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zoom RSS ブルガリア経済の数値(一)

<<   作成日時 : 2012/10/31 15:16   >>

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  最近、ブルガリア経済の現状を、ある程度Novinite.com紙に時折掲載される記事のみでも、分析できるのではないか?と言う野望を抱き、この作業に挑戦することとした。本来政府発表の統計値に頼るべきだが、どうも統計値のみを見ていても、却って分かりにくい感じがするので、小生がコピーした記事をまとめる、と言うやり方でやってみる。
  結構、それなりにブル経済が分かる気がするので、2回に分けてご紹介する。

 
1.国家財政、予算
(1)11年度歳入、歳出(2012.02.01:http://www.novinite.com/view_news.php?id=136267
財政赤字は、GDPの2.1%に留まった(予算では2.5%を見込んでいた)。
  歳入=254億Lv(達成率96.8%)=GDP比33.3%。GDP=763億Lv。
   歳出=270億Lv(達成率95.8%)。
    【注:このGDP763億Lvを、1Lv=50円として計算すると、ブルのGDPは3兆8150億円となる。一人当たりGDPは、人口を735万人とすると、約52万円。
    また、日本のGDPを500兆円と仮定すると、また人口を1.28億人として計算すると、日本の一人当たりGDP=390.6万円となる。すなわち、ブルの7.5倍である。
 なお、次のような記事もある(2012.03.06:http://www.novinite.com/view_news.php?id=137295):
  ブルのGDP:2011年=385億ユーロ。11年度成長率=1.7% 、同年の一人当たりGDP=5168.7ユーロ(1ユーロ=100円で計算すると、51.69万円)、10年の成長率=0.2%と極めて低成長だった。】


(2)2013年度予算案(2012.10.10付 http://www.novinite.com/view_news.php?id=144006
  来年度の成長率は手堅く1.2%と予定(もっとも実際には1.9%ほどの成長と予測できると思う)。昨年2012年度予算は、GDP成長率1%予定で計算されたから、予想より良い形で、今年の予算を締めくくれそうだ。
  来年度予算における赤字は、GDPの1.3%=11億Lvと予測。これは、2012年度と同じだ。
  歳出総額は316億4800万Lv(1Lv=50円換算で1兆5824億円)=GDP比で38.8%(即ちGDP=815.67億Lv=4兆783億5000万円)。
  ブルのEU財政への貢納金は9.08億Lv(454億円)。
  歳入総額は305億4800万Lv=1兆5274億円。

(3)ブル国家財政は、EU域内の優等生の一つ(10月22日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144372
欧州統計局(Eurostat)によれば、2011年度、財政赤字がGDP比で2%、また政府累積債務もGDP比で16.3%と言うブルガリアは、EU域内の優等生である。

  財政赤字がGDP比で悪かったのは、次の17カ国:アイルランド(-13.4%)、ギリシャ及び西(共に-9.4%)、英(-7.8%)、スロベニア(-6.4%)、キプロス(-6.3%)、リトアニア及びルーマニア(共に-5.5%)、仏(-5.2%)、ポーランド(-5.0%)、スロバキア(-4.9%)、蘭(-4.5%)、ポルトガル(-4.4%)、伊(-3.9%)、白(-3.7%)、ラトビア(-3.4%)、チェコ(-3.3%)。
  ユーロ圏の政府累積債務は、10年末の85.4%→11年末の87.3%へと増加。他のEU域内諸国では、この数値は、80.0%→82.5%へと増加。

  11年度の政府財政赤字好成績国は、GDP比でルクセンブルク、フィンランド、ドイツの場合は、▽1%以下。更に上は、ハンガリー、エストニア、スウェーデンで、これら諸国は、+0.4%〜+4.3%と財政黒字を達成した。域内2カ国のみが、財政赤字対GDP比で、2010年比悪化を記録した。

