偉人百選:時系列での順位一覧

  今年7月以来、ブルの偉人『百選』の記事を、翻訳し、更に小生なりにいっぱい注を付けて解説し、自分の評価も下しつつ、書いてきました。半分ほど進んだ頃から、やはりこの著者たちの順位づけは、ブル人の考える各偉人に対する格付けとしては、正しいのであろうけど、時系列で読んだ方が歴史書としては分りやすいだろうと、そこの欠点が気になり始めました。
  そこで、今回、『百選』の順位を生年の順番で組み直してみました。この順番で読むほうが、歴史の時代区分ごとに、時の流れとともに、理解しやすいというメリットがあると思います。なお、兄弟とか、同じ時期の殉教者とか、同じ時期の解放闘士ということで、一つの順位内に括られている人物も、それぞれ個人として新規に順位を付けたので、全体として100を超える、106名という順番となりました。
  もしこれから読まれる方がおられましたら、或は、この偉人伝をコピー、ペーストして印刷されるなら、恐らくはこの時系列順位で並べ、読まれる方が良いのではないか、と思います。

  項目の順番は次の通りです:生年による順番(『百選』著者による順番)、姓名、生年と没年、地位・活躍分野、功績。
1(1) ハン・アスパルーフ、?644頃—?701年頃、国王:ブル国家を建国
2(22)クルム・ハーン、??-----814年、 国王:中世のブル国家機構を完成
3(3) 聖メトディウス、 815--885年、聖職者:スラヴ文字とスラヴ語の文語を創設
4(3) 聖キリル、826/7--869年、聖職者: 同上
5(2) ボリス1世王、?――907年、 国王:キリスト教を受容(864年)
6(10)聖クリメント・オフリツキー、838年頃--916年、聖職者:ブル人僧侶を育成
7(6) シメオン(1世)大王、864――927年、国王:教会自立を実現し、ブル文化を発展させた
8(13)聖イヴァン・リールスキ、876年頃--946年、聖職者:ブル国民の庇護聖人となった
9(17)ボゴミール神父、10世紀、聖職者:ブルにおける異端派信仰の創設者
10(14)サムイル王、?950頃?--1014年、国王:ブル第1王国最後の対ビザンツ抵抗王

11(12)ペータル2世王、?--1197年、国王:ブルガリア第2次王国の創建者
12(12)イヴァン・アセン1世王、?—1196年、国王: 同上
13(15)カロヤン王、1168年頃-1207年、国王:十字軍を壊滅しオーソドックス圏を救済
14(52)イヴァン・アセン2世王、1168年頃-1207年、国王:タルノヴォ市に「ブル総主教座」を確保した君主
15(85)ヨアン・ククゼル、1280頃--1360年頃、宗教音楽家:東方正教会の宗教音楽に大改革をもたらした
16(18)イヴァン・アレクサンダル王、?--1371年、国王:第2次ブル王国期の文化王、国家衰退の元凶
17(21)エフティミー総主教、1327年頃--1402年頃、聖職者:最後のタルノヴォ総主教
18(55)聖ニコライ・ソフィースキ、?--1515年、 聖人:正教徒として殉教
19(55)聖ゲオルギー・ノヴィ・ソフィースキ、?1497--1555年、聖人: 同上
20(93)ペータル・ボグダン、1601--74年、聖職者・カトリック教会ソフィア市大司教:オスマンからのブル民族の解放運動を陰謀・・・外国からの支援でブル人国家の再建を夢見た

