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zoom RSS ブルガリア総選挙(2017年)の結果(速報)

<<   作成日時 : 2017/03/28 16:57   >>

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  さて、前回ブルガリアの内政に関して記事にしたのは、1月下旬であった(http://79909040.at.webry.info/201701/article_3.html)が、この記事で書いたように、3月26日(日)、即ち小生が住む千葉県の知事選と同じ日に、ブルでは総選挙が実施された(注:香港の行政長官選挙も同じ日だった)。

  翌27日午後2時頃の中央選管速報(開票率はほぼ100%だが、ブルの場合は、31選挙区ごとの候補者の当選確定、政党ごとの議席獲得数など、最終結果判明までには更に時間がかかりうる)は次の通りなので、とりあえず、このブログでも速報として記事としておきたい。

1.国会内に議席を確保した政党(連合)の得票率
 GERB=32.66%(注:欧州中心主義を掲げるG(ゲルプ)党は、Boyko Borisovを実質党首とする右派系政党)、
 BSP =27.19%(注:ベセペは、旧共産党(BKP、ベカペ)を根っこに持つ左派系政党。党首は現在Korneliya Ninovaと言う女性)、

 UP=8.99%(注:英語でUnited Patriots=愛国者連合。ナショナリスト系の3政党:NFSB、 Ataka、VMROが連合したもの。前回の国会では、NFSB+VMROでPatriotic Front=PFとして、G党政権を支えたが、今回は、前回野党だったAtakaも合流した。国粋主義系の連合)、
 DPS= 9.07%(注:デペセは、アフメット・ドガンが創設した、ブル在住のトルコ系住民を主体とする政党。中道。現在の党首はMustafa Karadayi。同党はBSPと連立を組むことが多いが、本来は、右派系政党との連立もOK。しかし、Borisovは、DPSとの連立は、ナショナリスト系政党との連合を組みにくくすること、ブル系市民の間での拒否感が強いことを考慮し、今回もDPSとは連立しないと、事前に声明している)、

 Volya = 4.15%(注:Volyaとは意志の意味。Varna市の大物ビジネスマンVeselin Mareshkiが最近設立した政党)。

   すなわち、次期国会においては、上記の5政党(連合)が、国会内政党(連合)として議席を保有することとなった(注:ブル選挙法では、4%の敷居値を設けていて、4%の得票率に満たない政党(連合)には、国会議席を与えないこととしている。小政党の乱立を回避するためである。)

2.主要政党が、どの県で強かったのか
  GERBは、下記2政党が獲得した9県の残りの19県、22の選挙区(全部で31選挙区ある)で第1党となった:Blagoevgrad、Burgas、Varna、Vratsa、Gabrovo、Kyustendil、Lovech、Pazardzhik、Pernik、Plovdiv市、Plovdiv県、Ruse、Silistra、Sliven、Smolyan、Sofia市(首都選挙区)第23区、Sofia市第24区、Sofia市第25区、Sofia県、Stara Zagora、Haskovo、Shumen。(小生注:本来は、県としてはPlovdivが1つ、Sofiaは県と市(首都Sofia市は、県の資格がある)の2つであり、よって、県の数としては19県、しかし、選挙区としては、Plovdivが県+市の2選挙区、Sofia市は第23−−25区の3つの選挙区があるので、合計すると、19+3=22選挙区となる。

  BSPは、次の6県で第1党となった:Vidin、VT(Veliko Tqrnovo)、Dobrich、Montana、Pleven、Yambol。
  DPSは、トルコ系住民が多い次の3県で第1党となった:Tqrgovishte、Razgrad、Kqrdzhali。

3.在外選挙
  在外選挙(注:基本的に、在外選挙の場合は、特定の選挙区への投票とは見なされず、全国にまんべんなく票がばら撒かれるので、ある意味投票の効果は薄い)では、得票率は次のようになった:
   G党=24.45%、DOST党(*1)=17.49%、BSP =12.54%, DPS =12.05%、the Greens(*2)= 10.19%、United Patriots =7.11%。

  小生注:*1=DOST党は、Lyutvi Mestan前DPS党首が、元党首のAhmed Dogan氏の逆鱗に触れ、同人によってDPS党首職から追放され、その後にMestan氏が結成したトルコ系住民の新政党。Mestan氏は、トルコのエルドアン大統領が率いるAKP(公正発展党)との関係を深めようとしたことから、トルコ本国とは独立しての、ブル国における独自のトルコ系住民の政党としてDPSを導いていくという、ドガン氏の基本方針に背反してしまった。今回の総選挙でも、トルコ本国のAKPがDOST党を支援するようなビデオ番組(駐ブル土大使が出演してDOST党を推奨した)を作ったとして、ブル国への内政干渉だと怒るブル世論が起きたという.。Dostとはトルコ語で「友人」の意味。ちなみに、DOST党が在外選挙で強いのは、トルコ本国に在住する、トルコへと移住したトルコ系住民(注:ブル国は二重国籍を認めている)が、トルコの各地に所在する投票所で投票するが、これら在トルコ住民の間では、トルコ本国の政権と良好な関係のDOSTの人気が高いため。
  *2=緑の党は、ブルにおいては存在感、支持率ともに低いが、在外のブル人の間では一定の人気がある模様

