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<<   作成日時 : 2016/09/06 18:08   >>

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  今回は、経済に関する小生流の「新聞切り抜き」を集めて、検討してみたい(記事は小生が勝手に要約している)。
  本当はかなり多くの経済関連記事を貯めたのだが、実際に読者にご紹介すべきと考えたのは、以下に集めた程度でしかない。この方が、量が減って読みやすいであろうし。

1.日銀の計算では、日本のGDP実質成長率は、過去10年間平均1.2%とまずまずの成績だ
  (8月26日付産経紙、藤原章祐、山口暢彦筆)

   【小生コメント:この記事は相当衝撃的だ。我々も、GDP計算が、国連の定めた基準に基づいて計算されてはいるものの、各国の特殊性もあり、かつ、各国ごとの官僚たちの「能力差」とか、「伝統に基づく偏見、癖など」によって、諸外国の統計数値に関しては、それなりに眉唾(特に、政治的意図で数字の歪曲を平然と行う中国、韓国など)ものだとは覚悟しているはずだ。
  ところが、この記事で言っていることは、日本国のGDP数値に関し、国連方式を主張する内閣府が導き出してきた数値と、この数字を怪しんで、日銀が税務データに基づいて独自計算した数字で、相当な隔たりが出ているのだという。
  道理で、小生の見るところ、日本経済は結構先進国としてはうまくやっているはずなのに、統計数値だけが低迷しているという感覚があるのだ。


(1)日銀計算では、内閣府統計の2倍の成長率
  日銀と内閣府の間で、GDPの算出を巡って論争が勃発している。企業の申告所得や、被雇用者への給与総額と言った税務データに基づいて日銀がGDPを試算したところ、過去10年ほどの実質成長率は平均1.2%と、内閣府公表値(0.6%)の2倍に膨らんだからだ。

(2)180度の違い
  日銀は、7月中旬、100頁弱に及ぶ論文をHP上で公表した。特に関心を集めたのは、消費税率が5%から8%へと3ポイント引き上げられた平成26年度(2014年)の試算だ。名目GDPの実額は519兆円と、内閣府の公表値490兆円より約30兆円も多かった。成長率も、内閣府はマイナス0.9%と算出したが、日銀はプラス2.4%と百八十度異なる計算結果となった。

  内閣府は国連が定めた基準に基づき、主に個人消費や設備投資などの統計項目を積み上げる形でGDPを算出している。26年度は、増税前の駆け込み需要の反動で消費は低迷したが、エコノミストらの感じとしては「GDPの落ち込みが大きすぎる」との見方が多かった。

  そして、日銀内でも「企業収益が伸びたにもかかわらず、GDPがこれほど下がるだろうか?」と疑問視する声が続出・・・住民税や法人税などの税務データを基に独自推計することとした。日銀は「企業が脱税しない限り、ほとんどの経済活動を補足できる」と主張している。

(3)問題点と肯定論
  税務情報がすべて公表されるのは、年度が終わってから1年3か月後で、速報性を求められるGDP値をそれまでの間算出できない、と言う意味で日銀方式には弱点があると言える。日銀の論文は、今のところ「公式見解」ではなく、担当職員2名の「ワーキング・ペーパー」との位置づけだが、当然上層部はHPでの公開を了承している。
  民間研究機関などからも、設備投資について「一部の無形資産やM&A費用が含まれない」など実態からかけ離れているとの指摘もあるし、時代にそぐわなくなってきたGDPの計算方式に関し、日銀方式は一つの問題提起として歓迎する声がある。  

2.世界的な貿易停滞:スロー・トレード現象
   (8月14日付産経紙「オピニオン・日曜経済講座」欄、論説副委員長長谷川秀行筆)

(1)世界貿易が伸びなくなった
  国内市場の縮小が懸念される日本経済にとっては、海外の活力を取り込むことが欠かせないのだが、実は国際経済においては最近「スロー・トレード現象」と言う懸念すべき動きがある。

  普通、世界貿易の伸び率は、経済成長率よりも高いが、2012年以降4年連続で、この伸び率が成長率を下回っているのだ。貿易低迷が続けば、先進国経済は長期停滞が懸念される。そんなリスクを孕むのがこの現象だ。
  グラフ(省略)は、世界の実質GDP成長率と実質貿易の伸び率を示している。ITバブル崩壊時(01年)とリーマンショック直後(09年)を除き、11年まで貿易の伸び率が成長率を上回っていたことが分る。
  成長率が1単位増えた時、貿易が何単位伸びたかを見ると、この30年間は1--3程度で推移してきた。それが12年以降は、1を割り込んだままとなっている。

(2)15年の貿易数値
  直近の状況をジェトロの数値で確認すると、15年の世界の商品貿易額(ドルベース)は、名目で前年比マイナス12.7%と6年ぶりの減少に転じた。原油を含む資源価格の下落、ドル高が及ぼした影響が大きいが、その影響を除いた実質でも、3%台の成長率を下回る1.3%増にとどまった。

  原油安は、14年半ば以降であり、これだけではスロー・トレードの説明がつかない。他にも、中国の景気減速が各国の対中輸出を減退させた、とか、世界的な投資低迷で資本財などの貿易が停滞したことも大きな要因と見られている。
  以上の循環的要因の他に、構造的要因も挙げられている:@先進国企業は、複数国にまたがり部材などを供給し合う生産網を築いてきたが、新興国における生産コストが高まるにつれ、その動きが鈍った、A中国で部品の内製化が進み、中間財の貿易に影響した、など。