21(5)パイシー・ヒレンダールスキ、1722--1773年、僧侶: 民族復興運動の先覚者
22(47)ソフロニー・ヴラチャンスキ、1739--1813年、僧侶:近代ブル語による作家活動の嚆矢
23(39)ネオフィット・ボズヴェリ、1785--1848年、僧侶:ギリシャ人の宗教支配に激怒した、教会自立運動の最初の指導者
24(70)ヴァシール・アプリーロフ、1789—1847年、商人:ギリシャ文化からの自立を図るため、Gabrovo学校を創設
25(32)ネオフィット・リールスキ、1793頃--1881年、僧侶: 復興期のブル語学校教育界を主導
26(71)ペータル・ベロン、1795頃—1871年、学者:ブル語最初の初等教本『魚の教本』を青年期に著作
27(84)コーリョ・フィーチェト、1800--81年、建築技師:復興期末期にブル各地に美しい教会、石橋、鐘楼などを建設
28(63)ザハリー・ゾグラフ、1810--53年、宗教画家:復興期のイコン画、フレスコ画の巨匠
29(16)ディミータル・ミラディーノフ、1810--62年、民俗学者:ブル民謡歌詞を収集
30(48)イラリオン・マカリオポールスキ、1812--75年、聖職者:ブル教会自立運動、代理座設立運動

31(95)トンカ婆さん、1812--93年、民間人:ブル解放運動のロジ支援
32(46)アンティム総主教代理、1816--88年、 聖職者:代理座創設認可後の初代総主教代理
33(65)ガヴリール・クラーステヴィッチ、1817--98年、君主:東ルーメリア自治州2代目総督
34(74)イヴァン・ボゴーロフ、1818年頃--1892年、言語学者:近代ブル文語の創設
35(43)エヴロギー・ゲオルギーエフ、1819--92年、商人:ブル国最初の巨大商人、ブル産品をルーマニア経由西欧に輸出
36(41)ゲオルギ・ラコーフスキ、1821--67年、革命理論家:自力のブル民族解放運動を構想、扇動した
37(43)フリスト・ゲオルギーエフ、1822--72年、商人:兄のエヴロギーと共に、巨大商社を経営、同時にブル語教育事業などに資金支援
38(38)ナイデン・ゲーロフ、1823--1900年、言語学者:19世紀の生きたブル語会話の膨大な実例を収集し辞書にまとめた
39(30)ペトコ・スラヴェイコフ、1827--95年、作家、記者:ブル人を啓蒙し、解放運動の重要性を宣伝
40(35)ドラガン・ツァンコフ、1828--1911年、政治家:ユニエイト主義で西欧からの支援に期待、親露派

41(42)フリスト・ダーノフ、1828--1911年、出版業者:近代的教科書、教育図書の普及に努めた
42(16)コンスタンティン・ミラディーノフ、1830--62年、民俗学者:兄が収集したブル各地、マケ各地の民謡歌詞を出版
43(28)リューベン・カラヴェーロフ、1834--79年、革命理論家:革命闘争の理論を立て、人々に奮起を扇動
44(4)ヴァシール・レーフスキ、1837--73年、革命闘士:革命委員会を各地に設立し、蜂起準備に当たらせた
45(31)マーリン・ドゥリーノフ、1838--1906年、歴史学者:主としてウクライナのハリコフ大学で、ブル史、スラヴ史を講義
46(98)メトディー・クーセフ、1838--1922年、聖職者:マケドニア、トラキア地方のブル人解放運動に尽力
47(76)ハジー・ディミータル、1840--68年、革命闘士:露土解放戦争に先立つこと約10年、1868年の段階で、ルーマニアの地でチェタを結成→*
48(76)ステファン・カラジャー、1840--68年、革命闘士:→*ドナウ川を越えてブル本土に進撃、討ち死にした
49(27)ヨーシフ総主教代理、1840--1915年、 聖職者:Stambolov首相と組んで、漸進的なマケドニア解放を模索した、僧衣を着た外交官
50(87)ヴァシール・ドゥルーメフ、1841--1901年、作家:ブル復興期末期の短編小説家、脚本作家としての先駆者

