ユダヤ人の祭日:光の祭り~樹木の新年

   今回は、4--6.のユダヤ人の祭日を説明します。

4.Hanuka(Hanukkah、ブル語:Osveshtenie,Praznik na svetlinata=光の祭り、日本語:神殿奉献記念祭、ハヌーカ祭)
(1)由来
  この祭日は、聖書には記されていない。しかし、Kislev月(第9月)の25日に、イスラエルの国祭日として祝われるらしい。正式には、Kislevの25日に開始し、Tevet(第10月)の2日または3日に終わるという。
  ハヌーカの英訳は、Dedication of the Temple in Jerusalem、つまり「神殿奉献」と言う意味らしい。
    (小生注:きちんとしたハヌーカの祭日は、11月末~12月末までの期間、毎年異なる期日で始まるようだ。ユダヤ歴が太陰暦を基盤としているから、その暦は分りにくい。Wiki記事:http://en.wikipedia.org/wiki/Hanukkahによれば、今年(2015年)は12月6日夕刻に始まり12月14日夕刻に終わる。また、本当のこのお祭りの由来は、下記の歴史にあるように、シリア軍から神殿を奪回したこと、奇跡のように聖なる油が8日間分は残っていたこと、などを記念する模様。

(2)歴史
  シリアの自然崇拝信者の王Antiochus IVは、ユダヤ人達をギリシャ化しようと考え、紀元前142年にエルサレムの神殿を、犠牲に豚を捧げよと命じて汚した。然るに、シリア軍はエルサレムから追い払われ、神殿内には、永遠の火を燃やすための聖なる油がほとんど残っていなかった。そこで、この永遠の火はたった8日間だが燃え続けた。・・・このことを記念して、このお祭りは8日間続くこととなった。

  このハヌーカ祭の8つの火は聖なる火であり、故に、仕事にも、読書にも使用してはならず、唯一黙想(瞑想、sqzertsanie)のために用いることが可能だ。またこの理由で、8つのロウソクの他に、追加としてもう1本のロウソク(shamash、即ち「監視する」との意味)が灯される。
  金曜日の夕刻(日没)には、これらのロウソクが、Shabat(Sabbath、安息日)のロウソクの前から灯っている。土曜日の夕刻(日没)には、Shabatが終わるので、またもやこれらのロウソクが灯される。このハヌーカのロウソクは、シナゴーグでも、家でも灯される。

(3)風習
  祭日の際には、Hanuka用の特別の燭台(menorah、またはhanukiahと呼ぶ)が使われる・・・8つの枝と1つの真ん中の主枝を持った燭台だ。毎晩、一つずつロウソクを点けていくし、9つ目の主枝には、9日目に点ける。今日では、Hanuka祭には、9つのロウソク用の盃が付いている燭台が使われる・・・下の部分には豊富な装飾が施されている。伝統的には、Hanuka祭の初日には、ユダヤ人家庭では主婦たちがgris halva(semolina粉でつくるhalva、アルメニア人の祭日に関する項を参照:http://79909040.at.webry.info/201504/article_2.html、及びhttp://recipes.cook13.com/r-10753-Armenian_Semolina_Halva)を作る。
  この明るい、陽気な祭日は、親しい友人、親戚たちとの交友・挨拶の機会ともなる:「陽気なハヌーカ祭。どうか来年は、再建されたエルサレムで、またお会いできますように」。

5.Purim(ブル語:Praznik na zhrebiya, sqdbite=運命の祭日)
(1)由来
  この祭日は、グレゴリオ暦の2--3月頃に祝われる(注:http://en.wikipedia.org/wiki/Purimによると、今年は3月4日の夕刻から5日の夕刻まで)。ユダヤ歴ではAdar月の14日。「籤(くじ)の祭り(Feast of Lots)」とも呼ばれる。

  アケメネス朝ペルシア(当時はインドからエチオピアまでの127州を支配する大帝国、クセルクセス王の在位は紀元前485—465年)王 Xerxes Iの宰相ハマン(Haman、ブル語:Aman)によりユダヤ民族が絶滅されようとした(注:当時のペルシアの首都はスサ市で、多数のユダヤ人居住者が居た)時に、エステル書に書かれているように、モルデカイ(Mordecai)と賢女エステル(Esther、ユダヤ名はハダサ=Hadassah)がこの計画(陰謀)を知って、危機一髪ユダヤ人達の救出に成功したことを祝うのが、この祭りの趣旨。
  
  よって、ユダヤ人らはこの日をEstherの日、そして子供の日、として祝う。
  シナゴーグの典礼では、エステル書(Megila)が読まれる。

(2)伝承
  Xerxes I王の妻Auserus(ブル語:Auserus。注:wikiではAhasuerus)・・・女王としての名はVashti(ワシュティ)だが・・・は、ある宴会(pir)に出席することを拒否した。これに激怒した国王は、彼女を追放した。その少し後、妃を選ぶための美人コンテストがあり、美人のユダヤ人女性Estherが勝利した。彼女は王の寵姫となり、また国王は、彼女の伯父で賢明な貴族(velmozha)であったMordecaiも重んじた。

