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zoom RSS アングロサクソンとの正しいつきあい方(その一)

<<   作成日時 : 2012/08/27 15:32   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 4

 2週間以上も夏休み状態にこのブログを放置していたので、少し駄文でも、何とかブログ記事を復活させようと、しゃかりきになっています。妻が田舎での長い法事を終えて帰宅したので、炊事、洗濯など家事から解放されたことも、少しやるきが出てきた理由の一つ。
 とはいえ、暑すぎる夏が継続していて、脳みそは回転していないので、再度mugiさんのブログでの投稿記事(http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/a9b3998ef7d74b520844b81621357d1b#comment-list)をリサイクルするやり方での、姑息な記事となっていることはご勘弁願いたい。

 今回の小生の投稿記事の主眼は、空論としての「対米追従外交からの脱却」とか、「アジアへの回帰」などの議論に飽き飽きして、具体的に日本の国益を追求するなら、世界を主導していて信用できる英米と、今後も歩調を合わせていく、そういう現実主義の外交を、覚悟を持って日本国民に支持して欲しいと言うことである。

 そして、その理由は何か、と言えば、中西輝正氏が『国民の文明史』(03年12月初版、産経新聞ニュースサービス)で述べているように、「大国とは利益を分かち合うもの」という精神に徹することの必要性である。日本も、相変わらず大国の一員であるという、そう言う冷静な視点も、見失ってはいけない。

1.mugiさんのブログ記事:題名「We Will Rock You! その二」(2012-08-21)本文
 その一の続き、
 英国崇拝者が多い日本の文化人だが、同時に反英感情を持つ者もいるし、私のような英国嫌い日本人も珍しくないと思う。昨年「イギリス嫌いの弁明」という記事を書いた時、結構な反響があった。その一人哲さんは、「今回の書き込みは盛り上がりましたね。けっこう皆さん、白人に対してむかっ腹が立っているのだと思います」と書込みしている。そんな中で冷静に英国との関係を分析したmotton氏のコメントがあったので、全文紹介したい。

英米>仏独>露>中韓朝 (motton、2011-09-06)
イギリスが狡猾なのは同意ですが、日本が付き合う上では、英米>仏独>露>中韓朝と思っています。 近代の条約(国際法)への姿勢からは、

英米…守る。守りたくない場合は難癖を付けて破る。
仏独…守る姿勢を見せる。いざとなったら破る。
露…利益があるならすぐ破る。
中韓朝…国際法は自分達を縛るためにあると思ってる。破るべき。
その他の地域…国際法?何それ。

という感じなので。
(戦前の日本は大陸欧州に近かったと思います。満州事変や仏印進駐は英米ならもっとスマートに(狡猾に)やってますから。)

英米が国際法を守るのは自分達が作ったものだから守る方が利益があるという部分はありますが、露中あたりがその立場ならどういう振る舞いを するかは容易に想像が付きます。
英米は香港や沖縄を返還しましたが露中がそうするは思えません。
スポーツに例えると、欧米はルールを変えるだけですが、中国以下は平気で審判を買収します。

これが明治政府が露(や東亜)より英を選択した理由と思っています。
嫌英米の保守?の人の中には中韓朝と同じ考え方の人がいますが、幕末攘夷論のレベルです。長谷川三千子さんくらいであればいいのですが。


 戦前の日本は大陸欧州に近かったという見解は目からウロコだったし、他のコメンター室長さんの「他方で、日本人文化人の一部には、反米感情を隠す隠れ蓑として、反英感情に走るという、そういう傾向も見られるようなので…」(2011-09-08 )もハッとさせられた。

「アングロサクソンの過去の罪状とか、色々、恨み辛みの感情ともなるけど、実際に日本の国益から見て、現実に「提携し、連合すべき国家はどこか?」と考えていけば、なかなか黄色人種連合とかで、日本が得するとも思えない」という室長さんの意見も納得させられた。

 かつては軍事力で世界をRock、大英帝国を築いた英国だが、20世紀後半はポップスやロックで世界を制した。音楽で「We Will Rock You!」 ならマシだろう。


2.上記記事に対する小生のコメント:他国と利益を分かち合う (室長、2012-08-23 )
こんにちは、
 最近中西輝政の『国民の文明史』という本を読んでいます。結構、小生には難解な書物ですが、272ページの記述は衝撃的です。
 満州事件に関するリットン報告書に関して、次のようにコメントしている。

(1)5%のコミッション
 英語に「どんな慈善活動にも、5%のコミッション(手数料)」という言葉がある。リットン達は他国のためにいいことだけすると言うことはなかった。必ず「5%のコミッションを取る」。その5%のコミッションに当たるのが、この場合は、満州市場の開放であった。この際満州市場を開放体制にして、英国資本、米国資本が入っていきやすいようにしろ、というわけだった、という。特に満鉄には、資本参加したいと言うことであったという。報告書の中には、単に「満州経済の国際化」と書かれていて、それは要するに、英米にも分け前を、ということだった、という。満州利権を、日本が主導することはよいが、英米にも分け前をよこせ、ということだったという。

