ブルガリア研究室

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zoom RSS ブルガリア語のアルファベット文字とその発音

<<   作成日時 : 2016/05/14 14:49   >>

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  さて、小生は言語学者ではないけど、やはりある程度はきちんとブル語を勉強したことがある人間なので、ブル語は、基本的には発音通りに文字に変換して記述すればよい、と言う原則を知っている。他方で、「ど素人」でもないので、発音と文字の間の関係には、「例外」があるということも知っている。

  ところが、この事実に関しては、かなりのブル語に堪能なはずの日本人でも、未だにきちんと理解していない人々がいる。更に困ったことには、一般ブル人の中にも、そういう例外に気付いていない人もいる。
  と言うことで、小生も説明に窮したことが何度かある。どういうことかと言うと、たとえば日本語でも、「私は」と言う時の「は」の発音は、「wa」となり、「ha」ではない、ということだ。
  そこのところが、多くの日本人で、ブル語をある程度知っていると自認する人でも、未だに勘違いしていることについて、今日は少し論じておきたい。ブル語にも、発音と文字の関係性で、「例外」があるということについてである。なお、ブル語に関心の無い方は、当然読む必要性は無いので、悪しからず。

1.日本語通訳者の勘違い
  ある時、当時(01--05年)のSimeon Saxe-Coburg首相が訪日するに際し、これを日本語でどう表記するかが問題となったことがあった。当時の日本外務省では、在京ブル大使館の日本語通訳に確認したところ、「シメオン・サックスコブルグ」とカタカナ表記するべき、との意見であったという。小生は、断固として、ドイツ語でも、ロシア語でも単語の最後の濁音は、清音化するという原則があるし、ブル語でも、語末が清音となることは常識だから、「サックスコブルク」が正しい、と主張した。
  (注:日本でドイツ語が広く知られていた頃は、例えばHeidelbergはハイデルベルクと発音することは常識だったが、英語が国際標準となってから、そういうドイツ語的常識も怪しくなり、Luxemburgを正しくルクセンブルクと読むのではなく、ルクセンブルグと語末を濁音のままにすることに何ら疑問を抱かないのが、どうやら常識となってきている。)

  ちなみに、元来ドイツ系の王族であるSaxe -Coburg-Gotha家は、現在の英国王室の出身母体でもあり、同時に、Simeonの祖父Ferdinandが出た家柄でもある。
  この故に、ブルにおけるSaxe -Coburg-Gotha王家のSimeon(注:幼少時には、ブル国王の座に就任したことがあるが、成年する前に社会主義国となったブルから国外追放された。00年に自由化後のブルに帰国して、総選挙に出馬し、01年7月の総選挙で勝利し、首相となった)は、ブル語では正式にはСимеон Сакскобургготскиという。
   注:キリル文字=ブル文字では、分りにくい読者も多いし、小生もキリル文字で記述する(ブル語版として、キーボード操作する)ことに慣れていないので、ラテン文字(ローマ字)にすると、Simeon Sakskoburggotskiとなる。これは、Saks+ koburg +gotski(Gothaの、の意味)を合成して一つの姓にしたものなので、発音は、サックス・コブルク・ゴツキとなる。ところが、音声学をきちんと学んでいないブル人の場合、この場合でも、コブルグと読んでしまう。現代の英語標準化の影響で、Coburgでも、Koburgでも、コブルグと読んでしまうのだ。

  Simeon自身は、Saxe -Coburg-Gothaとまで細かくサインすることを好まず、Saxe -Coburgで終了する習慣ということであったので、これを正確にカタカナ化すれば、サックスコブルク、或いはサックスコーブルクとすべき、と言うのが小生の主張であった。元来ドイツ語であるCoburgは、コーブルク、コブルクと発音するし、ブル語でも、Sakskoburgであれば、語末の濁音子音gは、清音化してkとなる・・・と言うのが小生のブル語に関する常識であった。
  当時、小生は、平凡社の『東欧を知る事典』のp.414のFerdinand(これも、フェルディナントと、語末は清音化して発音される)の項で、Sachsen -Coburg und Gothaが、「ザクセン=コーブルク=ゴータ」家とカタカナ化されていることを見付け、この事典の権威を後ろ盾に、コブルクが正しいと押し通すことができた。