51(40)ゲオルギ・ベンコフスキ、1841--76年、革命組織家:四月蜂起の実戦部隊長
52(33)ペトコ・カラヴェーロフ、1843--1903年、政治家:近代ブル国家の基礎を建設、設計者
53(90)ディミータル・モローフ、1845--1914年 、外科医師:近代ブル国における保健行政の基盤を築いた
54(11)フリスト・ボーテフ、1848--76年、詩人:ブル解放闘争闘士
55(45)イヴァン・ゲーショフ、1849--1924年、 政治家:英国で経済学を学び、新生ブル国で資本主義の基礎を築いた
56(20)ザハリー・ストヤーノフ、1850--89年、 伝記作家:対トルコ解放闘争の英雄たちを物語として描き、国論を統一した作家
57(7)イヴァン・ヴァーゾフ、1850--1921年、作家:解放直前のブル社会などを短編小説などに活写し、記憶を永久化した
58(44)ダナイル・ニコラーエフ、1852--1942年、軍人:新生ブル国における国軍の歴史を体現した将軍
59(73)コンスタンチン・ストイーロフ、1853--1901年、政治家:Stambolovに対抗した、西欧(ドイツ)教育を受けた本格的政治家
60(94)ストヤン・ザイーモフ、1853--1932年、 伝記作家:ザハリー・ストヤーノフと同じく、対オスマン蜂起に参加、当時の記録を残した


61(19)ステファン・スタンボローフ、1854--95年、政治家:「ブルの大久保利通」と呼ぶべき、新生ブルで一番偉大な政治家
62(50)ヴァシール・ラドスラーヴォフ、1854--1929年、政治家:第一次大戦時首相を務めたが、第2次国家破滅をもたらしてしまった
63(34)ディミータル・ブラゴーエフ、1856--1924年、政治家:ブルに社会主義運動を輸入した男
64(29)アレクサンダル・バッテンベルク、1857--1893年、君主:悲運の君主、ブル国民は敬愛した
65(51)ディミータル・ペトコフ、1858--1907年、政治家:ブルにおける土建屋政治家の元祖
66(91)アレクサンダル・テオドーロフ・バラン、1859--1959年、言語学者:近代・現代ブル文語を最終的に体系化し、構築した人物
67(62)イヴァン・フィーチェフ、1860--1931年、軍人 :バルカン戦争において、同盟国の裏切りに遭い国家破滅に陥った国軍参謀総長
68(9)フェルディナント1世王、1861--1948年、国王:マケドニア、トラキア地方への国土拡大の国民の夢を壊滅させた不運の王
69(97)ギューロ・ミハイロフ、1862--1888年、兵士:直属上司の命令に頑固に拘り、生命を落とした軍規正しい兵士
70(58)イヴァン・シシュマーノフ、1862--1928年、西欧文学史学者:西欧文学史、比較文化史の巨匠、教育行政でも活躍


71(8)アレコ・コンスタンティーノフ、1863--97年、短編小説家:風刺短編小説の主人公Bay Ganyoを描くことで、ブル人に近代化への奮起を促した
72(83)ナウム・テュフェクチーエフ、1864--1916年、武器商人:テロ・暗殺請負人兼武器商人
73(37)ペータル・ドゥーノフ、1864--1944年、宗教家:米国に留学後、新興宗教を興した教祖
74(68)ペンチョ・スラヴェイコフ、1866--1912年、詩人:身体障碍者となったが、努力して文学者として成功
75(75)ヴァシール・ズラタールスキ、1866--1935年、歴史学者:中世のブル、バルカンの歴史を科学的手法で研究、追求
76(66)アレクサンダル・マリーノフ、1867--1938年、政治家:1908年9月のブル国の「完全独立」宣言を断行した民主派
77(86)アンドレイ・リャプチェフ、1868--1933年、政治家:マケドニア生まれで、親英政策を採用した大政治家
78(77)ツァンコ・ツェルコーフスキ、1869--1926年、政治家:ロシアのナロードニキ運動に共鳴、ブルでBZNS運動を創始
79(56)フリスト・タタールチェフ、1869--1952年、解放闘士:マケ解放運動で、外部派と内部派間の調整に努めたが失敗
80(24)ゴーツェ・デルチェフ、1872--1903年、解放闘士:マケ解放運動で、チェトニック制度を創設し、組織を強化した

