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zoom RSS 日本企業のブルガリア進出例

<<   作成日時 : 2012/01/24 13:03   >>

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 さて、小生はかねがね、中国、韓国企業がブルガリアに積極的に進出しているのに対して、日本企業は対バルカン半島進出の意欲に乏しく、大規模な投資案件が存在しない、という風に書いてきた。
 しかるに、1月23日付のNovinite.com紙は、矢崎総業がブルに新工場を開設し、1500名も雇用するとの記事を掲載して、小生を驚かせた(http://www.novinite.com/view_news.php?id=135987)。
 そこで、Google検索で判明した、ブルに対する日本企業の進出ぶりに関する他の資料と共に、この記事の要旨を以下にご紹介する。

1.矢崎総業の対ブル進出
 ブル東部のSliven市で、Kolyu Milev市長が次のように発表した:
日本のグローバルに自動車部品を供給している企業Yazakiが、Sliven市に新工場を建設し、この工場では、13年までに1500人の雇用が産み出される。この新工場は今年(12年)の6月に完成する。この工場は、Ford社向けに年間4000個(注:少なすぎるように思うが??)のワイヤーハーネスを製造する。なお、この工場は、以前のMiroglio Group所有の工場(注:恐らく廃業したのであろう)を活用して、再開発される。

ちなみに、矢崎総業が100%株主であるYazaki Bulgaria OOD社(矢崎ブルガリア有限会社)は、06年からこのSliven市の南方約20kmにあるYambol市に6千万Lv(約3千万ユーロ)を投資して工場を開設し、2600名も雇用している。すなわち、同社は、ブル南東部において、既に大規模雇用を提供している大企業なのだ。
 Milev市長によると、前からSliven市の労働者も、Yambol市の工場まで通勤していたケースが結構あり、これらの社員は、今後は他市まで通勤する必要が無くなる、という。
   (小生注:Sliven市は昔から、ジプシー、カラカチャーニなどの少数民族の比率が高いことで有名だが、これに近いヤンボル市も、昔小生が旅行してみて、相当ジプシーの数が多いと感じた。要するに、この地域では、失業中の若手労働力が多く所在していて、このような工場が、雇用を確保してくれることは、地元の利益にもかなっているはずだ。)

2.矢崎総業HPでの記述http://www.yazaki-group.com/company/ea.html
 矢崎総業のHPを調べてみると、「欧州・アフリカ部門」の中で、ブルガリアにおける工場展開として次の記述がある:
 【設 立】2006年【所在地】ブルガリア ヤンボル【TEL】359-46-901-400(代)
 【機 能】生産【取扱い品】ワイヤーハーネス

3.「ブルガリア観光局」による日本企業のブルガリアへの進出状況関連記事
http://www.bulgariatabi.jp/data/kigyo/index.html
 Googleで調べてみたら、日本企業の対ブルガリア進出事例、及び進出勧誘用として、下記のようなブルガリア側記述の記事が存在した(すなわち、中立的な立場からの記事ではない、この点は留意の必要性あり)ので、一応ご紹介しておく。
 なお、下記@の徳田Hospitalとは、徳州会病院のことで、徳田虎雄徳州会理事長が、直接命令して、それでもかなりの困難を乗り越えて、06年ようやく開業したもの。

(1)日本企業のブルガリアでの成功例及び進行中のプロジェクト
  @ TOKUDA HOSPITAL SOFIA
   ・日本最初の大型直接投資
   ・東欧一の最新医療設備と医療技術を持つ総合病院
   ・2006年に開院し、現在約600床、一日の外来数は平均約1200名で、近隣諸国よりの入院患者も増加している

  A矢崎総業
   ・2006年に現地法人「矢崎ブルガリア有限会社」を設立
   ・ヤンボルにてワイヤーハーネスを生産
   ・現在約3000名の現地労働者を雇用し、雇用促進に大きく貢献

  B三菱重工業
   ・カリアクラ*にて風力発電事業を実施
   ・すでに稼働を開始し電力の供給を行っている
   ・ブルガリア側による送電設備工事の遅れ(早急に着工予定)
(*注:ブル東部ドブリッチ県Kavarna郡の黒海細くに突きだした形状の半島部分がKaliakraである。)

