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zoom RSS 第3次ボリーソフ政権の誕生

<<   作成日時 : 2017/05/05 10:00  

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  さて、3月26日の第44次国会に向けた総選挙実施後、新政府形成にむけて、総選挙結果に基づき最もふさわしいパートナーと考えられた、GERB党とUP党の間で、連立政権樹立に向けた交渉が水面下で行われてきた。
  この交渉の結果、4月半ばにはG+UPの連立交渉がほぼ妥結し、4月27日には、Rumen Radev大統領が正式にG党党首のBoyko Borisovに対して「政府形成への権限(mandate)を付与」し、5月4日の国会で信任投票が可決され、正式に第3次Borisov政権が誕生した。
  以下に、政権成立までの経緯を時系列中心でまとめた。

   (注:ちなみに、G党の正式名称は、Citizens for European Development of Bulgariaに相当するブル語の頭文字をとってGERBである(ゆえに、厳密に訳すると「ブルの欧州的発展を志す市民たち」と言う意味)。ただし、Gerb(発音はゲルプ)と言う単語自体に「紋章」との意味があり、やや愛国主義的匂いもする党名となっている。この政党の幹部は、Borisov自身が筋肉系の内務省員(消防畑)出身であり、警察官僚出身者が多いらしい。
   他方、UP(United Patriots、ブル語の頭文字ならOP)党は、極右系の3党から成っている連合で、連合を構成する3党首の入閣問題が、連立交渉の肝であったと思われる。


1.01年夏以降のブルにおける内閣(政権)の推移一覧
  01年7月24日--05年8月17日:Simeon Saxe-Coburg-Gotha・NDSV内閣。
  05年㋇17日--09年7月27日:Sergey Stanishev・BSP/DPS連立内閣。
  09年7月27日—13年2月20日:第一次Boyko Borisov・GERB内閣(注:2月前半以来、高すぎる電気代(注:ブル人の貧困家庭などでは、室内電気暖房機への依存度が高い)に不満を持つ市民が街頭に出て大規模デモが発生し、政権を維持できなくなったための退陣)。

  13年3月12日:Marin Raykov選管内閣。
  13年5月12日:(第42次国会)総選挙実施。
  13年5月29日:Plamen Oresharski・BSP/DPS/Ataka連立内閣。
  14年8月5日:Georgi Bliznashki暫定(選管)内閣。
  14年10月5日:(第43次国会)総選挙。
  14年11月7日:第2次Boyko Borisov・GERB/RB/PF連立内閣。
  16年11月14日:Borisovが内閣総辞職を申請。

2.17年1月以降の政局推移
  17年1月22日:Rumen Radev新大統領が就任式(副大統領はIliyana Yotova)。
   1月24日:Ognyan Gerdzhikov暫定内閣(選管内閣)が発足。
   1月27日:第43次国会を解散。
   3月26日(日):第44次普通国会総選挙を実施。
   3月30日:中央選管から、総選挙結果の確定報告:
        GERB=95議席、BSP=80議席、UP=27議席、DPS=26議席、Volya=12議席。

3.総選挙結果確定後の動き
(1)4月8日:院外政党に対する国有建物からの退去命令
 今次総選挙で、4%の敷居値を超えられず、よって院内政党の地位から外れた次の諸政党が、Sofia市内の国有建物内にある政党事務所から退去命令を受けた。
 すなわち、首都圏で国有資産を管理する「ソフィア首都県」が、右派系のSDS、DSB、左派系のDvizhenie 21(21世紀運動)、ABVの4党に対し、政府所有の建物での、従来の安価で優遇的な賃貸料での事務所の入居を拒否し、退去を要請した。

(2)4月12日:GERBとUPの両党の間の連立交渉で、最低年金額に合意
  G党とUPの間の連立交渉で、最難関だった「退職年金」の最低金額が、月額200Lvと言うことで合意された。
   即ち、現行の最低引退年金は161Lvだが、7月1日からは180Lvに引上げ、更に10月1日以降は200Lvへと引き上げることで、連立交渉がほぼ妥結した。

(3)4月13日:連立協定を締結
  G党とUP党の間で連立政策協定に合意がなり、署名された。

4.第44次国会が開会
(1)4月19日
  第44次普通国会が初会合を開催した。
  当選した国会議員らが、憲法と法律に対し、これを遵守し、更に国益に基づいて行動する旨宣誓。
  新国会の初会合には、Radev大統領、Yotova副大統領が臨席した。
  新国会の国会議長には、G党のDimitqr Glavchevが選出された(賛成157票、反対0、棄権81票・・・合計238票であり、2名が何らかの理由で欠席した模様)。

