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zoom RSS 農業問題を、別の視点で見てみよう!

<<   作成日時 : 2012/01/10 18:15   >>

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  さて、年初に当たり、今年の日本の復興などに関して、どういう前向きの真剣な動きがあるのだろう、と年金生活者の小生は、既に傍観者的にぼんやり考えていたのだが、そのとき、小生の友人から下記に紹介する田原総一朗のメルマガが転送されてきた。

  日本の農業などは、小規模すぎて、世界的な競争力などゼロ、農民も老齢化していて、今更保護主義などで守れるほどの力もない、とすっかり見放していた小生にとっては、驚き、のけ反るしかない日本農業の実態なのだ。

  そして考えてみれば、世界に冠たる教育水準が高い日本で、農業がこれまで言われているほどにひ弱で、どうしようもない、危ない産業であるはずがないではないか!という視点で、農業問題を初めて考えるようになった。
  そもそも、どの産業であれ、国家が介入して、補助金で保護する必要性があるようでは、そもそもその分野は、守ることにも意味がないし、無駄金を使うだけ、と小生は思う。だが、実はそんなことは全くなく、日本の農業も、十分競争する力がある、というのなら、その競争力強化について、少してこ入れしてやるとか、応援してやればよいのだ。ともかく、最大の問題は、「週末農業、兼業農家」をも統計に含めて、偏向した農業統計を示して、保護貿易を唱える農水省の体質、実態にそぐわない現下の農業政策、ということになる。

  日本農業に関しては、これまでほとんど何らの研究もしてこなかった小生だが、昔少し知り合った農水省官僚達の中には、本当に腹立つほど権威主義的で、省益視点しかない、しょうもない連中が多かったことを思い出した。そして今回、この田原情報に接すると、このように現状無視で、バカげた農政しかできない農水省が、我が国の将来を台無しにしてしまうのではないか?という危惧感に襲われてしまった。

  他方で、この田原情報に言うほど頼もしい農家が、日本国にも存在しているというなら、まだまだ日本国の農業は、諦める必要性はどこにもない。むしろ、温室栽培、コンピュータ管理栽培などの、世界最先端の農業技術(株式会社式農業)は、日本が産み出しているし、北極圏のアイスランドなどの局地での野菜生産に貢献している。中東産油国などでも、温室栽培野菜は有効な選択肢かもしれない。工場式農業という分野で、日本は益々人類に貢献できるかも知れないのだ。

  今回の田原情報を見て考えられることは、農水省以外の省庁でも、戦後の惰性で、全く実情に合わなくなった、諸々の制度に基づいて、単に官僚の職場、雇用をキープするだけのための予算が結構蔓延っているのではないか?との疑問が生じる。
  新しい発想に基づき、省庁の仕事をコストに厳しい市民目線から「仕分けすれば」、結構諸官庁のリストラによって、歳出を削減できるかも知れない。思い切った歳出削減で、赤字国債を減らして、財政緊縮しないと、もはや日本国も持たなくなってきている気がする。

  さて、前置きが長くなったが、小生を驚愕させた田原メルマガによる、日本の農業の実態を下記に転載する。(番号、小見出し、注などは小生がつけたもの。)

1.希望が持てる農業
  年始にあたり、 希望のもてる話題をしたい。
  昨年末、専業農家の方々とシンポジウムを行った。そこで僕(田原)は、今まで考えていた農業のイメージがすっかり変わってしまった。

2.農水省データはインチキ
  まず、農水省が出しているデータはほとんどインチキだ、ということがわかった。
  例えば農水省は、2011年の農業従事者の平均年齢を約66歳だと発表している。
  つまり、あと3、4年で70歳を超えることになる。
  この数字をみると、日本の農業は、あと数年で終わってしまうと感じるだろう。
  また日本の食糧自給率は39%だと言う。これは大変なことだ、とても心細いと感じる。しかし、これは全部ウソなのである。

3.専業農家=14万人は、年収1000万円を超えている
  そのシンポジウムには北海道から九州まで日本中から農家の方々が150人ほど集まった。みんな年収1000万円以上という専業農家ばかりである。
  平均年齢は50歳ちょっと。40代の方もいらっしゃった。
  つまり、平均年齢の66歳とは大きくかけ離れているのである。
では、なぜこういう数字になったのか。
  そこには、こういうカラクリがある。日本には200万人が農業に従事している。
このうち専業農家が14万人。
   (小生注:要するに、この14万人しか、本物の農家はいないこととなるが、他方で、機械化が進む現代で、農耕地面積が少ない日本ではこの14万人でも農民数として十分とも言える。)

4.兼業農家=40万人
  農業収入のほうが多い兼業農家が40万人である。
(小生注:兼業で農業収入の方が多い、という職種が、小生には少し想像が付きにくいが、蕎麦を栽培して、蕎麦屋を兼業する、というような例とか、水産業との兼職であろうか??)

