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zoom RSS 日本経済の底力(その一)

<<   作成日時 : 2012/12/05 08:57   >>

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 さて、小生は、7月以来積み貯めていた「新聞切り抜き記事」を項目毎のクリアファイルに入れ込むという、「情報整理」を3日ほどかけて完了した。この作業の良いところは、少し長い期間にかけて我が目を引いた情報(主として産経新聞と週刊ポスト記事、偶には朝日新聞記事)をざっと横目で眺めながら、色々と思考できると言うこと。そして、近づいてきた総選挙にも思いを馳せると、日本国の将来のために、今政府としてはどういう視点で施策をして欲しいか、と言う儚い希望とも関連する情報をつい選んでしまう、ということとなる。
 今回の情報整理期間は、中国による我が「尖閣諸島」領土への介入、或いは韓国の「暴走末期大統領」による「竹島上陸、天皇陛下への謝罪要求」という「暴挙」もあり、日本国としての東アジア、特に南西諸島周辺における国防にも、とりわけ関心が高くなったのだが、国防の要となるのは、やはり経済面での将来展望だ、と思う。我が国の経済は、単に右肩下がりに衰退していっているのか?、または、これからも中国、韓国などに対抗して、頑張れるだけの厚みがあるのか?、こういうことが気になるのだ。
 結論として言えば、まだまだ我が国経済の底は深く、大丈夫だというのが、「切り抜き記事」を総合しての、小生の感触だ。まあ、そう言う楽観論の根拠となる記事を取りそろえて、ご紹介しよう、と言うのが、今回の小生の目論見である。意外に、そう言う論調の記事が多数あったので、何回にも分けて、ご紹介しようと思う。

1.日本の富のストックは、世界一だ(7月27日付産経紙)
 双日総合研究所副所長の吉崎達彦という方が書かれた論文。
(1)フロー所得で3位
 今年(2012年)4月時点のIMFによるGDP統計データでの比較:1位:米国=15兆ドル、2位:中国=7.3兆ドル、3位:日本=5.9兆ドル、4位:独=3.6兆ドルで、韓国は何と15位=1.1兆ドルに過ぎず、日本の1/5でしかない、という。

(2)ストックで2位(一人当たりでは1位)
フローの「年収」に当たるのがGDPだが、ストックである「富」を見ると、国内における有形、無形の資産に「値付け」して、それらを合計し、比較するのは、複雑で難しい計算だが、「リオ+20」会議用に国連環境計画(UNEP)が発表した「包括富レポート2012」という統計値があり、世界20カ国を対象に、物的資産(機械、建物、インフラ)、人的資産(教育水準、技術)、天然資産(土地、森林、天然資源)、に分けて計算したという。
この尺度で見れば、米国が1位、日本は2位だという。日本の「富」は中国の2.8倍もあるという。また、人口一人当たりの「富」は、日本が堂々の第一位だという。
 日本が保有する富の大部分は、「人的資産」に基づくという。教育期間、平均賃金、働ける年数、等に基づく計算という。我が国の最大の資源が、勤勉で教育水準の高い人材だ、と言う長年の自己認識通りの結果だ。
 また、調査された20か国の内、1990--2008年の期間に「天然資産」が減少していないのは日本だけだという。「環境のきれいな先進国」だということ。特に森林面積が、この期間に増加しているのだ。

(3)悲惨度指数(失業率+消費者物価指数):日本が最善
 ミゼラブル指数という「国民の悲惨度」を示す指標があり、米大統領選などの際に、この指数が高いと現職の再選が難しいことが知られている。
 直近のデータでは、日本の失業率=4.4%、消費者物価上昇率=0.2%、両者を足すと4.6%で、世界主要国では最も低い数字だ。先進国は何処でも二桁が当たり前だし、ユーロ圏は失業率だけでも10%以上という国が少なくない。日本の「悲惨度指数」は健闘していると言える。
ところが、日本では、得てしてこういう「いい話は注目されない」。つくづく悲観論が好きな国民なのだ。恐らく、世界の「謙虚度調査」というものがあれば、日本は金メダル確定ではないだろうか?


2.日本の国家破綻は、米国、英国の破綻後に心配しても間に合う(10月12日付「週刊ポスト」誌)
 山口正洋という、プロの投資銀行家(元モルガン・スタンレー社員)。同人の有料メルマガ「ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」は、購読者が数千人いる。この方の最初の著書『なぜ日本経済は世界最強と言われるのか』(今年10月出版、東邦出版)に関する質疑応答記事(小生が要約、以下同じ)。

(1)日本国債の暴落はあり得ない
 かつてヘッジファンドが怖れられたのは、100億円という手持ち資金にレバレッジをかけて、金融機関から1000億円、場合によっては5千億円もの融資を簡単に得られたから。しかし、リーマンショック後に、金融機関はヘッジファンドから融資を一斉に引き揚げたから、このような脅威はもはや無い。
 万が一、1000億円の空売りを仕掛けてきたとしても、今の日本国債先物市場の取引額は、月間140兆円、1日当たり7兆円もあるから、影響は微々たるもの。国債をほぼ独占する国内メガバンクとは規模が違いすぎるので、逆立ちしても勝てない。(だから、日本より簡単に潰れる韓国などが、先にヘッジファンドなど外資の空売りの対象になるであろう。)
 日本国債発行残高940兆円の内、外国人保有残高は約80兆円、国内金融機関の保有額620兆円に比べれば、規模が小さすぎるので、暴落の心配は全くない。