  C東芝
   ・日本初の大型太陽光発電プロジェクト
   ・ブルガリアの「新再生可能エネルギー法」の早期成立と施行

  D円借款案件
   ・ブルガス港**、ヴァルナ港のコンテナターミナル建設とその管理・運営
   ・現在のところブルガリアの経済状況の変化により、当初計画の変更が検討されている
   ・この事業が完成すると、ブルガリアは増大するコンテナ需要に対応でき、輸送において優位に立つことができる。また、新たに周辺関連ビジネスが生まれ、日本企業が参入するチャンスがあり、ブルガリア、日本双方にとってメリットのある事業
   (**注:ブルガス港の浚渫工事は、日本の五洋建設が受注したが、港湾内から、ブル側から何らの事前説明もなかった第一次、第二次大戦時の残存機雷が、多数発見され、五洋建設は急遽浚渫工事において「機雷対策としての予期せぬ膨大な追加工費」の支出を余儀なくされたし、工期も予定よりかなり延びた。外国における土木工事には、このような、現地事情に疎い日本側が予期できないような危険が伴うので、要注意だ。)
   (注:ちなみに、上記以外に、円借款事業としては、ソフィア市の地下鉄工事を大成建設が受注し、ソフィア市中心部から市南東部Mladost区への路線を建設した案件が存在するはず。

(2)日本企業の進出に有望なビジネス分野
 2010年7月にソフィアで開催された両国経済委員会の合同会議での討議及び関係省庁、経済団体を訪問し懇談をした結果、今後日本企業が参入可能な有望ビジネスとしては、
  @再生可能エネルギー関連分野
  A環境関連ビジネス(ゴミ処理、水処理)
  B農水産分野(技術指導などを中心に、土壌、品種改良、養殖及び穀物生産)
  C観光関連事業(観光資源の有効活用とサービス、施設等のレベルアツプ)
 今後は大型プロジェクト案件だけでなく、中小規模のプロジェクト、ビジネス案件に技術力のある日本の中小企業が参入して行く方策を双方で検討してゆくとともに、ブルガリア進出、投資への優良な環境を構築してゆく(法律、規制、手続き等の明確化、簡素化)
 (参考)
 ブルガリアは観光事業にも力を入れている。ブルガリアは豊かな自然と豊富な観光資源を有し、治安も安定している。道路、鉄道などの整備も進み、ビーチリゾートやスキーリゾートなども充実しており、毎年多くの観光客が訪れている。
(増加傾向)
 CNNによると、旅行専門家たちの意見では今年ブレークする世界の観光地トツプ10の中にブルガリアは9位にランクインされている。(ちなみに、日本は7位)また、首都ソフィアはヨーロツパ40都市の中で最も経済的に滞在出来る都市との評価を得ている。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

 日本企業がブルに新工場を建設したというお話は興味深いですね。ちょうど円高なので、ブルを含めバルカンに進出するにはよい時期でしょう。ただ、国内においてますます産業空洞化、雇用が減るのではないか…という心配もありますし、少し複雑な想いです。私の若い頃と今では、就職状況がかなり違ってきているし、現代の若者は大変に思えます。

 ブルにカラカチャーニという少数民族もいたのですか。検索したら貴方の記事がヒットし、ギリシア系の言葉を話す遊牧民のようですね。ジプシーやトルコ系の他にも独特の習慣を持つ民族も存在していたとは、いかにもバルカンの国らしい。
mugi
2012/01/28 22:21
mugiさん、こんばんは、
 残念ながら、小生これまで何度も「経済」記事で書いてきたように、IT革命で知識、情報がグローバルに共有される時代となり、日本の物作りの知恵といえども、新興国で真似できるようになった。だから、労賃の安い国に生産拠点を移転しないと、日本企業も戦えない。また、今回のタイの洪水で明らかとなったように、技術は生産拠点に移るから、タイの熟練工が日本の工場に来て日本人労働者に「技術指導する」と言うようなことも必要となってきている。タイにある日系企業が数千社と言うから、空洞化はとっくに起きています。日本人が、日本企業に就職しても、勤務地は東南アジア、中国などと言うことも多くなった。出張先も、ベトナムとか。
 カラカチャーニは、バルカン半島でも本当に珍しい少数民族ですが、話す言葉がギリシャ語らしいと分かったのは最近のこと。ブルの民話では、山岳地帯の遊牧民族ながら、どういう訳か凄い大金持ちが多いので、結婚すると驚くほどの持参金、高価な絨毯などを持ってくる、と言う話が多い。実際には、山岳部で遊牧するジプシー、ヴラフとの境界が曖昧な(外部の人間にとっては)感じの貧しい人々なのですが、どうしてこういう民話が多いのか、不思議です。
室長
2012/01/28 22:49

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