外移民して、欧米諸国で活躍するようになって、国内に有能な人材が逼迫するようになったし、プーチン政権の「非民主的性格」も明白になり、益々国民の海外逃亡欲が増大しているように見える。
 何れにせよ、一番の誤算は、せっかくの原油価格高騰の利益が、国民の生活水準改善とか、工場などの生産力基盤の近代化、技術水準の高度化には必ずしも向かっていないと言うことだ。
 要するに、国内からの人材流出、工業技術力の衰退などで、プーチンの目指している「富国強兵」、「帝国主義的国家の復興」という目標は、むしろ目算が立たなくなり、ロシアはもはや米国にとっては危険な敵国、競争相手とは言えなくなってきたように見える。(注:プーチンは、恐らく、帝国とは「寛容さと開放性」を基盤として、外国系、異人種系などの人材をも大いに登用し、活用するシステムであり、偏狭なナショナリズムで国民を縛る、「不自由な体制」ではない、と言うことを理解していないのだ。

4.エネルギー革命の意味:米日同盟の再構築へ
(1)石油の時代

  第二次大戦は、ある意味で石油というエネルギー資源が、戦力の中核となることを証明した戦争でもあった。石油から抽出したガソリンとディーゼル油(軽油)こそが、全ての主要兵器の動力となり、勝敗を決した。

  この故に、戦後、中東産油国を操り、統制下に起きつつ石油利権を握ることが、米国覇権の「中核的利害」となり、また、イスラエルという「人口国家」を誕生させ、中東に配置して「憲兵役」をやらせることが、米国として必要だった
  また、サウジアラビアの巨大な油田を米国の石油資本が管理し、イスラエルに反抗的なエジプトのムバラク政権を買収して大人しくさせることも、米国覇権にとって重要性を持ってきた
  しかし、徐々に中東産油国は、色々な機会を通じて自立化し、米国の権益を中東地域から排除していった。また、米国、英、仏、日本なども、原発という新たな技術革新で、エネルギー源をある程度多様化して、原油依存を低下させた

(2)天然ガスの時代
  更には、原油の枯渇が懸念され始めると、天然ガスが代替エネルギー源として重視されたが、この天然ガス資源も最近は、枯渇が心配されるようになった。少なくとも、価格的には、急騰して、先進国経済に悪影響をもたらした。

  ところが、ここ2--3年、米国が開発した新技術では、地下のシェール層というところに閉じこめられていて、これまでは利用が難しかった「新たな油田」が出現した。シェール層に閉じこめられていた天然ガス資源が、利用可能となり、米国本土、或いはカナダで、大規模なシェールガスが産出されるようになって、天然ガス価格は急落し、米国の中東石油への依存度は、益々大きく低下する見通しとなった。要するに、天然ガス資源は、再び安価で、適切な水準へと戻りつつあるのだ。

(3)原発が再度主流となる!そして日本が再浮上するかも??
  とはいえ、米国は、将来のためには、再度技術的に高度化され、安全度を増した原発の活用にも目を向けている。東芝が資本参加しているWH(ウエスチング・ハウス)社の新型原子炉を基盤とする新規原発の建設が最近認証されている。すなわち、米国は、シェールガス開発と原発という二つの手段で、将来のエネルギー源を確保・安定化し、生産インフラ面での優位を再構築する戦略だ。
  この米国の生産力再構築計画には、未だに工業的な生産技術のノウハウを一番豊富に抱えている日本企業との再提携こそが、鍵を握りそうだ。

  つまり、今日本の経済界は、東南アジアなどの「労賃の安い国」(例えばインドネシア、タイ、ミャンマー)にばかり目が向いているが、むしろ再び米国本土への再進出を目指すことも、戦略として重視すべきだと思う。
  要するに、近年中国、タイ、ベトナムばかりを重視してきた日本としては、もう一度米国本土での生産体制構築、整備を重視すべきでは無かろうか?これこそ、新たな日米同盟の再構築ともなりうるし、中国の一方的な台頭を阻止する意味でも、好ましい方向と思う。
  最近米国内の世論が、中国に対し厳しくなるのと反比例して、日本に対しては優しい議論が増えているように思えるのも、このように、米国経済の立て直しにおいて、日本との提携が視野にあるからではないか、と感じる。日本がうまくこの機会を利用しないと、またもや韓国に出し抜かれるであろう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
新年おめでとうございます。昨年は拙ブログへの数々の興味深いコメントを有難うございました。本年もよろしくお願い致します。