  しかし、宰相のHamanは、Mordecaiに嫉妬した・・・Mordecaiは、かつて国王に対する陰謀を暴露したのだ。故にHamanは、Mordecaiのみならず、全てのユダヤ人達を殺害しようとした。このHamanの計画(陰謀)を察知したMordecaiはEstherに、自分たちの民のために行動するよう嘆願した。これに対しEstherは、条件として全てのユダヤ人達が厳しく断食(post)を守ることを要求した。そして国王の前に出ると、ユダヤの民のために慈悲(milost)を懇願した。王はHamanを絞首刑とするよう命じ、MordecaiのためにHamanが用意していた絞首門で処刑させた。また、Estherはペルシア・アッシリアの王妃となった。
  
(3)風習
  Estherが要求した断食、Adar(ユダヤ歴の12月)月の11日(グレゴリオ暦の2月、または3月)、と彼らの捕囚環境が根本的に変化したことを記憶する意味で、ユダヤ人達はこの断食の日を守るほか、Adar月13日には、お祭りを催す・・・この日には、彼らは近親者、友人らに贈り物をし、貧者たちに対しては、大きな寛容さを示す。

  次の日14日は、Purim na Suza(英語:Purim in Susa。Susa=スサ市)と呼ばれ、この日には、ユダヤ人達は復讐する権利を授与されたという・・・ユダヤ人らが憎く思う者たち、或はユダヤ人達に悪事をなした者たちへの復讐が許容された。この復讐に際しては、ユダヤ人達は、Hamanの子供たち十名と、数千人に上る敵を殺害したという。

(4)Purimに際する料理
  Purim祭日に際し、ユダヤ人女性らは、小麦粉でクルミの実が入ったスイーツ、水砂糖をかけた円形パンでアーモンドの実を割ったものが入っているもの、小麦粉の紐に包まれたゆで卵などを作る。

  また、カラメル系のスイーツであるMavlacho –Biskochikosを次のレシピで作る:
   紅茶用カップ2杯の小麦粉、コーヒー用カップ3杯分の植物油、コーヒー用カップ3杯分の砂糖、卵5個、レモン半個分のレモン汁、アンモニア・ソーダ1箱、ヴァニラ3箱、一つまみの塩・・・これらを混ぜて、中程度に柔らかいパン生地(testo)を作る。この生地を同じ量で幾つもに分ける。小分けした生地を延ばして1--2㎝の厚さの皮とする。この皮を長さ20㎝ほどの帯状に切る(幅は5--6㎝)。この帯の中には、1㎝ほどの中身*を入れ、しっかりと巻きつけてgevrek(注:細長い輪の形をしたパン)状にする。Gevrekは、食用油を引いた金皿に乗せ、上からよくかき混ぜた(卵の)黄身を塗り、おろし金で擦ったレモンの皮とゴマを振りかける。中火程度のオブンの火力で焼く。
  ちなみに、上記*中身は次のように作る:砂糖0.5kgを紅茶用カップ2杯の水で茹でる。このシロップが煮詰まり始めた頃、砕いたクルミの実を紅茶用カップ3杯分入れる。そして茹であがってきたら、大匙6杯分のパン粉(galeta)及びオレンジ(またはレモン)の皮をおろし金ですったもの、を入れる。これら全ては、煮詰まってかなり硬い混合物となるまで煮詰めて、上記の帯状のパイ生地の中身とする。

(5)プーリム・カーニバル:Adar月14日
  この日には、若いユダヤ人、全世界に散らばったユダヤ系のディアスポラの人々・・・は、仮面をかぶって、聖なる土地で、一種のカーニバルを行う。
  イスラエル国においては、この日には、国営ラジオがエステル書のテキストを読み上げる。
   (エルサレムなど、一部の町では、Adar月15日にPurim祭を祝う。)

6.Tu bi shevat(Tu BiShvat、樹木の新年)
(1)由来
  wikiでは次を参照:http://en.wikipedia.org/wiki/Tu_BiShvat
  ユダヤ人達は、このShevat月(ユダヤ歴11月)の15日(2015年の今年は2月4日)に、Tu BiShvatの日を祝う。この日は、昔は新年を迎える日であったという。しかし、その後、暦が変わり、その祭日としての月日も異なって来た。現在、この日は、植物、果物の木を祝う日となっている・・・植物、果樹の新年(New Year for Trees)という意味合いだ。
  Wikiによれば、現代のイスラエルでは、環境問題に対する意識を高める日として扱われているという(この日に、植樹式が行われる)。

(2)習慣
  この日は、家庭での祭日という色彩が強い。子供たちは、この日を楽しみに待っている。特別の袋で、彼らは、リンゴ、デーツ、アーモンド、レーズン(干しぶどう)、イチジク、オレンジ、ピーナッツ(注:リンゴ、デーツ、オレンジ、イチジクなども乾燥させたもの、ドライフルーツであることが多いようだ)を貰えるのだ。
  この袋は、親しい人、親戚の子供たちにも配られる。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック