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zoom RSS 国際情勢俯瞰図:その2(18年12月)

<<   作成日時 : 2018/12/02 17:15  

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  さて、私事で言えば、11月は小生にとって同窓会の月であり、今年は1日(木)の1970年代のブルガリア在留経験者の会合、12日(月)の大学同期の会合、25日(日)の1980年代ブルガリア在勤者たちの会合、28日(水)の高校同期の会合と、実に4件もの「同窓会」行事があった。
  年齢を重ねると、こういった旧知の人々との一種の「同窓会」は、よくぞ皆様ご健在で、或いはよくぞ自分も何とか生きている・・・と言ったことで、昔を振り返り、更にはいまを回顧するよき機会となる。

  このブログに関して言えば、小生の筆力が衰えて、すっかりご無沙汰と言うことで、上記の高校時代の同窓生たちからは、「もっと書け」と激励された次第。とはいえ、そう簡単に筆が進むものでもない。
  そこで、昨年7月に書いた、前回の「国際情勢の俯瞰図」(http://79909040.at.webry.info/201707/article_1.html)を参考としつつ、現状を再検討する、と言う作業を思いついた。テーマが決まれば、割合簡単に書けるのは当然のことだ。

1.極東アジア情勢
(1)中国情勢
  10月4日に米国のペンス副大統領が行った「対中国非難演説」は、米国が中国を主要敵国(対米敵対勢力)として、はっきりと認定したという宣言である。つまり、もはや米国は、中国の野放図な台頭を座視するわけにはいかなくなったので、本気で潰しにかかる、という方針を明確に述べたものと捉えられている。

  習近平(Xi Jinping)が、あまりにも調子に乗って、「一帯一路」などと、ユーラシア大陸からアフリカにまで勢力圏を拡大するという、軍事戦略を含めた大ぶろしきを広げ、米国の世界覇権を突き崩す意図を露骨に明示し始めたので、さすがに鈍い米国首脳部も、危機感を覚えたのだ。

  これまでの江沢民、胡錦濤政権時には、未だに慎重姿勢があり、対米関係の維持にはより配慮していたのに、習近平には、そういう国際感覚が欠如していて、国内での「皇帝気取り」そのままの態度を国際社会に対しても、採用してしまったということ。

  米国産業界からも、コンピュータ技術、半導体技術、通信関連技術、AI、画像認識技術などの最先端技術が次々に、中国から追い上げられていること、しかもこれら最先端技術は、米国の大学に進学していた中国人学生・技術者らが、時としては、スパイ活動を通して窃取していること、大陸中国に投資している米国企業、日本企業、欧州企業などは、盗用を警戒してブラックボックス化して隠そうとしている技術を、中国側合弁相手などから、中核技術を開示するように強要されること、拒否すると、中国政府から色々と嫌がらせを受けること、などについて「陳情」が出ていたので、この点も勘案して、米国政府としては、「不公平な国家介入」として、叱責し、対抗策を講じる必要性を感じたのだ。
 
  喧嘩上手を自認するトランプ大統領は、従来からの持論である二国間貿易交渉で、全て解決できるとみて、対中制裁関税の発動で脅せば、すぐに相手は屈服すると、当初は高をくくっていたのだが、実は中国側は案に相違して、相当粘っこく対抗手段を取る対応に出た。習近平は、実は経済に関しては素人で、「皇帝気分」を害されたことに憤慨して、一定の抵抗を試みる策に出たようだ。つまり弱気を見せることを躊躇したともいえる。

  トランプにしてみれば、これも都合の良い展開で、国際社会にとって厄介者で、横暴な、共産党独裁政権の中国が、往生際悪く逆らうようなら、米国の総力を振り絞って、徐々に潰していけば、米国内の拍手喝采は当然だし、対中国虐めは、民主党からも支持を得られる、米国民がこぞって賛成してくれる話だから、この紛争は長引く方が自分の政権の安定には、却って好都合だ。