5.週末農家=160万人
 では残りの約160万人は何か。週末農業である。平日は役所や会社に勤めていて、
収入のほとんどが農業以外である。彼らが問題なのである。
  彼らは、会社や役所を定年で辞めると、形の上では専業農家になる。定年が60歳だとすると、専業農家のスタートが60歳になる。だから平均年齢が66歳という数字になってしまうのである。しかも、週末だけ農家をやっているので後継者ができようがない。
   (小生注:こういう趣味的な週末農業は、農業統計から除外すべきだろう。)

6.専業農家は大丈夫
  一方、しっかりした専業農家は平均年齢はせいぜい50代前半で、後継者もちゃんといるのだ。
  (小生注:実は、専業農家の中にも、週末農業から「引退して専業」となった、「しっかりしていない専業農家」も恐らくは1/3いると仮定すると、14万人X 2/3=9.33万人、つまり実質10万人弱しか、「しっかりした専業農家」はいないと見ても良かろう。そのくらいの人数で、これほど美味しく、品質の良い米、野菜、果物が日本のスーパーで買えるのだから、ある意味日本農業は未だに凄い、と考えた方がよい!

7.食糧自給率も、問題ない!日本は世界第5位の農業大国だ!
  食料自給率についても数字のカラクリがある。日本の39%という食料自給率は、
カロリーベースの数字である。ところが、世界でカロリーベースで計算しているのは日本だけである。
  世界はみな金額ベースである。では金額ベースにすると日本の食料自給率はどうなるのか。だいたい50%台後半で、イギリスよりも高くなる
 もっと言えば、日本の農業生産高は世界第5位。日本は農業大国なのである。

   (小生注:実は昨年末にロンドンに旅行して、スーパーの野菜、果物を見て、5--6年前と一つだけ感じた差異がある。今回は、数年前に比べて、中国、東南アジアなどから輸入した果実、野菜などが減少し(中国産品<果実>は今回ほとんどゼロ、タイ産の果実もほとんど無く、スペイン、アフリカなどからの果実に限られている感じ)、国産品、或いは少なくともEU域内から輸入したと見られる農産物が多いと感じられたこと。ともかく、野菜なども、大きさとか、品質とかが一定ではなく、大雑把に農家から買付け、大きなバッグに入れたまま売られている。消費者は、バッグから気に入ったジャガイモ、ニンジン、根付きセロリ、などを1個ずつ選び出してカートに入れ、レジで計算して貰う。何れにせよ、日本に比べるとkg当たり単価が安いから、手間暇かけて、きれいな外見で揃えて、野菜類を売る必要性はないようだ。
  ともかく、英国農産品の国産依存度は近年上がっているようだが、それでも、日本はこれ以上の自給率だというのだから、何ら問題はないではないか!!統計のごまかしだったなんて、とんでもないこと。金額ベースが当たり前だろ!)


8.TPPにも賛成で、輸出戦略を練る専業農家!
  いま専業農家は、いかに輸出をするか必死になっている。彼らはTPPにも賛成である。
  ところが、160万人の週末農家がTPPに反対する。
  だから、農水省は、農業は先細りだというイメージを広めて、TPPに反対する。
  さらに、国からお金をふんだくろうとする。

9.リストラすべき農水省官僚数
  このことは、農水官僚の数をみても明らかである。かつて日本の農業従事者は1000万人いたことがある。いまは約200万人で、5分の1になっている。
  一方、農水官僚はこの間、2〜3割しか減っていない。
   (小生注:実際には、上記にあるように、真剣に行政が支援すべき専業農家は14万人しかいないのだから、14:1000で、実はわずか1.4%に官僚数を激減しても良いはずではないか!税関での植物検疫、動物検疫、そして、新しい品種の改良などの研究などにある程度の職員は必要にせよ、補助金垂れ流しのための農水省本省部局の大部分は、廃止が可能なはずではないか??)