  ちなみに、ブル人でも、ブル語の正式な文法とか発音に関して、正確な知識を有している人物は意外と少なく、文字と発音の一致を単純に信じている場合が多い(注:とは言えネーチブの場合、実際に発音する時には、清音化などは意識しないままにやっている)ので、例えば次のような間違い、或いは矛盾を平気でやる:Blagoevgradというブル南西部の県、及び市の名称があり、これを記述する時、多くのブル人の日本語通訳は次のように記す・・・「ブラゴーエフグラッド」。
  これのどこがおかしいかと言うと、まず、Blagoevの部分に関しては、Blagoevgradが一つの単語とは言え、Blagoevという人物名称が元と言うことは皆が知っているから、語末のvは清音化して、fと正しく発音し、カタカナ表記しているが、他方で、それに続くgrad(注:町=City、或いはTownの意味)の部分に関しては、あくまで語末と言えども、濁音のままで正しいと考え、「グラッド」とカタカナに変換しているのだ。Gradも語末のdはtと清音にして発音すべきという、正しいブル語の発音規則については、認識していない、ということになる。(注:人名に関しては-ovという語末が多く、英語などの文書に-offと記述することも多いので、清音と言う意識も広まっているようだ。)

2.ブル在住の日本人妻の勘違い
  あるとき、ブル在住でブログをやっておられる、元来はブル人と結婚したらしい日本人妻で、ブル語の会話には堪能らしい人と、上記同様のブル語の発音に関して論争となったことがある。この時も、小生は、小生自身が、最初の3年間ブル語の個人授業を受けて教え込まれたとおり(また、ロシア語、ドイツ語の知識が若干あるから)、語末の濁音は清音となる、と言う原則を振りかざして論争になったが、小生自身、自分の経験に基づき学んだことと言う根拠しかないので、あくまで正しいことを証明できず、悔しい思いをした。

  この時の論争では、小生の記憶が正しければ、その日本人妻が、вход=vhod(「入口」の意味)を文字通りに「ヴホッド」と記述されたので、小生は、清音の一種であるx(h)の前にあるvと言う濁音は清音化してfとなり、更には語末のdはtと清音化する、というロシア語にもある原則がブル語にもあると主張し、「フホット」とカタカナで書くべきと主張して物別れとなった。小生自身は、常識として、ブル人なら皆知っていると思っていた原則だが、上記の「ブル人日本語通訳」達の事例もあり、ブル人でも正確には発音法則を知らないということもあり、結論が出なかった。恐らくは、日本人妻たちも、周囲のブル人に確認したとは思うが、ヴホッドでも、フホットでも、ブル人には発音上の差異がはっきり認識できなかったのではないか、と思う。

  そう言えば、小生はもう一つ、小生のやり方を理論づけしてくれる材料を持っていた:社会主義時代最後の独裁者Todor Zhivkovだ。Zhivkovについては、ブル外務省の儀典局などから出る文書などでは、Jivkoff、Jifkoffなどとラテン文字化することもあった。つまりは、kと言う清音の前のvと言う濁音は、fと清音化され、かつ語末のvもffと言う形で(小生には何故fではなく、二つのffを重ねるのかが未だによく分らないが、それでも語末のvが清音となっていることは、多くのブル人が自覚していることだと言える)清音化されているではないか。vhod→fhotとなるのと全く同じだ。

3.BがPとなる事例すらある
  一番小生が気になった事例は、хляб(パン)の単語。これの発音は、hlyab→hlyapとなるのだ。bがpに清音化する・・・ということだ。このことは、さすがに多くのブル人が気付くはずなのだが。