(2)北朝鮮情勢
  トランプ大統領は、金正恩(キム・ジョンウン)を軽く見過ぎていたようだ。確かに空母機動部隊を3個も投入して脅したときは、金正恩も動揺し、それまで軽視していた中国の習近平首席の元に土下座までして庇護を乞う羽目になったが、それ以降は、中国、ロシア双方から、制裁違反のエネルギー支援、北朝鮮石炭の国外密輸出などにつき、裏からの支援も得て、自国の延命を確保してしまった。

  その上、北に擦り寄る韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に対しては、まるで顎で使うような上から目線での対応をするようになっている。

  更に悪いことに、トランプ自身は、北朝鮮と言う国家の粘っこく交渉を長引かせ、チャンスを見付けては、すぐに裏切る狡賢い性格を見抜いておらず、北朝鮮などはいつでも処理できると軽視しているので、ちっとも非核化への道筋すら見えてこなくなった。また、トランプ政権には、対北朝鮮政策を急ぐ必要性を理解している幹部は少ないようだ。やはり米国にとっては、北朝鮮、或いは拉致問題などは、所詮他人事なのだ。  

  そもそも、昔西独が、自国民を人質にしてアフリカに連行された時に、軍の特殊部隊を派遣して直ちに身柄を奪還し、テロリストたちはその場で殺害したように、主権国家としては、自国民救出のためなら、軍隊の派遣もためらうべきではないのに、現在の「平和憲法」を護持する日本国は、北朝鮮に対する軍事作戦の選択肢を、一切考慮すらしていないのだから、金正恩がバカにして、大金をせしめるまでは、交渉にすら応じないという、横柄な態度なのだ。最近ようやく、地方市長の誰かが、軍事作戦を実施して拉致被害者を救出するしかない、と正論を述べていたが、そういう声が少なすぎるのが残念だ。小生が数年前に、「拉致被害者の救出を本気で考えるなら、金正日一家を無人兵器で殺害する」と言う作戦を実行するしかない、と論じた時、知人らから「国際問題になる」と反対されて呆れたものだ。他国の主権を犯して、他国市民を違法拉致した相手に対し、自国民を奪還する作戦に、どこの誰が異論を言い立てる権利があるというのか。

  ともかく、米国にとっては、自国民の救出は、北朝鮮を脅すだけで済んでしまうから、切実な問題ではない。北朝鮮はあくまで、小さすぎて、本気で相手する価値もない国家なのだ。

  中国、ロシアにとっては、相変わらず「ならず者国家」としての北朝鮮を生かしておくことは、自分たちの「ならず者度」を隠蔽する上でも、都合の良い国家なのだ。それに、北朝鮮国民の「出稼ぎ労働力」を安く使うことは、金銭的にも得になる。

2.中東情勢
(1)トルコ情勢
  中東では、最近は一時的に、サウジアラビアのジャーナリストを、在イスタンブール・サウジ総領事館内で殺害した事件が脚光を浴びたし、トルコとしては、この事件を幸いとして、録音情報を米国にも提供したりして、久しぶりに「中東の大国気分」を味わえて、エルドアン大統領としては、米国による経済制裁で、通貨リアルが暴落し、経済が悪化したうっ憤を晴らすことができた。

  また、ロシアと手を組むことで、初の原発の建設が開始されたし、ロシアから天然ガスを輸入するための「トルコストリーム」パイプラインの黒海海底部分工事がほぼ完了したという。来年末には、このパイプラインを通じて、年間150億立米もの天然ガスの輸入が可能となる(注:パイプラインの容量としては、年間300億立米の輸送が可能だが、残り150億立米は中欧・南東欧向けと言われる)。

  米国の立場からは、中東の大国面をして、イラン、ロシアとも手を組む現在のイスラム色を強めたエルドアン政権は、NATO加盟国としてはあるまじき振る舞いであり、頭痛の種だが、経済面から圧力をかけるぐらいしか方策がない。

(2)イスラエル情勢
  イスラエルとしては、ISの勢力がほぼ消滅したし、サウジ、ヨルダンなどの王制諸国が、イラン+シリア(アサド政権)のシーア派枢軸との対決姿勢を強めて、アラブ+イスラム陣営が2分されていることは、自国の存続、安定にとっては悪い構図ではない。その上、米国のトランプ政権とは、相変わらず強い絆で結ばれている・・・トランプ政権自体が、イスラエル支持派のキリスト教福音主義派に支えられているからだ。