  2011年度末における政府負債対GDP比での優等生は:1位エストニア=6.1%、2位ブルガリア=16.3%、3位ルクセンブルク=18.3%、4位ルーマニア=33.4%、5位スウェーデン=38.4%、6位リトアニア=38.5%。

  EU域内14カ国は、GDP比政府累積債務が60%を超えた: ギリシャ (170.6%)、伊(120.7%)、ポルトガル(108.1%)、アイルランド(106.4%)、白(97.8%)、仏(86.0%)、英(85.0%)、ハンガリー(81.4%)、独(80.5%)、墺(72.4%)、キプロス(71.1%)、マルタ(70.9%)、西(69.3%)、蘭(65.5%)。


2.生活水準
(1)不況:生活費を切りつめ(10月10日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=143999
世論調査機関によると、ブル家計は、昨年よりも更に悪化した。電気代、暖房費、水道代、などの公共料金請求書の支払いに苦労している:60%。
  これらの困窮者は、主として40歳以上、または年金生活者、学歴の低い人々、トルコ系、ロマ系などの少数民族、小さい村の住民、独身世帯、月額所得が200Lv(1万円)以下。

  73%が、昨年より購入する食品の種類を減らしたという。74%が、電気の使用を控えるように努力しているという。多くの世帯が、贅沢品、娯楽、観光などを諦めた。衣類、靴などの購入を控えた者も多い。25%が、タバコを吸うのを止めた。31%が、酒を止めた。39%が、医療を諦めた。42%が、電話機の所有を止めた。16%は、昨年少なくとも6ヶ月間は失業していたという。15%は、既に6ヶ月以上失業中だという。

(2)貧困層の増大(10月22日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144370
  ブル人口の23%が、貧困レベル以下の生活をしている。
KNSB(労組)調査では、4人世帯の月間最低生活費は2250Lvである。
  9月末の一人当たり最低生活費(月間)は、563Lvだった(2250÷4=562.5Lv:1Lv=50円で計算すると、28125円となる)。最低生活費には、家賃、光熱費、食費、衣料品、医療費、教育費、などが含まれる。 11年度比6%増、今年年初比では5%増となる。今年9月と、3年前の09年9月とでは、最低生活費は18%も上昇している(インフレと言うこと)。食費、電気代、水道代、天然ガス代、暖房費などが高騰している。

  政府の無策故に、インフレ対策が成されず、国民の窮乏化は、益々進行している。消費者バスケットに含まれる77項目の基礎食品、サービスが身体的生存の最低必要経費とされるが、これは現在一人当たり214Lv(1万700円)で、この数値は、年間ベースで7%強上昇した。ブル人口の23%、絶対数で166万人(総人口は逆算で721.7万人となる)が貧困線以下の生活をしており、これに加えて50%が月収290Lv(14500円)以下(世帯メンバー一人当たり)での生活水準なのだ。多くのブル人が、食費、教育費、医療費を更に切りつめている。
  2013年度予算における施策形成に向けて、政、労、使3者会談を早急に召集すべきだ。

(3)欧州統計局が、ブル北西部が、EUで最も貧しいと指摘(2011.11.22:http://www.novinite.com/view_news.php?id=134177
欧州統計局の08年度数値では、ロンドン中心部とブル北西部の世帯所得比較は10.1:1と、10倍の較差がある。更には、同じ地域間の対比で、地域GDPを比べると、この格差は13.2:1へと拡大するという。
  所得が多いトップ20地域は、7カ国にわたって存在:ドイツの7地域、英国の6地域、白、伊両国にそれぞれ2地域、仏、蘭、スウェーデンにそれぞれ1地域。

  所得底辺20地域は、いずれもEUの新加盟国に所在。
  ルーマニアには、8地域あるが7地域がこの範疇に属する。ブルの場合は、6地域あり、全てが属す。ポーランドには16地域あるが、内6地域。ハンガリーは7地域あるが1地域が属す。
  08年にはEU内で所得の最高と最低地域の較差は10.1:1だが、00年には14.3:1だった。較差は少しは縮小、改善されたと言える。