(2)昭和天皇も、リットン報告に賛成していた
 そして、更に驚くのは、リットン報告書を読まれた昭和天皇も、「これで良いではないか」と仰有ったという。
  昭和天皇は、満州における日本の権益を、英米と分かつことによって、国際的な承認を得る、ということ、長期的により良く保障されうると言うことを良く理解されていた、という。

 結局、日本のみの権益独占という、軍部の狭い意向で突っ走ってしまったことで、却って日本の長期的な満州利権の確立に失敗した、ということだ。

 国際法を主導し、世界の秩序を導く役割を永年勤めてきた英米両国に対する、5%のコミッションをけちって、中国大陸に対する権益全体をも喪失していく、そういう間違った外交を軍部の独走が招いたと言える。

 外交というのは、長期的視点で損得を考えていく必要があるし、特に「利益を分かち合う」、「5%のコミッションをあたえる」というような、英米における「裏の常識」とも、うまくつきあっていかねばならない、ということであろう
 何でも白黒を鮮明にして、理詰めで考えてもいけない、大国と利益を共有していく、という配慮を何時も忘れてはならない、ということだと思う。

3.mugiさんの返事
RE:他国と利益を分かち合う (mugi、2012-08-23)
>こんはんは、室長さん。

 中西氏の『国民の文明史』は未読ですが、リットン報告書に関しての分析は興味深いですね。「どんな慈善活動にも、5%のコミッション(手数料)」という言葉があるのも初耳ですが、満州市場の開放による5%の“手数料”なら、別に暴利ではないと思います。

 にも拘らず日本のみの権益独占にしてしまい、満州どころか大陸の利権を全て失った。何故このような拙いやり方になってしまったのか不可解ですが、軍部には外交の分かる者がいなかったのやら…

 戦前ばかりか最近のメディアでも、責任追及とばかり何でも白黒を鮮明にし、理詰めで考えよという論調が多すぎる。外交というのは常に曖昧だし、大国と利益を共有するという発想も必要です。反原発、オスプレイ問題でも単に感情を煽り立てる論調には心底ウンザリさせられます。


4.5%のコミッション (室長、2012-08-24)
こんにちは、
 「慈善活動にも、5%のコミッション」という考え方、或いは諺が、英語であるというのは、小生もこの中西氏の書物で初めて知ったことです。
 そういえば、英国には、Oxfamといったような、巨大チャリティー(NPO)が存在し、その雇用者数などは、大企業を超えるほどと聞きます。

 マケドニアに小生が出張していたときに、マケ政府関係者が、西欧から来たNPOなどが、EUから直接資金援助を受けて、その職員達が西欧並みの給与(マケ人から見れば多すぎる給与)を得て、毎日旧市街の食堂で焼き肉を食べて贅沢していると怒っていた。返済の義務はないにせよ、EUからマケへの援助金として公式統計に乗る金の大部分が、西欧の怪しげなNPO職員の「巨額な給与」として消えていて、マケ国民の懐とは関係のないところに消えるのが、腑に落ちない、と言う感じでした。

 西欧にしてみれば、自国の失業者対策でもあるNPO職員という「職業」に、対外援助金から「給与」を支払う・・・・決して、無駄にはならない、良い制度、ということになる。
 
 植民地での利益を「分かち合う」というやり方は、確かに、欧米列強の汚い帝国主義に荷担する、ということでもある(そういう目で見れば)が、他方で、日本のみが利益を独占せず、先進国同士で利益を分かち合う、ということになる。それが、当時の中国大陸を巡る大国の常識だったと思う(英国は、そのやり方で、仏、独、蘭などにも配慮してきた)。やはり日本は、東亜から欧米植民地主義を追い出す、という大義を名乗ったにしても、実質は、相手側に言わせれば、東亜における利益配分から欧米を排除しようとした、ということになる。
 上海租界などにおける英国利権の擁護に、日本軍の援護を要請したのに、幣原喜重郎外相は、あっさりと拒否したらしい。いくら日英同盟が解消後でも、そういう国際社会からの支援要請には、対応して、恩を売る、という態度が必要でした。外交のトップも、料簡が狭かったのです。

5.motton氏のコメント:独裁者 (motton、2012-08-24)
 20世紀前半の日本の問題は独裁者がいなかったことかもしれませんね。そのため、中長期的な戦略がなかったように思いますし、松岡や石原莞爾の様な無責任な外交を行なう輩が出ました。

 WWII時、日本以外の主要国には全て独裁的な権力者がいたことは、もっと注目されてもいいかもしれません。

6.mugiさんの返事
(1)RE:5%のコミッション (mugi、2012-08-24)
>こんばんは、室長さん。

 英国のOxfamという巨大チャリティー(NPO)の名は初めて知りましたが、そのからくりは興味深いですね。要するにEUからマケへの援助金を食い物にしていたということ。他人のカネで支援者面しながら「巨額な給与」を得て、毎日旧市街の食堂で焼き肉食べ放題。これではマケの政府関係者はもちろん一般国民も怒りますよ。