  また、最近イスラエルは、IT技術先進国として、益々産業革命に成功しつつあり、地中海の海水を淡水化して、点滴栽培により農業大国化しつつあるし、同じく豊富に供給できるようになった淡水を活用して、本来は日本産である鑑賞用鯉を大量養殖して西欧に輸出(水産業でも成功)するまでに至っているという。

  もちろん、最先端のデジタル技術を求めて、日本からも、中国、韓国からも、イスラエル詣でが絶えないという。イスラエルのデジタル技術は、非軍事、軍事のどちらでも世界最先端だというから、提携を急ぐしかないのだ。

  ところで、小生は上記のようなイスラエルのIT先進国化については知っていたが(TV番組で)、昨晩見た「ふしぎ発見」番組によれば、実はオランダと言う西欧の先進国でも、イスラエル同様のIT技術を駆使した「先進農業革命」が進行していて、大企業化した農業法人が、安価で栄養豊富な野菜類を食卓に提供し、今やオランダは、「健康先進国」にまでなっているという。
  小生は、長年、社会主義国だったブルガリアで、まずい、新鮮でもない野菜、乏しい冬の野菜事情などでに苦しめられたせいで、日本に住む限りは世界一美味で、新鮮で、安価な野菜、果物を楽しめると個人的に考えていたのだが、農民の老齢化、農業の衰退と言う大問題を抱える日本に比べ、オランダはずっと先進国であることに気づかされ、びっくりしている。先輩はイスラエルばかりではないようなのだ。
  
3.米国情勢
  米国についても触れておくべきだ。
  上記のように、10月4日に、「ペンス演説」と言う形で、米国は「中国のこれ以上の覇権追及は許さない」という、強い警告を発したが、気紛れで、一貫性の無いトランプ大統領の頭脳そのものには、誰もが信頼感を持てない、と言う弱点が存在する。中国の、再度共産党独裁を強化しようという、怪しげな傾向には、本気で、根強く対抗してほしいし、最後には現政権を潰して、中国国民14億人を独裁者から解放していただきたい気持ちではあるし、それこそが日本国にとっても最上の結末だと期待する。

  とはいえ、そもそも小生が、暴言型リーダー(http://79909040.at.webry.info/201702/article_1.html)と言う形で、今年2月に論じたように、非理性的で、非知性的で、暴言型のトランプ大統領は、一般大衆の心の底にある不満とか、うっ憤などをうまく表に引き出して、全て自分が解決して見せるという、そういうポーズをとることが上手な、これまでにヒトラーとか、ベラルーシのルカシェンコとか、そういった大衆扇動型の政治家たちが実証した手法を、うまく真似ている政治家に過ぎない、と言う側面がある。

  もちろん、トランプ、フィリピンのドゥテルテ、などの大統領が出現するように、民主主義国家で、このようなタイプの政治家が出現することに不思議はないのだが、とはいえ、こういうタイプの政治家が、広くSNSを活用して、職業ジャーナリストなどが牛耳ってきた言論の世界を、いわば迂回しつつ、本当に米国のような超大国のリーダーになるとは、誰もが予想していなかったのではなかろうか。
  何とか、米国の知性が復活して、本気で、根気よく中国の横暴、台頭を牽制し、極東アジア情勢に、望ましい変革をもたらして欲しいものだ。

  また、日本国自身も、もっと台湾、ベトナム、インド、タイ、インドネシア、などを応援しつつ、対中国包囲網を形成することに尽力してほしい。その意味でも、中国を除くアジア諸国の労働力を国内で活用し、親日関係を強化していくことも、ある意味で有効な手法の一つであろう。中国人、韓国人の労働力は、言語面、優秀性などから、容易に受け容れ易いとはいえ、スパイ(政治・軍事スパイ、産業スパイの双方)の危険性とか、犯罪への懸念などを考えれば、用心して、人数面で規制していくべき対象であろう。

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