(4)ブルがEU諸国中最低の数字:購買力平価で見た一人当たりGDP数値(2011.12.13:http://www.novinite.com/view_news.php?id=134820
購買力平価(PPS)で見て、 10年度のブルの一人当たりGDP数値は、EU平均より44%低い値だった。
  他方で、ルクセンブルクの場合は、10年度にEU平均値を2.5倍上回った。蘭の場合は、1.33倍。
  アイルランド、デンマーク、墺、スウェーデンは、EU平均値より1.2--1.3倍。白、独、フィンランドは、1.15--1.2倍。英、仏両国は、EU平均値より1.1倍上、他方伊、スペインは平均値ぴったり。

  ギリシャ、スロベニア、マルタ、ポルトガル、チェコはEU平均値から10--20%低い数値で、スロバキアは25%低い数値を記録。ハンガリー、エストニア、ポーランド、リトアニア、ラトビアは、EU平均値よりも35--50%低かった。なお、ルーマニアはEU27カ国平均値から46%低く、ブルガリアは44%低かった。
なお、一人当たりAIC(実質個人消費)では、ブルはEU平均より6割も低い数字。

(5)失業率:EU内でも相当悪い失業率に属す(2012.04.02:http://www.novinite.com/view_news.php?id=138124
2月のブルの失業率は12.4%で、EU域内平均の10%強に比し、かなり悪い。
  墺、蘭2カ国が4%台で最低、ルクセンブルク、独は5%台。
  最悪は、スペインの23.6%とギリシャの21.0%。
  ルーマニアは、7.1%とブルより相当マシな成績だ。


3.ブル経済評価
(1)英国FT記事:緊縮財政で安定しているが、成長率は低い(10月11日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144053
この地域(南東欧)の各国は、08年以前の繁栄期における財政上のやり過ぎという、金融面での悪影響に対策を講じなければならないが、ブルに関して言えば、公的債務はGDP比17.5%という少額で、その上政府が素早く財政赤字の縮減に動いたので、2011年にこの値はたったの2.1%だ。今年は、1.25%程度ですむであろう。
  その上、ブルのLev貨幣は、ユーロと固定交換レートでpegされているので、これが、国家貨幣の安定性維持に寄与している。

  しかし、GDPが▽5.5%を記録した09年の不況の後、ブル経済は活性化の兆候を何ら示していない。成長率は今年1%、来年1.5%程度にとどまるだろう。失業率は10--12%と極めて高い。
  銀行部門は、不良債権が19.6%と高率で、深刻な挑戦を受けている。ブルは、寛大なEUからの資金供与枠を、上手に消化できず、損している。ただし、最近消化率の向上が見られる。またユーロ圏の危機という外的環境によっても悪影響を受けている。

  IMFの勧告は、予想通りで、今後も緊縮財政政策を継続せよ、インフラ投資は例外として、少し多目に投資を継続せよ、そして、構造改革を実施せよ、特に若い、非熟練労働者(失業者の大半を占める)を雇用することが企業に利益があるように、刺激策をとれ、というもの。尤も来年夏が総選挙の時期なので、政府としては恐らく不評な改革を強行することは、難しいことだ。

(2)企業の負債が増大し、苦しんでいる(10月20日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144320
  ブル経済が、最悪の苦境を経験している:負債を支払えず、ホテル、オフィス、商店などが抵当物件として、強制売却処分されている。
ブル企業の5割が、未払い負債に関し、訴訟を抱えるという苦境の中にある。私的法執行局職員会議所による2012年上半期研究データが、上記の数字を発表した。ホテル所有者、建設業者、商人らが、大きい負債を抱えている。年初以来10.6万件の提訴があり、年末までには20万件を超えると予想されている。この数字は、2011年末に比べて、2割も大きい。企業間の負債が積み上がっていて、企業間の提訴合戦となっており、銀行による企業への提訴は31%と相対的に低い数字だ。