  つまり、危機感を煽って補助金を確保しているのは、 農水省と農協のためなのである。

  元経産官僚の古賀茂明さんは既得権益に固執する構造を「日本の病根」と指摘した。

  シンポジウムで聞いた話にも、農業における「病根」がはっきりとあらわれていた。
  専業農家の多くの人は大規模化を目指している。しかし、法律と規制で農地の売買が難しいから、農家は地主から土地を借りるしかない。300の地主から農地を借りて農業をしている人もいた。

  僕は、専業農家の方々と直接話をして、あらためて「病根」の根深さをみた。
  しかし同時に、 彼らの取り組みや展望を聞きながら、日本復活の芽が出始めているとも感じたのである。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

 今回の記事での日本の農業への見解はユニークですね。田原総一朗といえば、最近はネットでも何かと揶揄され、時代遅れの評論家の印象もあるのですが、必ずしも間違いばかりの意見とは限らない。ネットでも危機感を煽って補助金を確保しているといった、農水省と農協への批判を見かけましたが、あながち的外れではなかったのかも。

 これと同じことが漁業にも言えます。現宮城県知事は「漁業特区」推進に熱心ですが、これにこぞって反対しているのは県漁連。漁連と繋がりの多い県議員も猛烈に反対している。河北新報も読者の声のコーナーで、「漁業特区」構想に反対する静岡県民の投稿を載せていました。この騒動を見て家人も、「まるで海の“地主”みたい」と言っていました。

 県漁連が既得権益に固執しているのは確かだし、妙な共通性があると感じてしまいました。
mugi
2012/01/11 22:35
mugiさん、こんばんは、
 正直小生は、ブルにいるとき、公式統計集で農業生産の毎年の数字を比較研究していて、穀物に関しては、ある時期十数年を捕らえると、3年ごとに凶作年があることに気付きました。
 ところが、70年代末頃からは、3年ごとではなく、ほぼ毎年生産が振るわなくなりました。要するに、気候のせいではなくなり、昔からの篤農といわれる、個人農としての経験とか、農業技術に関するこだわりのある世代が途絶え、農業を普通の工業と同じに考えるというか、化学肥料をまいて、種をまいて、後は放っておけば作物が生長する、と考える、いい加減な大学出の「農業技師」による「粗放農業」となって、土地が肥沃さを失い、作物も心のこもった世話をしてもらえなくなって、収穫量が劇的に減少する、そういう社会主義農業の、破滅の段階があると気付きました。作物も、家畜も、いずれも、熱心な農家魂による世話が無くなると、まともな生産量の伸びなど一切なくなります。

 漁業も同じ側面があるかも。特に、牡蛎とか、わかめなどの養殖に関して言えば、長年の経験と、愛情で育てる漁民が必要でしょう。

 他方で、新しい漁業を開拓して行くには、漁協とは独自の視点で、新しい技術を試す、部外者(株式会社など)が、「漁業特区」などを得て、大いに実験したり、新しい組織で新規の養殖事業などを推進してみることも必要かも。漁協という既得権益と、新しい漁業分野の開拓・・・・利害関係がぶつかるのかも知れません。

 
室長
2012/01/11 23:29
(続)
 実は小生の故郷も漁村です。漁民にとって、漁協で守る排他的な漁業権は、農民の土地と同じで、大切です。だから「地主」と嘲笑する気にはなれない。でも、新しい分野の実験、開拓も必要で、話し合いが必要と思う。いずれにせよ、農業、水産業、林業のいずれの分野でも、お金と生活がかかるし、長い歴史があるから、農水省官僚も「革新的試み」などに失敗してきた苦い経験ばかりあるのかもしれません。
 でも、前に進む努力をすること、或いは、何もしないタダめし食いや、邪魔ばかりする既得権益官僚を頚切ること、これも改革には欠かせない。
 ともかく、漁業も小生の知る限り、意外と昔から儲かる職業です。農業に比べて、何倍も儲かる。だけど、他所の村の漁場を海賊的にこっそり荒らす、或いは、場合によっては「海戦」覚悟で犯す、これも漁民には昔からよくある話です。近年は、そういう「海戦」話は少ないけど、昭和30年頃の地方紙では、結構漁業権の侵害、海賊行為、そして「洋上の海戦」はニュースになりました。
 そういう勇ましい話も、懐かしく思います。
室長
2012/01/11 23:38

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