  ロシア語でも、Абхазия=Abhaziyaという事例がある。『研究社露和辞典』で確認すると、きちんとカタカナで「アプハジア自治共和国、グルジア共和国の北西部」と訳されている。X(h)が清音であるから、その前にあるbと言う濁音は清音化してpとなってしまうのだ。例の北京オリンピック時におけるロシアによるグルジア内政への干渉戦争で、このアプハジアは、露が保護国化してしまったので、今では、ロシア以外ほぼどの国も承認していない「未承認独立国」の一つになっている。
  ちなみに、世の中は、上記でも少し記した「英語=国際標準」の影響で、アプハジアに関しても、どの新聞を見てもアブハジアと表記されていて、小生も首をかしげながら従ってしまった・・・その後、露和辞典でアプハジアが正しいと再認識したのだが、もはや日本ではアブハジアしか通らないと感じて、そのままとした。

4.やっと学者の正しい記述を発見
  上記のように、正しい文法、発音などと言うことになると、やはり文献で確実な証拠を探し当てるのが一番手っ取り早い。しかし、これまで小生は手持ち文献、資料の中のブル語資料を幾つか参照して見たが、なかなか当該する発音法則に関する記述に出会わなかったし、これまで半ば諦めていた。
  ところが昨晩、突然寝苦しくなり、このことが気になって眠れなくなったので、本棚を探してみると、かなり前に購入したが、小生は文法そのものにあまり興味も無く、読んでいなかったのだが・・・とはいえ日本語で書かれた文法書を発見した・・・・松永緑彌(りょくや)というブル語学者の著書で『ブルガリア語文法』(大学書林、1991年11月30日第1版)と言う書物だ。この松永と言う学者には、過去3--4回ほどパーティーの席であったことがあるが、確か浜松辺りの高校教師だが、ブル語を深く独学し、Ivan Vazovの小説を翻訳したり、ブル語日本語辞書も出版されているはずだ。残念ながら、既に他界されたと聞いた。
  
  この松永氏の「ブル語文法」書は外見はかなり薄っぺらいものだが、内容は高度かつ濃密で、小生がかつて、かなり以前に購入していながら、面倒くさくてちっとも読んでいなかったものだ。この本の最初の部分が音声論(Fonetika)となっているではないか!
  以下に、この著書の中から関連する部分を引用する(一部は要旨)。

§1—5.アルファベット、母音と子音(p3--6参照、小生式にまとめて記述)
1.アルファベット(大文字+小文字)は下記の30文字
  А а アБбベ Ввヴェ Гг ゲ Дд デ Ееエ Жж ジェ Ззゼ Ии イ Йй*
Кк ケ Ллレ Ммメ Ннネ Ооオ Ппペ Ррレ Ссセ Тт テ Ууウ
Ффフェ Хх ヘ Цц ツェ Ччチェ Шш シェ Щщ*シュテ Ъъ* ь* Ююユ Яяヤ

   注*(1)Йは、i kratko(短いi)と呼ばれる文字で、ラテン文字化に際しては、小生は、Yyを使用している。なお、日本人にとっては、iとyの発音上の区別は難しいが、下記2.の通り母音として掲載されていないので、子音ということになる。
  (2)Щはшとтの2音を結合させたштと発音的には同じで、小生の考えでは無くしても差し支えない文字に思える。第二次大戦後の正書法改正の時に、ソ連のキリル文字をほぼそのまま採用することに決めたので、政治的な要因で残された文字と言えるかも。
  (3)Ъъ(er golyam=大きいエル)については、下記「2.母音」の項を参照。なお、ロシア語ではこの文字は音を持たない記号(硬音化符号)としてしか使われない。
  (4)ь=小文字のみ、er malqk(小さいエル)と呼ばれ、軟音を示すためのみの符号=軟音化符号。小生は、この文字も普通はyで表すこととしている。
  (5)なお、上記で、各アルファベットに対し、カタカナで一般的な読み方を記したが、ラテン文字では、下記のように小生式には表記することとしている:
    A a Bb Vv Gg Dd Ee Zhzh Zz Ii Yy
Kk Ll Mm Nn Oo Pp Rr Ss Tt Uu
Ff Hh Tsts Chch Shsh Shtsht Qq y Yu Ya