81(61)ボリス・サラーフォフ、1872--1907年、解放闘士:最高委員会系闘士、テロ活動を排除しなかった
82(82)ヤーネ・サンダンスキ、1872--1915年、解放闘士:マケ解放運動の左派活動家で、悲劇的な兄弟殺しを開始
83(57)アタナス・ブーロフ、1875--1954年、政治家:親仏、親英の立場で一貫したブルジョア民主主義者
84(81)ミハイル・ゲルジーコフ、1877--1947年、政治理論家:アナーキスト理論家、また、オドリン地方解放運動の闘士
85(72)エリン・ペリン、1877--1949年、農村作家:ショープ農村の生活と、近代化の軋轢を短編小説に
86(60)ペーヨ・ヤーヴォロフ、1878--1914年、詩人:ブル語抒情詩を完成させた詩人
87(64)ステファン総主教代理、1878--1957年、聖職者:共産党政権により任命されかつ解任された最後の総主教代理
88(26)アレクサンダル・スタンボリースキ、1879--1923年、政治家:農民党独裁政権を樹立した、左派的農民運動の指導者
89(80)アレクサンダル・ツァンコフ、1879--1959年、政治家:6月9日の軍事クーデターで農民党政権を打倒後、政権を担当した右派政治家
90(78)ヨルダン・ヨフコフ、1880-1937年、短編小説作家:ドブルジャの農村生活を美化し、ブル人の心を慰めた作家

91(54)トードル・アレクサンドロフ、1881--1924年、VMRO闘士:一貫してマケドニアの解放、ブルへの統合をめざし奔走した
92(99)ラーザル・ドブリッチ、1881--1970年、サーカス団長:高所ブランコという新技術を開発し、世界の度肝を抜いた
93(88)ヴラディミール・ディミートロフ、1882--1960年、画家:ブル・ナショナリズムの立場から明るい色調の近代絵画を多数残した画家
94(36)キモン・ゲオルギーエフ、1882--1965年、政治家:「クーデター屋」と呼ばれた男
95(25)ゲオルギ・ディミートロフ、1882--1949年、政治家:戦後ソ連から帰国し、ソ連式共産主義政権を樹立
96(67)ペータル・ディームコフ、1886--1981年、自然療法師:民間医術、生薬療法などと近代理学療法などを合体させ、多くの国民を救った
97(89)ダン・コーロフ、1892--1940年、プロレスラー:主として米国で活躍した重量級プロレスラー
98(53)ニコラ・ペトコフ、1893--1947年、政治家:農民党系民主主義者として、共産党体制確立前に最後の抵抗をした政治家
99(23)ボリス3世王、1894--1943年、国王:忍耐と待機の名人、最後は枢軸国側に参戦し第3次国家破滅を招いた
100(49)イヴァン(ヴァンチェ)・ミハイロフ、1896--1990年、VMRO闘士:既にマケドニアのブルへの統合は不可能な時代に、なおこの夢を追った闘士

101( 96)ディーコ・イリーエフ、1898--1984年、ホロ作曲家:ブル北部風のホロ曲、或は軍隊用の行進曲を多数作曲
102(69)キリル総主教、1901--1971年、聖職者:青年時左翼だった僧侶で、共産党政権が初代総主教に選んだ男
103(79)ゲ・メ・ディミートロフ、1903--72年、政治家、農民党闘士:政治家として王制にも共産党体制にも反対したが、最後は亡命
104(92)トードル・ジフコフ、1911--98年、政治家:ソ連に忠実であることで、権力を長期間維持した政治家
105(100)ヴァンガおばさん、1911--96年、占い師・超能力者:盲目の女性が、占い師として市民の悩み解消に貢献
106(59) ボリス・フリストフ、1914--1993年、オペラ歌手:世界一のバス歌手として称賛された
                                        (了)

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