(3)日本は、世界貿易の復興に努力すべき
  世界では反グローバリズムの声が高まって、米国などで内向き志向が出ているが、これがスロー・トレード現象を強化する恐れもある。日本は自由貿易推進を今後も掲げていかねばならない。世界の平均関税率は、貿易自由化の進展で、5.4%まで低下している。関税以外に、非関税障壁の撤廃などを促していくべきだ。

  ジェトロによるとスロー・トレードは新興国においてさらに顕著だという。その意味で新興国が参加するTPPの意義は大きい。
  もう一つ日本が傾注すべきは、サービス貿易の拡大だ。通商白書によるとこの10年、世界のサービス貿易は財の貿易を上回る伸びを示してきた・・・・しかも、先進国に競争優位性が見られるという!

 【小生コメント:
(1)アジア経済を勃興させたのは日本
  1890年、日本経済のバブルが崩壊した。思えば、その後の日本は、国内経済が停滞したとはいえ、対中国投資、対東南アジア投資で、生産拠点を中国、東南アジアに移転し、いわば迂回経路を使って、それまでの対米、対欧州過剰輸出を分散させた。
  この過程で、中国経済の台頭があり、東南アジアにおける工業革命も進展したと思う。また、韓国、台湾でも日本を模倣した工業化が進展した。

(2)中国が暴走して、過剰生産が深刻化
  同時期に、米国発のIT革命があり(しかし、01年にITバブルは一時的に崩壊)、米、日双方の生産拠点と化した中国、韓国、台湾、東南アジアからの製品輸出が急拡大し、それに伴い中国などが資源の爆買いを行って世界貿易が急拡大した。

  ところが、他方で、中国による過剰投資・過剰生産が進展しすぎて、北京五輪の08年を終えた頃から、中国経済の低迷化が起き、09年のリーマンショックもあったが、更にその後も、中国を中心とした過剰生産、過剰投資が続いてしまった・・・・・今その余波で、世界経済が揺らいでいる、と言うことであろう。スロー・トレード現象からの回復は、これまでの中国、東南アジアでの過剰投資・過剰生産を考えると、当面難しいように思う。世界市場と言えども、これ以上の製品を飲みこむ余地が少なくなってきて、一服感が漂っている、と思う。

(3)日本の工業技術が全ての始まり
  結局、繊維、化学製品、日用品、家電製品、自動車、パソコン、携帯電話、その他の現代的工業諸製品の大部分は、戦後の日本が産みだした物質文明が基盤であり、他方で、これら製品を日本の1/10ほどの低賃金で模倣生産した中国、或いは、日本資本、韓国資本が東南アジアに建設した諸工場からの製品として、優良商品が大量・安価に世界市場に溢れすぎ、既に、欧米諸国市場は飽和状態であるほか、中南米、中東、アフリカなどの諸国でも、購買力が限界に達したと言えるのではなかろうか。

(4)日本の中古車は、後進国経済を振興している
  小生が一番驚くのは、日本の製造工業の精髄と言うべき自動車だ。製造後10年を経過した日本製の中古自動車(乗用車+トラック・バス)でも、欧米製の新車に比較しても、性能、品質が高く、東南アジア、中東、アフリカなどの後進国で、「生活革命」を推進してきた。つまり、世界の後進国は、日本製中古車の恩恵で、現代文明社会へと21世紀に入った頃から、急速に歴史的変革を遂げたように見える。
  もちろん、米国のIT革命が、世界中の若者たちにパソコン、インターネットにより、知的革命を引き起こし、現代世界のグローバリズム的、一体的な進歩をもたらしたことも忘れてはならないであろう。日本の自動車+米国のIT技術が、現代世界を形作ったと言っても過言ではないと思う
。】


3.財政ファイナンス/ヘリコプター・マネー
  (8月2日付朝日新聞、編集委員原真人(まこと)筆、「波聞風問」欄)

  第2次安倍政権が誕生した2012年12月の総選挙。安倍晋三氏が遊説で訴えたのは国土強靭化のためのインフラ整備だった。その財源として「輪転機をぐるぐる回して、無制限にお札を刷る」、「建設国債は日銀に全部買ってもらう」とまで言った。
  後に、「大胆な金融緩和」、「機動的な財政出動」と言い直したが、そのあからさまな財政ファイナンス構想こそがアベノミクスの原点なのだ。

  財政ファイナンスとは、財政赤字を国債ではなく、通貨発行で賄うこと。中央銀行が、お札を刷って国民にばら撒くことを「ヘリコプター・マネー」と呼ぶが、それも同じことだ。そんな都合のいい政策には必ず落とし穴がある・・・いずれ超インフレとなり、国民が困窮することになるのだ。

  【小生コメント:小生は、5月時点で(http://79909040.at.webry.info/201605/article_3.html)、アベノミクスとはヘリマネーだ・・・・国債の日銀による買い上げで、累積債務を解消していくという、安倍総理の積極的な財政政策だと気づいて、褒めたのだが、朝日新聞はようやくこのことに気付き、普通の平凡なエコノミストと同様に、インフレになると、そういう警告しかできていない。
  必ずしも超インフレを引き起こさずに、賢明に、こっそりと国債買い上げを続行していけば、日本経済の救済も可能なはずではないか。知恵を働かせるべきだ。

   (了)

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