2.母音
  上記の30文字の中では、次の8文字が母音である:а е и о у ъ ; я ю。
  ただし、я、 юの2文字は基本的にはйа 、йуという2音の結合形であり、本当の母音は最初の6文字だけ、と言える。
   (小生注:日本語との連想で言えば、ヤ、ユの次に存在すべきヨについては、йо とьоの2文字を使った形で記述する:【例】Йовков(人名=ヨフコフ)、 майор(少佐); миньор(鉱夫)、 актьор(俳優)。
  なお、ъはer golyam(大きいエル)と呼ばれる、ブル語独特の母音で、アとウの中間位に位置する曖昧母音である。(注:小生は、この母音を表記するラテン文字として、ブル語用にはふつう不要な文字であるqを当てることとしている。ъの文字を逆さにすれば、qに近い形状だから。

3.子音(ブルのアルファベットでは上記母音の8文字を除いた22文字となる)
(1)子音の対応表
  子音は、声(声帯の振動)の有無により、有声子音と無声子音に分けられる。また、双方の子音は下記のように上下で対を成している。
有声子音:б в   г д ж з дж й л м   н р --   дз
無声子音:п ф   к т ш с   ч -- -- -- -- -- х   ц

(2)ヂとヅがある!
なお、上記の表にみられるとおり、音韻的には、джはч (チ)、 дзはц(ツ)という無声子音に対応する有声子音と言うことになるが、それぞれ2文字で対応させている。(注:このджとдзの二つの有声子音については、小生も発音が難しすぎて、できない。カタカナで表すとすれば、ヂ、ヅと表記できるので、昔の日本人なら発音できたのかも。)

§9.位置による子音の変化(p11参照)
1.語末の有声音(注:小生が「濁音」と称してきたもの)は無声(注:小生が「清音」と称してきたもの)化する。
  【例】b→p :hlyab(パン)→hlyap、 slab(弱い)→slap
    v→f  :lev(ブル貨幣単位)→lef、 nov(新しい)→nof
    g→k  :snyag(雪)→snyak、 dqlqg(長い)→dqlqk
    d→t  :parahod(汽船)→ parahot、 mlad(若い)→mlat
    zh→sh  :mqzh(男)→ mqsh、 mladezh(青年)→ mladesh
    z→s  :az(自分、私)→as、 bqrz(すばやい)→bqrs

2.有声・無声子音は次のように変化する。
(1)無声音の前にある有声音は、無声化する。

  【例】vrabche(スズメ)→vrapche 、robstvo(隷従)→ropstvo、
    vhod(入口)→ fhot  、 avtor(著者)→ aftor 、
    rogche(小さい角)→ rokche 、
 byagstvo(逃亡)→ byakstvo、tetradka(ノート)→tetratka、
    nozhche(小さいナイフ)→ noshche、
    knizhka(小さい本) → knishka、iztok(東)→ istok、
    razkaz(お話)→raskas

(2)有声音の前にある無声音は、有声化する。
  【例】otbor(チーム)→odbor、svatba(結婚)→svadba、
    sbor(合計)→zbor、 sgrada(建物)→ zgrada、
    ekzotika(エキゾチックなこと)→egzotika、
    polichba(前兆)→ polidzhba

(3)в 、 й、 л、 м、 н、 рは、前にある無声子音を有声化しない。    
  【例】svoy(自分の)、svoboda(自由)、plodove(果実)、planina(山)、
    smetka(お勘定)、koshmar(悪夢)、kniga(本)、koshnitsa(籠、ざる)
    treva(草)、troyka(三人組)

   (注:小生は、上記(1)については知っていたが、(2)、(3)については、必ずしも正しい認識はなかったと思う。しかし、(2)の意識が割合にあり、Svobodaが、どうしてズヴォボダとならないのか?と言う疑問を持ったことがあるし、首都の北にあるSvogeと言う町が、スヴォーゲで、ズヴォーゲではないことも、実は不思議であった。今回、松永氏のこの『文法』書を読むことで初めて、これまでの疑問も解消したと言える。)