 さて、国際情勢全般への解説と展望を拝読させて頂きました。私のような素人だと、つい陰謀論に引きずられてしまいますが、「アラブの春」後の中東諸国をどう展望されているでしょうか?昨年ミツカンさんが拙ブログで、チュニジア、リビアなどは“失敗国家”になるのではないか?と予想していましたが、私も同感です。日本のマスコミも、「アラブの春」を持ち上げていますが、独裁体制=悪という感覚なのでしょう。

 ところで、記事ではインドに触れていませんが、出来ればインドへの解説もあれば幸いです。インドも民族、宗派対立というアキレス腱を抱えていますが、暫くは順調に経済成長すると私は見ています。
mugi
2012/01/01 22:11
mugiさん、あけましておめでとうございます。
 国際情勢の展望、と言う作業は、いわゆる「未来予測」的なものとなると、本当に難しいです。だからどうしても、今までの10--20年くらいの期間の傾向を回顧しつつ、またこの近い過去の傾向に関する「解釈」を、適正に行いつつ、その流れを未来に投影して、どうなるか、と予測することがまあ可能な分析手法とおもう。

 アラブ、インドとも、どちらもmugiさんの専門知識の方が多いから、素人の小生としては予測を控えた、ということでもあります。

 それでも、敢えて言えばと言うレベルで、少しコメントすると、次の通りです。
1.アラブ諸国、中東情勢
 やはり小生として、今一番注目したいのは、上記に書いたように、米国が中東から手を引き始めたこと、そしてアラブの春に関しては、一応曲がりなりにも米国の介入で民主化したイラクの場合は、影響がなかったことが注目されると思う。結局は、困難があっても、民主化に向かう国が多いと思う。
 また、米国が徐々に、イスラエル支援からも手を引こうとしていると思う。イランの核に関しては、米国とイスラエルが相互に、自分は「空爆したくない」と逃げ腰です。これも、軍事費を使いたくないし、大国イラン国民から恨みを買いたくないから。
 アラブ各国の混乱が、どういう風に推移するのか、不確実ですが、例えばエジプトの場合、アラブ同胞団というイスラム主義の団体が力を増しているけど、彼らは政権の座が近くなったら途端に現実主義になり、イスラエル大使館のカイロでの活動再開にも前向きらしい由。だから、イスラム急進派も、政権を取れば現実主義になるらしい。
 
室長
2012/01/01 23:11
(続)
2.インド
 隣国のパキスタンが、軍部と政府の間に大きな亀裂が出来、不安定な状態が続きそうで、その意味ではインドの敵は中国のみ。

 他方、経済面では、インドが得意なIT関連分野の成長率が鈍化傾向だし、欧米の不況で輸出が伸びないから、インドは苦しいそうです。ルピーが、ドルに対しても弱くなっているとも言う。結局、先進国の同時不況という事態となると、BRIC諸国の全てが、経済面でかなり悪影響を受けると思われます。

 新興国は、いずれも、急成長の反面、インフレ傾向に悩んでいます。特に中国、インドなどは大人口で、食糧の輸入も必要なのに、食料価格は高騰しているから苦しくなる。
 まあ、月並みなことしか思いつきません。インドは教育の成功で、人材を世界に輸出しているから、その意味で益々重要な国にはなっているけど、国内を見ると、言語、人種が多様で、中国以上に統一国家、国民国家としてまとめ上げて行くには難しい側面もあるように思う。
 でも、中国の対抗馬、当て馬として、ベトナムも、日本も、インドに期待しています。もちろん米国も、インドとの提携を深める意図があると思う。
 そういえば、ハイテク技術という面では、イスラエルとインドが今後提携していく可能性もあると思う。
 
室長
2012/01/01 23:28

コメントする help

ニックネーム
本 文
2011年の回顧、解釈と将来への展望 ブルガリア研究室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる