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zoom RSS 中国による「第2パナマ運河」建設と言う脅威

<<   作成日時 : 2015/01/20 14:17   >>

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  さて、小生は9--12月という4か月間ほども、新聞切り抜き記事を貯めこんだうえに放置していたので、これら膨大な記事の読み込み、整理に2週間ほどが必要でした。その間、新規記事の掲載が途絶えたことが残念ですが、正直昨年後半の、偉人百選シリーズで精力を使い果たしたし、やむを得ないことでもあった。

  他方、切り抜き新聞記事の整理の中で小生が特に注目した記事は、パナマ運河に対抗して中国系企業が「ニカラグア運河の建設に14年末に着工した」、と言う産経紙の記事だ。

  もちろん、米州に対しては、欧州の列強でさえ手を出すことを拒否してきた米国のモンロー主義に対する重大な挑戦であり、遂に中国が米国の「虎のしっぽを踏んでしまった」という感じで、小生自身はぞっとした。同時に、この大大ニュースがどうも他のメディアではちっとも流されていないこと、産経紙でも国際欄の相対的に小さい記事であったこと(とはいえ、その後の国際関係評論記事では2--3回このニュースが論じられているが、とはいえ産経紙でも、1面トップの大記事ではない)が実に不思議だ。
  そこで、このニュースの重大さにつき、若干小生としては解説を加えたい気分となった。

1.記事(14年12月28日付産経紙記事、題名『パナマに対抗、米を刺激:中国系企業ニカラグアで運河着工』、上海川崎真澄記者発)要旨(ほぼ全文)
  中国系香港企業が、中米ニカラグアで太平洋と大西洋を結ぶ全長278qの運河建設に着手し、米国を刺激している。パナマ運河に対抗する船舶ルートで、2019年の完成を目指す。総事業費は約500億j(約6兆円)。人民日報系の環球時報(電子版)は27日、中国が運河で中南米への影響力を強める、との米報道を特に否定せずに紹介した。
  経路は、太平洋側のリバスから東にニカラグア湖を経て大西洋岸のプンタゴルダに至るルートで、パナマ運河に比べて約3.5倍の距離があるが、水深が約28mと2倍あるので、より大きな積載量40万t級の船舶の航行が可能。リバスで27日までに着工式が行われた。

  建設と運営を請け負ったのは、「香港ニカラグア運河開発投資(HKND)」社。北京に本社を置く中国の通信企業「信威通信産業集団」の王靖会長が12年に香港に設立した企業で、建設費用はHKNDが中心となって調達する。運営権は完成後50年間で、更に50年の延長が可能。その後ニカラグア政府に譲渡される契約だ。ニカラグア政府は、HKNDに、運河の両端の港湾や自由貿易区、リゾート開発などの権益も同時に与えている。関係者は、「運河の沿岸地域は中国系企業が管轄する、事実上100年間の租借地」と見ている。

  海洋戦略の強化を狙って中南米の港湾拠点や航行ルートを確保したい中国側には、米国の影響下にあるパナマ運河に依存したくない思惑があった。ニカラグア運河経由なら、中国の艦艇も大西洋側に容易に進出可能となる。
  一方ニカラグアは台湾と外交関係があり、中国とは国交がない。これを逆手にとった中国が、香港経由で民間プロジェクトとし進めたと見られ、米国などは表立って動けない。関係者は、「米国のキューバ急接近の背景には、中国の中南米の海洋への進出に対する警戒感もある」と話している。
    (小生注:何が「逆手」なのか小生には不明だ。台湾と外交関係を有する世界の国々のほとんどが、台湾からの豊富な資金援助を狙っての「国交」でしかないのは明白で、中国側は今回の工事着工後、いくらでも賄賂を積んだり、資金援助を持ちかけて、対中国交へと外交方針転換を図ることは可能だ。また、キューバが親米国となっても、ニカラグアに中国基地ができれば、その脅威は直接的だ。

2.問題点
(1)中国が「第2パナマ運河」を所有する意味

  中国が実質的に、第2のパナマ運河を所有することで、ほぼこれまで米国が実施してきた「監視」の機能が低減する、と言うことが懸念されうる。
  例えば、昨年だったか、一昨年だったか、北朝鮮がキューバから、中古のミグ戦闘機、及びソ連製ミサイルを解体したうえで自国に輸入しようとした事件が、米国のCIAによる警告を受けて、パナマ政府が厳しく船内を点検して摘発した結果、明るみとなった事件があったが、中国管理の第2パナマ運河があれば、このような監視機能は機能しなくなる恐れがある(今の北朝鮮なら、中国も監視の目を厳しくするであろうけど)。
  また、中国から中南米諸国、或はアフリカ、などへの武器密輸出がやりたい放題となり得ることも懸念される。
  更には、日本船などもこの中国管理の運河を利用するようになった場合、積み荷などの情報が中国に把握されるなど、色々な不都合が生じかねない。

(2)中国による海洋支配が、世界規模となる
  米国が恐らく、まず第一に警戒しているのは、中国海軍が東太平洋、西大西洋にまで進出し、更には中南米にまで支配的立場を拡大するということは、米国による米州大陸全体への海洋支配が揺らぐことであろう。ニカラグア東部(大西洋岸)に中国海軍基地までできれば、カリブ海を経由して米国本土に対してまで、中国の原潜とか、原潜が保有する水中発射ミサイルの危険性が増す、ということにもなる(もちろん、現状でも、射程の長い水中発射弾道ミサイルがあれば、中国本土に近い東シナ海からでも、米本土が直接狙えるのではあるが)。