§13. 語間の子音同化(p14—15参照)
  子音の同化は語の中のみではなく、イントネーションから見て1つのものとみなされる場合にも起こる。
1.語末の無声子音は、その後ろに有声子音で始まる語が来るときは有声化する。
  【例】ot grada →od gradq  (注:町から、の意味。)
sqs zahar →sqz zahar  (砂糖を加えて、或いは、砂糖を入れて、の意味。)
s dobro →z dobro   (愛想良くとか、親切に、の意味。)
mozhesh da otidesh → mozhezh da otidesh  (行ってもいいですよ、の意味。)
deset dni →desed dni  (10日間、の意味。)

  【小生注:小生のキーボード操作の都合で、キリル文字をラテン文字で表記しています。また、qのアルファベットは、キリル文字のъ=曖昧母音で、アとウの中間音=を意味すると考えてください。
   この事例にみられるように、語末にあるotのtという「清音」は、次の単語の冒頭にあるgradのgという有声子音(濁音)に引きずられて、odとなってしまうという。つまり、センテンスの中で、隣接する次の単語の語頭にある濁音に引っ張られるのだ
。】  

2.語末の有声子音は、次に続く語が無声子音、母音、或いはv、r、l、m、n、yで始まる場合には、無声子音として発音される。
  【例】 pod slqntseto →pot slqntseto (太陽の下で、の意味。)
   dqlqg pqt  →dqlqk pqt (長い道、の意味。)
   nov chovek → nof chovek (新しい人間、の意味。)
   bqrz rabotnik  → bqrs rabotnik  (すばやい労働者、の意味。)
   mlad literator  → mlat literator (若い文学者、の意味。)
   iz stranata → is stranata (この国から、の意味。)
   grozdov sok → grozdof sok  (ブドウジュース、の意味。)
   hubav razkaz → hubaf raskas (美しいお話、の意味。)
   gord orel →  gort orel (誇り高き鷲、の意味。)
   grad Vidin → grat Vidin (ヴィディン市、の意味。)

3.母音、及びv、r、l、m、n、yは、前に来る前置詞の子音を変えない。
  【例】pred izgrev → pred izgref (朝日が昇る前に、の意味。)
ot obich →  ot obich   (愛ゆえに、の意味。)
     nad vas → nad vas (あなたの上に、の意味。)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

 最近、何度も中東に渡航している人物のエッセイを見ているのですが、スープをトルコ語ではチョルバということが書かれていました。検索したら、wikiにも解説されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%83%90

 ブルガリア語でもスープをチョルバと呼ぶそうですね。もしかすると、ルーツはトルコ語でしょうか?
mugi
2016/05/18 22:40
こんにちは、
 もちろん、ブル語でもチョルバと言いますし、語源はトルコ語です。500年間に及ぶオスマン統治時代を経験したバルカン地域では、日用語にトルコ語は豊富に入り込んでいます。

 独立後の、言語浄化作戦で、多くのトルコ語を徐々に排除していったとは言え、現在に至るまで、多くのトルコ語が残っていますし、文章語よりも日常会話語には、さらに多くのトルコ語が残存しているようです。
 小生がブルに到着した当時(1967年夏)、会話は、少し知っていたロシア語を中心にするしかなかったけれど、ブル人たちは、「ブル語はスラヴ語+トルコ語だから、ロシア語の知識だけでは分らない単語が多いよ」と言っていたほど。実際には、実は、トルコ語はかなり排除済みで、言われたほどではなかったけれど、19世紀半ば以前なら、多くのブル人は、学校で、まずギリシャ語を習い(寺子屋では、僧侶がギリシャ語を教えた)、また村の長者たち(チョルバジーヤ)たちは、トルコ人官憲と交渉しなければならないから、トルコ語を話しました。トルコ語を教える学校もあったようです。

  例のアレコ・コンスタンチーノフの小説の主人公「バイ・ガーニョ」は、ブル人田舎っぺ大将のような人物ですが、自分はブル語の他に、トルコ語、ヴラシュキ語(ルーマニア語、ジプシー語)を自由に話せるから、世界旅行も平気と言って列車でウイーンまで旅するのですが、もちろんドイツ語、仏語しか通じないことが多く、苦戦します。
室長
2016/05/19 09:08

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