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zoom RSS ブルガリア経済の数値:2014年

<<   作成日時 : 2014/05/17 18:37   >>

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  小生のブルガリアに関する関心の一つは、経済傾向に関する報道をフォローすることだが、最近この関連で少し面白いと思った記事をnovinite.com(英字ネット紙)から抽出して、並べてみることとした。それなりに興味深い点が垣間見える。ちなみに、ブル経済の数値に関しては、12年10月にも記事にした:http://79909040.at.webry.info/201210/article_6.html。円の為替レートがその後相当円安となったので、かなり数値に差が出るものの、1Lv=50円で換算したものを、今回の70円で換算し直すと、今の数値と繋がり安くなる。

1.灰色経済に関する記事
(1)未だにブル経済の31.2%が灰色経済に属するとの歳入庁発表(2月7日付記事)
(ア)封筒入りの現金で部分的に「闇給与」とする手法
  歳入庁は、納税回避、社会保険納付金回避で、年間4.4億Lvも国庫に損失が生じていると主張した。一番多い手法は、経営者が封筒に包んだ現金で「灰色給与」を支払うやり方。全ての賃金を公開せず、一部賃金を闇支給することで、社会保険納付金、納税金額などを節減できるから。
  もう一つの闇給与の手法は、経営者が、労働者を1日4時間労働などと、労働時間を短く申告することで、納税額、納付金額を縮小するやり方。
  年間の納税額、社会保険納付金として83.94億Lvが徴収されているが、実際にはこの金額の5%は国庫に入っていない。

(イ)実際にブル労働者が受理している賃金は、表に出ている金額より多い
  他方、消費に伴うVATと物品税歳入が114.21億Lvあることから、実際のブル個人の収入額は、納税額+保険納付金の合計から推計される額よりも、26.5%も大きい金額と想定される。
  その他の調査から、ブルの企業は、大規模な賃金、売上隠しを過去数年間続けていることが分っている。
  最近のNGO調査では、ブルの「灰色経済」はGDP比31.2%、絶対値で250億Lvに上ると見られている。
  ブルの勤労者総数223万人、内55万人が、各々の職種の最低賃金しか受け取っていないとの統計になるが、実際には、闇支給給与でより多くを受領しているのだ!!

(2)灰色経済は、EU先進国でも、それなりに存在するとのNGO調査(3月26日付記事)
  最近の税務申告しない労賃に関するユーロバロメター(NGO)調査記事より、次のような傾向が興味を引く。この調査記事によれば、ブルの灰色経済は、実は今では過去の話となっているという。
  書面での契約なしで、封筒入りの給与を受け取る(税、社会保険料を支払わない雇用関係)闇雇用は、既にブルでは過去の話となったようだという(調査結果では6%のみ)!
    (小生注:上記(1)にあるように、書面労務契約があっても、賃金の一部を現金支給するなど、闇給与は決してなくなっていないはずで、「過去の話」と言うのは、怪しい結論だ。)

  逆に、闇雇用が多いのは、蘭、エストニアで、11%の市民が、闇給与を受領したとアンケートに回答した。

  また、11%の欧州人(EU全域)は、家の補修、車の修理、ベビーシッター、家の清掃、庭園作業、家庭教師などの代金を現金で支払う(これら収入は、所得申告されないと承知で)と回答した。

  欧州人の52%が、知人、友人、隣人、同僚たちから、サービス、或はモノを買うという。ルクセンブルクでは、31%の市民が、お金が必要な誰かを助けるために、現金支払いをする(課税対象外)と述べた。

  灰色部門からモノを買う性向が強かったのがギリシャ人、蘭人、ラトビア人で30---28%、灰色経済を拒否する傾向が強いのがポーランド人とドイツ人で5--7%のみ。ブル人は、これら諸国のほぼ中間だ(注:15%程度ということらしい)。

  灰色経済の需要が高い分野は、家の修理(29%)、車の修理(22%)、家の清掃(15%)、食品の購入(12%)だ。

  灰色部門依存がブルで最も高いのは、食品分野で、41%の市民が牛乳、リンゴ、蜂蜜、ポテト、チーズ、その他の食品を村の老女、道路わきのスタンド、或は農民市場などから買い付けたと回答した。29%の市民が、上記の買付の理由として、これら食品の方が品質が良いからだと述べた。
   (注:ブルでは、密造ラキーヤ(果実系焼酎)、自家製ワインなども、知人、友人などの間のネットワークで、かなり大量に出回っているようだ。ちなみに、農民市場での売買には、VAT税(ブルでは20%、例外なし)が免除されている。


2.預金金利と貯蓄額など  
(1)平均預金金利(2月28日付)
  14年2月期の平均的な預金金利は、ブル貨幣(Lv貨)については年利3.89%、ユーロ貨については3.44%となった。
  13年12月期の平均金利は、ブル貨幣につき3.76%、ユーロ貨幣につき3.43%だったから、金利水準は少し上昇した。