 改めて欧米のNPOの狡猾な裏の面が分かりました。もちろん西欧にとっては失業者対策になるし、良い制度でしょう。震災後、やたら国内外のNPOの活動を讃えている日本のメディアも本当に信用できないですね。
   (小生コメント:曽野綾子氏は、長年カトリック・ミッションなどの後進国支援、援助に携わってこられたから、チャリティーが何をすべきか、何処に金を出すべきか、と言う議論を何処かでされていたように記憶する。カトリックの慈善団体は、現地で活動するナースなどの聖職者が、直接アフリカなどの僻地などで地元民を支援している例が多いようで、そう言う援助金の受け手団体が信用できること、活動が具体的目的(特定の医療活動など)を有し、チャリティー職員の「給与」などに消える部分が少ないこと、即ち中間搾取が少ないこと、なども確認した上で、きちんと現地住民に資金が届く、と言うことを心がけておられる、というような議論だったように思う。)

 ちなみに幣原喜重郎をwikiで見たら、「アメリカとともにイギリスによる派兵の要請を拒絶…」とありました。アメリカが要請を拒絶した理由は不明ですが、案外米国も外交下手でしたね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%A3%E5%8E%9F%E5%96%9C%E9%87%8D%E9%83%8E
  (小生コメント:アメリカは、中西氏によれば、自国領土が広大で、故に植民地を必ずしも必要としないので、中国などでの西欧の「植民地活動」には、元来否定的意見があったらしい。特に中国では、西欧が先に権益を確立していたので、「機会均等」などとイチャモンを付けた。
   とはいえ、その後英国の助言を得て、米西戦争に走り、フィリピン、キューバなどの「植民地」を持つようにもなっていたし、ハワイも併合した。
   アメリカが中国で重視したのは、どうやら「投資で儲ける」ということで、その流れから、満洲でも満鉄への出資(投資)による「利益の分配」を主張したらしい。
   だから、蒋介石らの北伐という段階で、英、仏利権を保護するために、日本、米国に「出兵要請」があっても、米国は当時は、中国に兵力を派遣するというところまでは、「古い帝国主義国英国」に荷担する気はなかった、と言うことだと思う。英米間の関係、感情とか、米国の外交的・戦略的立場も、徐々に変わるのです
。)

(2)RE:独裁者 (mugi、2012-08-24)
>mottonさん、

 毎度ながら貴方の意見は実に慧眼ですね。仰る通り東條如きは同じ枢軸国はもちろん、連合国に比べても指導力など無きに等しかった。

 WWII時に限らず残念ながら日本の政治風土では、独裁的な権力者を出さないのです。それが今の政治の混迷を招いているのでしょう。仮にその素質と能力を持つ人物がいても、日本では活かせないかもしれません。

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内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

 またも拙ブログ記事&コメントを取り上げて頂き、恐縮です。
 アメリカがイギリスによる派兵の要請を拒絶した背景がよく分からなかったのですが、貴方の注釈で納得できました。アメリカも時に「モンロー主義」的な孤立主義が支持されますが、国益面からは当然の政策でしたね。
mugi
2012/09/01 22:57
こんにちは、
 キッシンジャー著『外交』を読み始めたばかりですが、米国の基本的立場としては、欧州列強から米州への「内政干渉を絶対排除する」、「孤立主義」という、対欧州敵意みたいな部分と、「自由」という理念で独立し、国家建設した全く新しいタイプの国家、新興国としての「理念外交」、すなわち、アメリカの価値観を世界中に広めることが人類の幸福に繋がるという、強い信念に基づく「宣教師」、「十字軍」的側面があるという。

 すなわち、旧大陸における、権力外交、バランスオブパワー概念、或いは覇権主義などの「邪な、古い概念」を軽蔑する、理念主義、自分たちのイデオロギー、価値観への絶対的な自信、などから来る、「宣教師的側面」が強いと言います。

 ところが、冷戦に勝利した途端に出現した、幾つもの地域覇権国(BRICS)が並立する、或いはイスラム文明など、色々な文明が並立するような、そういう価値観が並立するような、新たな時代となったことに戸惑っている、という側面もある模様。
 しかし、再び、マニフェスト・デスティニーという、使命感が米外交の基軸となっていくのかも。要するに、社会主義国の、滅んでいったマルクス主義イデオロギーに比べて、米国の民主主義に根ざした、しかしキリスト教を基盤とした、自由信奉というイデオロギーは、今後も根強く世界情勢を支配していく可能性もあるということでしょうか。
 米国で、モルモン教徒のロムニー氏が共和党候補として躍り出たことは、相変わらず、何らかのキリスト教理念に基づく、「十字軍」的なアメリカ文明の特色が出ていると言うことでしょう。国家、文明の体質は、なかなか変わらない(中西理論)とも言える。
室長
2012/09/02 10:26
お世話になります。とても良い記事ですね。 オークリー http://www.kfsmtv.net/oakleysunglass/
オークリー
2013/07/26 22:02
こんばんは、
 お褒めの言葉はありがたいけど、ちゃっかり商品の宣伝ですか?そういうのは少し、困る感じですけど。
室長
2013/07/26 23:12

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