  ただでさえ、ミャンマー、スリランカ、パキスタンなどのインド周辺諸国の港湾を租借することで、中国海軍が「真珠の首飾り」作戦で、インド包囲網を築きつつあるというのに、中米にまで中国海軍が基地を保有するようになれば、中国は全世界を睨む帝国主義国家へと変貌を遂げることができるというものだ。

(3)「歴史認識」問題の裏の狙い
  中国がいよいよ経済力で米国さえも凌駕できる可能性が見えてきた、ということで、「第2パナマ運河」にまで布石を打ち、虎視眈々と世界制覇への野望を明らかにし始めたというのに、日本国は相変わらず「歴史認識」問題などと言う汚い陰謀に手足を縛られたままだ。中国は米国内に存在する第五列を通じて、益々「慰安婦問題」とか、「南京虐殺」などのでっち上げの「対日汚名作戦」で米国世論を対日蔑視へと偏向させることで、対中警戒論を無力化(中和)しようとしている。
 
  中国にいつの間にか籠絡された韓国世論も、実際には実現した事のない「対日戦勝」の夢を、歪曲史観で清算すべく、「慰安婦」、「徴用工」、「対大統領侮辱罪」(産経記者を起訴し、抑留を継続中)など、ありとあらゆる手段で日本を罵倒し、侮蔑し、ありえなかったし、今後もあり得ない「対日戦勝」という「心理的満足感」を何としてでも勝ち取ろうと、汚い戦争を仕掛けている。この対日劣等感の雪辱しか眼中にない韓国人にとっては、中国海軍が世界規模で覇権を獲得した時の、自国にとっての不利な国際情勢の完結、と言う悪夢は一切眼中にないと言える。

(4)結論
  上記のように、小生としては、少しアンテナを広げれば、種々の警戒論でマスコミが沸騰すべきと思えるのに、一向に今のところ、大きく騒いでいるところが見えないのが不思議だ。中国による「第2パナマ建設」とは、まさにそれほど大きな世界情勢の転換となり得る事件ではないか!!

  本当は米国は既にこの危険性に気が付いているし、対策を色々考えているとは思うのだが、ブラジルと言う南米の大国に、相当数の日系人移民を有し、更にはペルー、その他にも、少しは移民を有し、これまで南米開拓に相当程度関与してきた日本国が、中国による中南米席巻を許すことも、やはりあってはならないことと思う。ましてや、第2パナマなどを独占されては、戦略的にも、海洋パワーと言う意味でも、日本への脅威度が高まってくる。
  最近の新聞記事で、自衛隊がアフリカ北東部のジブチにおける基地を、徐々に拡大して、単に海賊対策のみならず、中東地域における邦人救助基地としても機能を拡大する、と言う程度の話が、朝日新聞では大々的に報じられているが、そんな小さい話は、中国による「第2パナマ建設」という大ニュースで吹っ飛ぶ話ではないか。日本のマスコミは、どこに目を持っているのやら。

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内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

 今年初の時事関連記事は何と、中国による「第2パナマ運河」建設ですか!東北版朝日新聞の河北新報の国際面でも中国が南米に接近していることを報じていましたが、「第2パナマ運河」建設は取り上げていません。おそらく意図的かもしれませんね。フランスでの風刺画テロ事件で、中共と南米の接近のニュースは吹っ飛んだのかもしれませんが。

 最近のハリウッドでは人気女優アンジェリーナ・ジョリーが監督の反日映画「アンブロークン」が制作されました。米本国では評判はよくなかったそうですが、ハリウッドにもチャイナマネーが流れ込んでいるのは明らかで、これも米国世論を対日蔑視にさせる宣伝工作です。
 中国経済はバブル崩壊が言われていますが、中国がいよいよ経済力で米国を凌駕する可能性はあるでしょうか?
mugi
2015/01/21 22:52
こんにちは、
 中国経済は、残念ながら、既に相当巨大なインフラ建設に成功したし、製造業に関しても、近代的な設備が目白押しに整備されています。既に全体としてのGDPでは、あと数年で米国を上回るし、特に軍事費の伸びが毎年二ケタを続けていて、戦闘機数、海軍艦艇数などの数量面では米軍を上回っています。要するに、かつてソ連が海軍力で米国を追い越しつつあったときに、アフガニスタンに侵攻したように、中国軍も徐々に「侵略的」となって、対米挑戦を始める時期に差し掛かっていると思う。
 一人当たりのGDPでは、中国が米国を追い越すことはあと20年しても不可能化とは思いますが、軍事力は全体としてのGDPに比例すると考えると、あと5年ほどもすれば、中国優位という世界情勢の転換点が到来する恐れがあると思う。
 そう言えばwikiでは「ニカラグア運河」と検索することで、相当詳しい説明があることも、この記事を書いた後に知りました。同じ言葉でgoogle検索すれば、産経紙の元記事も読めます。
室長
2015/01/22 09:38

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