(2)銀行ローン金利(借入金の金利)(4月30日付)
  中銀発表。
(ア)企業向け金利
  100万Lv以下の企業向けローンの平均金利3月中に+0.21ポイント上昇し年利7.11%となった。他方で、ほぼ同額をユーロで借り入れた場合は−0.25ポイントで年利は6.52%となった。
  更に、100万Lv以上の企業向けローンの平均金利は+0.53ポイント上昇し、年利6.53%となった。他方で、ユーロ建て融資の場合は、+0.51ポイントの7.67%となった。

(イ)個人向け金利
  今年3月期のLv貨建て消費者ローン金利は、昨年同期比+0.46ポイントの年利11.6%となり、他方で、ユーロ建てのローンの場合は、+0.04ポイントの年利9.33%であった。

(ウ)住宅ローン金利
  住宅ローンに関しては、Lv貨建てが−0.32ポイントで年利6.64%となり、ユーロ建てローンの場合は、−0.22ポイントの7.09%となった。

(3)ブル世帯の貯蓄額が上昇した(2月26日付)
  中銀発表。
(ア)ブルの世帯預金額は1年間で約11%増となった
  すなわち、世帯貯蓄総額は、今年1月末時点で383億4700万Lv(これはGDP比で47.6%)となった。この金額は、13年1月比(1年前との比較)では、10.7%増。

(イ)非政府部門預金   
  同じ14年1月末の数字で、非政府部門の預金総額は575億8200万Lv(1Lv=70円として計算すると、4兆307億円*)とGDP比で71.5%を記録した。また対前年同期比では、9.9%増。
    (注:上記の個人預金総額を差し引くと、民間企業部門預金総額は575.82億Lv−383.47億Lv=193.35億Lvということになろう。個人預金比では、50.4%と半額ほどに過ぎない。もっとも、民間企業・法人部門の預金は、海外にある租税回避地の銀行口座にかなりの大金が隠匿されている可能性もあり、決して個人部門の半分という小額ではないのかもしれない。)

(4)ブル人の貯蓄額と一人当たりGDP(5月7日付)
  ブル中銀発表。
  14年3月末に、ブル家計の貯蓄総額は403億Lvに達した(2兆8210億円)。12年第1四半期には、貯蓄額は10億Lv増加したが、その半分は金利のおかげだ。
   (注:貯蓄額が増えた半分5億Lvは、正月以降に外国送金(近親者に)したり、或は帰国したブル人が、貯金を積み増したらしい。残りの5億Lvは、昨年度以来の金利収入となる模様。Lv貨幣での預金金利は上記のように3.89%と相当高いので貯蓄の励みとなっていると見るべきであろう。新興国経済の段階では、銀行預金金利は高いのが当たり前かもしれないが、日本でも昔は5%ほどの預金年利は普通だった。ともかく、ブル人は、外国での出稼ぎ収入などで年初には5億Lvも預金額を伸ばした模様。)
  
  今年のブルのGDPは816億Lvと予想されているので、上記はGDPの約半額に上る。
    (注:816億Lvx70円=5兆7120億円。57120億円÷720万人(ブル人口)=79.3万円。要するに、一人当たりGDPは年間約80万円ということ。
  日本の場合は、GDPを約450兆円として、これを1億2700万人で割ってみると、450,0000億円÷1.27億人=354.3万円(一人当たりGDP)。
  354.3万円÷79.3万円=4.47倍→すなわち、日本人の一人当たりGDPは、ブルの約4.5倍に近いということ。それにしても、年間一人当たりGDPが約80万円とは、ブルの経済もかなりよくなっているというべきだ。何といってもブルの場合は、食糧自給率が高いので、購買力平価も、それなりに高い数字で考えるべきであろう
。)

3.ブルの百万長者:13年度申告で147名!(5月8日付け)
  歳入庁発表。
  ブルの百万長者たちの年間収入合計は3億530万Lvで、年間所得1百万Lv以上を税務申告した人物は合計147名だ。(1名当たり平均で207.68万Lv=1億4538万円)。

  収入種別では、労働収入が1.14億Lv、ビジネス(事業)収入が7100万Lv、資本収益が5500万Lv。
  最高の収入を税務申告した人物は、首都在住の49歳の男性で、同人の年収は600万Lv強であった(4.2億円以上)。

  都市別では、百万長者が一番多かったのは首都ソフィア市の66名で、次いでVarna市の15名、更にはBurgas市の11名。上位10名に入った女性は1名のみ。
   (注:ブル第2位の大都市Plovdiv市は、百万長者数がBurgas市の11名以下であるらしく、一切触れられていないのが不思議だ。ソフィア市に次ぐ経済活動が盛んな都市は、結局は黒海沿岸の2大都市であるVarna市とBurgas市ということであるらしい。Plovdiv市は、海に面していない内陸地、しかも、元来が農業中心地として知られる土地柄なので、大企業とか、大金持ちが生まれにくい、ということであろうか?

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