  また、この会合で5名の国会副議長も選出された:Tsveta Karayancheva( GERB)、 Valeri Zhablyanov(BSP)、 Yavor Notev(UP)、 Dr Nigyar Dzhafer (DPS)、 Veselin Mareshki (Volya)。(注:カッコ内は、各副議長を指名した院内政党名。)

(2)4月27日(木)
   Radev大統領が、Boyko Borisov・G党党首に、正式に「政府形成権限(mandate)」を付与した。

5.第3次Borisov政権が誕生
(1)5月3日(水)
  G党本部の広報室が、翌日Borisov首相(第3次Borisov政権)がRumen Radev大統領に手交する、閣僚リストを公表した。

   【注:UPを構成する3党(NFSB、VMRO、Ataka)の内、3番目の党Ataka党首のVolen Siderovは、他の2党党首が入閣したのに反し、閣外にとどまり、Valeri Simeonov(NFSB)、Krasimir Karakachanov(VMRO)の2名に花を持たせた。Siderovはこれまでの政治経歴であまりにもスキャンダルが多く、他の2名の党首にとっても、同僚閣僚としては信用できないことから、自ら身を引いたと言われる。
   他方で、閣僚とならないことから、Siderovは国会議員に留まるので、国会内のUP会派では、会派のリーダーとして、他の議員たちを指揮する権限を持つと見られている。他方、国会内でのSiderovによる奇矯な行動、過激な言動をBorisov首相は惧れ、むしろ閣僚として取り込む意向であったが、同人は拒否したとの観測もあり、今後もSiderovは政権にとっての頭痛の種である可能性が大。

   なお、12議席のVolyaも、G党政権に対し閣外協力する意向を表明しており、この意味では実質3党連立の134議席(国会の総議席は240)が与党側にある。野党としては、BSPの80議席とDPSの26議席、合計106議席であって、第3次Borisov政権は、かなり安定的な政局運営が期待できる。】

(2)5月4日(木)
  BorisovがRadev大統領に閣僚名簿を手交、直ちに同日国会で、新内閣の信任決議を採択へ。
  第44次国会で、第3次Borisov政権が、G党+UP+Volya=合計134票の賛成で承認された。
  また、この日、Gerdzhikov暫定内閣首相は、宣誓式を終えたBorisov新首相にその(首相としての)地位を引き継ぎ、「成功裏の内閣を祈念しつつ」退陣した。


6.第3次Borisov内閣、閣僚名簿

(1)首相 
   Boyko Metodiev Borisov
(2)副首相:4名
  (担当分野は後ほど発表される)-Tomislav Peykov Donchev、
  経済及び成長政策担当副首相 - Valeri Simeonov Simeonov、
  公安担当副首相兼国防相- Krasimir Donchev Karakachanov、
  司法改革担当副首相兼外相- Ekaterina Spasova Gecheva-Zaharieva;

(3)閣僚(大臣):18名(内2名が副首相を兼任)
  大蔵相 - Vladislav Ivanov Goranov、
  内相 - Valentin Ivanov Radev、
  地域開発・公共工事相 - Nikolay Nankov Nankov、
  労働・社会福祉相 - Biser Hristov Petkov、
  国防相- Krasimir Donchev Karakachanov(副首相兼任)、
  外相 - Ekaterina Spasova Gecheva-Zaharieva(副首相兼任)、
  法務相 - Tsetska Tsacheva Dangovska、
  教育・科学相 - Krasimir Georgiev Valchev、
  保健相 - Nikolay Kirilov Petrov、
  2018年度ブルのEU議長国担当相 - Lilyana Pavlova、
  文化相 - Boil Vasilev Banov、
  環境・水相 - Neno Nenov Dimov、
  農業・食品・林業相 - Rumen Andonov Porozhanov、
  運輸・情報技術・通信相 - Ivaylo Angelov Moskovski、
  経済相- Emil Lyubenov Karanikolov、
  エネルギー相 - Temenuzhka Petrova Petkova、
  観光相 - Nikolina Panayotova Angelkova、
  青年・スポーツ相 - Krasen Kirilov Kralev。

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