  私的法執行局職員達は、今年末までに10億Lvもの負債を徴収すると予測されている。これは、売上税、或いは付加価値税として国庫に入る金は、たったの10万Lvへと縮減することをも意味する。昨年は、17億Lvに上る提訴があり、私的法執行局職員らは、05年以来蓄積された総計28億Lvもの負債を徴収した(注:05年に私的法執行局が設置された)。

  他方で、今年の場合は、2012年という、たった1年間で10億Lvもの負債を徴収することとなる。ブル中部のSZ(スターラ・ザゴラ)市は、倒産件数でブル一番、抵当資産の売却数ではソフィア市に次いで2番目という記録だ。 Blagoevgrad市が3番目で、これは、Banskoと言う冬期観光地のホテルを抱えているから。4番目がPlovdiv市、5番目がVarna市、6番目がBurgas市。 最大の売却物件は、ホテルで、今年上半期に4千万Lv分、次いではオフィス、生産工場、商店などの商業資産で合計1400万Lv分だ。

(3)企業倒産数増大、失業も加速(10月24日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144453
今年1--9月期に、ブルでの企業倒産数は2488件に上った。 ソフィア市が最大で、509件の倒産。05年年初以来では、総計2.4万社が、事業閉鎖した。大部分が、大都会に所在する企業。

  また、個人企業も10500件が、事業を停止した。特に倒産企業、或いは個人企業の事業閉鎖は、今年7--9月期に多かった。
  失業者も、過去4ヶ月間に17.26万人増大した。 失業率は、08年の5.6%→12年には12.4%へと増えると予想される。マイナス傾向への寄与では、農業、工業部門が大きい。加工工業部門の雇用者減少は、11年度半ばから急増している。

(4)ブルガリアとルーマニアの経済水準は、他のバルカン半島諸国と同じレベルに留まる(2012.01.31:http://www.novinite.com/view_news.php?id=136226
最近の研究では、ブルの成長率は相対的に高いものの、それでもその生活水準は、近隣のセルビア、モンテネグロよりも低い水準のママだ。
  Open Society Institute専門家が示したCatch -up Indexの数値によると、ブル、ルーマニア両国は、その他のバルカン半島諸国と、@経済状況、A生活の質、B民主化の水準、C国家統治の水準、などの指標で、ほぼ同等のママである。

  指標では、ブルと他のEU諸国、そしてEU加盟候補国であるクロアチア、アイスランド、セルビア、モンテネグロ、アルバニア、トルコ、マケドニア、BHなどを比較している。上記の4指標で、ブルはクロアチアに次いで28位であるが、ルーマニの上ではある。

  欧州の35カ国を47の指標で比較していて、しかも国々は発展段階によって6つの群に分類されている。ブルは、第6群に所属している:同群の他の国はクロアチア、ルーマニア、モンテネグロ。その下(第7群)は、セルビア、マケドニア、トルコ、アルバニア、BH。 
  ブルは、経済成長率は相対的に高いが、生活の質では、セルビア、モンテネグロに劣っている。新規EU加盟国で、古い加盟国(24カ国)に近い数値を示しているのは、チェコ、エストニア、スロベニアのみである。

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ブルガリア経済の数値:2014年
  小生のブルガリアに関する関心の一つは、経済傾向に関する報道をフォローすることだが、最近この関連で少し面白いと思った記事をnovinite.com(英字ネット紙)から抽出して、並べてみることとした。それなりに興味深い点が垣間見える。ちなみに、ブル経済の数値に関しては、12年10月にも記事にした:http://79909040.at.webry.info/201210/article_6.html。円の為替レートがその後相当円安となったので、かなり数値に差が出るものの、1Lv=50円で換算... ...続きを見る
ブルガリア研究室
2014/05/17 18:37

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