3.国会外(院外)政党への政党補助金
  今回の総選挙では、1%超の得票で、国会外政党として、国庫補助金の対象となりえたのはVqzrazhdane(再生の意味、ブルの歴史では「ブル版ルネッサンス」を意味し、オスマン・トルコ時代末期のナショナリズムが再生されはじめた時期を指す)党1党のみとなった。(注:しかし、選挙後同党は、院外政党としての国庫補助金を辞退すると声明した。補助金拒否は、恐らく政党補助金などを貰って国民に迷惑はかけない、という意気込みを誇示するためであろう。

  他の、既成有名政党であるSDS(セデセ、コストフ元首相の所属した名門右派政党)、DSB(デセベ、SDSから分裂した、コストフ元首相が創設した政党)、DBG(「ブル市民の運動」の意味、元NDSV(エンデセヴェ)政治家だったMeglena Kuneva女史の政党)は、今回「RB(Reformist Bloc)連合」の一部となって選挙参加したし、連合としての合計で4%の敷居値を超えられず、国会議席を得られなかったので、補助金対象の1%得票と言う基準も満たせず、補助金を得ることは不可能となった。

  また、「RB-Glas Naroden連合」として、RBと共に戦ったGlas Naroden(国民の声の意味)党も前回は単独で1%を得票したので、国会外補助金対象政党だったが、今回は連合として戦い、しかも4%の敷居値を超えられず敗退したので、補助金対象外となってしまった。
  なお、左派のABV党(元BSP政治家のGeorgi Pqrvanovの政党)も、今回「ABV−Movement 21」と言う連合で戦ったが、4%の敷居値を超えられず、補助金対象外となってしまった。「Movement 21(21世紀運動、Tatyana Donchevaの政党)」も、前回総選挙では1%得票で、補助金を取得したが、今回はABVとの連合で戦った上に、4%の敷居値を超えられず国会内の議席を確保し得なかったので、補助金対象外となった。(注:連合として選挙参加すると、元々の政党ごとの得票割合が分らなくなるので、理論的に言えば、小政党でも単独で選挙参加した方が、1%の得票だけで補助金を得られるということになるので得かもしれない。とはいえ、連合に参加する時には、4%の得票可能性、国会内政党になることに賭けていると言える。)

   過去にあるていど存在価値を示した政党も、国会内で存在価値を示せなかったり、或いは国会内政党となりえなかったりすると、徐々に忘れられ、このように最後は連合を組んでさえも敗退する傾向にある。上位4―5政党程度しか生き残りが難しい、と言うのが、小政党乱立政局における宿命である。
   ちなみに、Vqzrazhdane党の党首は、Varna郡議員でDobrich県歴史博物館館長でもあるKostadin Kostadinov。

4.Mediapool紙(ブル語電子新聞)による議席配分予想
  GERB=96議席、
  BSP=80議席、
  UP=27議席、
  DPS=26議席、
  Volya=12議席。
     (注:上記の合計議席数は、241議席となる。ブル国会は240議席のはずであり、上記のような計算となるのは、概算としての一応の結果だから、と思われる。)
   このような議席配分では、結構政権形成が困難を伴うのではないか、とM紙では予想している。

(1)G党政権形成は? 
  さて、上記のような議席と仮定して、G党中心の政権形成が行われる場合には、G+UP両党の連立では、123議席となり、121議席という過半数議席を確保しうるので、政権形成は可能となる。この連立がスムースに合意できるならそれに越したことはない。
  しかし、うるさ型の多いナショナリストたちとの連立は、政局運営の安定性確保が難しいという弱点がある。
  G+Volyaの場合は、96+12=108議席で、更にUPから13議席を引き抜かねばならなくなる。国会発足当初から、UPを分裂させるのは難しいであろう。また、Volyaも、党首のMareshki氏は色々と注文がうるさいようで、Borisovと喧嘩になりそうだ。

(2)BSP+DPSの左派政権形成は?
  両党を併せても、80+26=106議席で、過半数の121議席に達しない。
  とはいえ、Volya、UP両党から一部の議員が離脱して、15名の議員が協力すれば、何とか政権形成が可能となる。例えば、Volya12名が連立に参加した上で(この場合、106+12=118議席であと3名が不足)、UPから、かつてBSPを外から支援したAtaka党員の3名が支援に回れば、合計121議席が形成されうるのだ。とはいえ、実質的には4党連立というのは、難しい政局運営とならざるを得ない。
       

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