(2)中国の台頭?
日本のGDPも、外貨準備高も増えていて、日本経済は後退しているわけではない。逆に中国では、11年10月に、ここ10年来初めて公示不動産価格が下落したし、GDP成長率も今年上半期には7.8%と、遂に8%割れを記録している。つまり中国経済のスローダウンは既に始まっている。
 諸先進国も、中国に進出した企業が、ルールをルールとも思わない中国企業に騙されて大損害を被り、「やはりアジアでパートナーを組むなら日本」だとして、ジャパン・リターンが始まっている。

(3)韓国の台頭?
 あれだけウォン安政策で、国内インフレのリスクも犯して輸出に傾注しているのに、対日貿易で黒字になったことは過去に一度もない。東日本大震災でも、日本からのコアパーツ(主要な部品)輸入が止まれば、サムスンはスマートフォンの製造も出来ないことが暴露された。どんなに購入価格が高くなっても、日本製の部品が必要不可欠です。
 韓国はデフォルトを懸念してか、昨年10月に日韓通貨協定での緊急支援額の増額を要請し、日本はそれに応えて、130億ドル→700億ドルに増額してやった。これが韓国経済の国際的な信用にとってどれだけ大きな寄与であるか、言葉では言い尽くせないほど。韓国経済の生殺与奪権は日本が握っている、と言っていいのです。


3.世界のお金は日本を目指す!(同上)
  『世界の金は日本を目指す』(徳間書店)を8月頃発売した経済評論家の岩本沙弓氏との質疑応答記事。「借金大国で破綻する、円高は悪、そんな固定観念は捨てなさい」と説く。
岩本氏は、東京女子大学文学部卒、外資系銀行に入行後、青山学院大学大学院で経済学を学ぶ。90年代から05年まで、米、加、豪、日本の銀行で外国為替のトレーダーとして活躍。その後経済誌に為替記事を書いてきた。現在は、大阪経済大学経営学部客員教授。)

(1)借金大国と言う妄想:国内の貸し借りで、差し引きゼロ
 政府債務残高約960兆円、と言う金額に悲観する必要はない。日本の場合、国債を購入している92%は国民であり、所詮は家庭内貸し借り。貸し借りは、日本全体では帳消しされる。  米国、ギリシャなどは、海外からの借金に依存しているから、サラ金から借りているようなもので、だから深刻なのだ。

(2)資産もある:世界一!!
 日本企業などが海外に保有する資産が、負債を差し引いても253兆円もある。この対外純資産は、「過去21年連続で世界一」である。2位の中国の対外純資産は138兆円。世界一の債権大国である日本は、「最も破綻から遠い国」と言える。

(3)円高は悪ではない
 昨年は、31年ぶりの貿易赤字を出したが、これは東日本大震災という特殊要因による。メディアは、輸出企業の衰退を危惧し、その原因を円高としている。しかし、そもそも輸出立国日本は幻想。日本のGDPに占める輸出比率は僅か11%にすぎない。この比率は1960年代から現在まで、ほぼ同水準で推移している。11年度の「役員報酬1億円以上開示企業」数は、震災がありながら前年度を上回った。しかも産業別では製造業が1位です。
 円高は一大事として、財務省は為替介入を繰り返してきた。菅、野田政権だけでも16兆円、これまでの介入累計は117兆円に上る(政府短期証券の発行額)が、円安にはならなかった。つまり効果は限定的。

 日本は、05年頃から貿易収支を所得収支が上回るようになった。所得収支とは、海外への投資と収入の差引額を示す。近年この数字で日本は常に黒字を計上している。つまり、海外投資で受け取る利子や配当金だけで、貿易で儲けるお金を上回る年間10兆円以上の「不労所得」を世界中からかき集めている。
 その豊富な資産と、モノ作りの技術の高さに裏付けられた「信用」がある。だから、「世界のお金は日本を目指す」のだ。
 岩本氏の言うように、自信を取り戻し、円の力を信じよう。 
  (小生注:GDPの2倍という日本国の国債残高は、まさにダントツの世界一であり、これをすら、国内の国民・企業の貯蓄で賄っているから、心配するなという議論には、少し眉唾というしかない。
   他方で、対外債務を大きく上回る対外純資産という、大きな富のストックがあることも勘案すべきという議論は、それなりに分かる。
   とはいえ、1千兆円の累積国債と比べれば、対外純資産の250兆円は、必ずしも安心できる数字とも言えない。小生としては、財政規律回復、ブルガリア並みに財政の国債依存度をほぼゼロとする「健全財政」を目指すべきだと思う。消費税率をせめて10%に引き上げて、少しは財政規律の路線に転換すべきだ、と言う野田路線は、民主党の唯一納得できる政策であったと思う
。)
    その二に続く。

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