ブルガリア研究室

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zoom RSS イギリス旅行で考えたこと

<<   作成日時 : 2007/11/10 06:52   >>

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  さて前回サーレップという、面白い飲み物に関して紹介したのですが、最近10月29日--11月7日まで、約10日間英国旅行をしたので、その体験を少し書いてみたい。ブルガリアのように、社会主義という余計な実験をすることなく、資本主義の本家本元として健やかに発展している?、或いは早く資本主義が発達したせいで後発資本主義国である日本やドイツ、最近では韓国、中国などにも押され気味の?、英国という国の現状に関して、少し自分なりに考えてみたい、と思ったのである。しかし、実際にはまたまた食べ物の話が多くなってしまったので、気楽に読んでほしい。

1.ロンドンでの印象 
 まず最初に断っておきたいのは、小生は約40年ほど前から時折英国に旅行したことはあるが、 実際に長期滞在したことがないので、もしかするとその観察においては表面的になるかもしれないので、英国在住者などからは反論、異論があればご指摘いただきたい。

 今回の英国旅行は、自分の娘の一人が、英国で既に10年以上暮らしており、その暮らしぶりを4年ぶりに確認しに行った、というのが実態であるが、ついでにこれまで一度も訪問したことのない、スコットランド地方を見てみたいと思い、娘と小生夫妻の3人で、グラスゴー、エディンバラの二つの都市も見てきた。他には、ロンドンで買い物などして、ロンドンという大都会での暮らしを観察してきた。

 小生の関心事は主として、老大国英国が、どのようにIT革命とか、中国などのアジア経済の台頭に対応しているか、ということである。

(1)喫煙家には、暮らしにくくなっている
  ロンドン市内を歩いてみて、まず感心したことは、やはり伝統国家として、全てに性急な改革はしないというか、それなりに良いところも残っていると言うこと。その例として小生が痛感したことは、(笑わないでほしいが)愛煙家としてロンドンの町を見てみると、今の東京に比べれば、それなりに喫煙ができる場所が確保されていると言うこと。
  基本的にロンドンでは、路上喫煙が可能で、町のあちこちにおいてあるゴミ箱の数も多く、これらの路上のゴミ箱の上部には、タバコの火を消せる仕掛けが付いている。要するに、昔ながらのゴミ箱がそのまま、未だにロンドンの中心街の路上におかれていて、歩行しながら喫煙する人も未だにかなり多い、ということ、またゴミ箱が多いので、ゴミ類も捨てやすく、東京のようにゴミを捨てるのに苦労することはない。

  ゴミ箱が多いのは、テロの危険を口実にゴミ箱を過剰に減らしている日本と違い、多民族国家の英国では人々の公徳心に頼れず、ゴミ箱を減らすと町が汚くなりすぎるかららしい。

  大英博物館、美術館などでも、館外に出れば、喫煙して良い空間があちこちにあり、息抜きに一服できる。もっとも、気の毒なことに、酒場(パブ)では店内が全て禁煙となったので、寒い中、喫煙家はパブが路上に設けた席などで、ビールを飲みながら喫煙していた。地下鉄でも、鉄道でも、鉄道施設内は基本的に禁煙で、駅の外に出ないと喫煙できない。鉄道に関しては、未だに構内にも喫煙箇所がある場合もある日本の方が、少しは恵まれているのかも。また、日本は、喫煙可能な飲食店も、未だにかなり多いことがありがたいことだ。

(2)Harrod百貨店
  老舗の百貨店Harrodに関して言うと、この店は相当前からエジプト出身の資本家(名前は忘れたが、このオーナーのどら息子が、例のダイアナ妃と不倫恋愛して、自動車事故でパリで死亡した男)の所有だが、相変わらず伝統を守りつつ、高級品、高級食品に特化した店作りで、繁盛している。

  今回初めて気がついたのは、同店では、入り口の警備員がかなり厳格に対応していること:大きな荷物を背負っていたりすると規制するし(店内で陳列品にぶつかり傷つけたりするからであろう)、また、10名以上の団体で入店しようとしていた中東系の人々に対しては、大勢での団体入店は困るとして、入店を断固拒否していた。
  もちろん、あまりに貧しそうな服装の場合も、入店を許しそうにない雰囲気で、客を選ぶという姿勢がしっかりしていた。他の百貨店、スーパーなどでも、ロンドンでは入り口で警備員が、一部の来客を規制する姿勢が明らかで、客を選ぶ、犯罪を防止する、という姿勢が強いようだ。日本のように、お客様は神様です、ということで、客に対する規制をしないのも、普通の客にとっても不愉快なものであり、客を選ぶという方針が、たとえスーパーであっても存在して良いように思えた。

  Harrodで小生が注目したのは、中東出身の永住者も多い英国の高級百貨店として(同店はオーナーが現在エジプト系だが)、我々ブルガリアなどバルカン系の人間(小生は日本人ながら)にも関心がある、ギリシャ風、トルコ風、中東風の食品がどの程度そろっているかと言うこと。案の定、Halva(練りゴマを主体としたお菓子)、Baklava(パイ生地を使い、中身にクルミの粉を入れ、油と水砂糖を多用したあまーいお菓子)、Lokum(求肥に似たデンプン系の食品、英語名:Turkish Delight)などのお菓子が多種類そろっていて、アラブ系の金持ち婦人らが、驚くほど大量にあまーいお菓子類を買いあさっていた。
  小生にとって意外だったのは、ブルガリア語辞書の説明からHalva=ヌガーと思っていたのに、ヌガーはヌガーで別途売られていたこと。ヌガーを念のため購入して、味を確かめてみると、子供の頃日本でも食べたことのある、柔らかい飴の一種であるヌガーの味そのもので、より堅めで、しかも練りゴマの味が強烈なHalvaとは、明らかに違っていた。要するに、Halvaはハルヴァーであり、ヌガーではない。

(3)東欧系移民の増大 
  町を歩いているだけでは、東欧系移民に関する印象は小さい・・・なぜなら同じ白人であるために、外見からは、自分らには、東欧系移民と英国系との区別が付きにくいからだ。娘の話によると、東欧系移民で人数が多いのがポーランド系で、またやたらに富裕な人が多いのがロシア系である。ポーランド系については、TESCOのスーパーに、ポーランド系の食品コーナーがあったので、人数が多いことが分かる。ロシア人の豊かさは、その百貨店での派手な買い物ぶりや、不動産価格高騰への寄与から分かるという。

  社会主義から解放され、自由に移民できるようになった東欧系の人々で、英語ができる人々にとっては、英語国の英国は移住先としてふさわしいし、ロシア、ポーランドからは地理的にも近くて、たとえ常住しなくとも、不動産を買っておいて、年に何回ものビジネスでのロンドン滞在に利用することにも、意味はある。
  東欧の頭脳、特にビジネス関係者、IT関係者、資本家などが、ロンドンに来て、英国経済の発展に寄与しているようだ。

(4)ガソリン価格の高騰 
  日本と違い、少しながらとはいえ、北海における海底油田の恩恵を受ける英国のガソリン価格が、レギュラー1リッター当たり1ポンド(即ち240円)と聞いて小生はぶったまげた。日本より、リッター100円も高いではないか!!
  英国政府は、ガソリン価格に高い物品税を課して、税収増に結びつけているようだ。
  そういえば、タバコの価格も、1箱で、5.7ポンドもする。タバコ1箱1400円では、いくら小生でも吸う気がなくなるだろう。タバコに対する高率の税金は、EU諸国共通らしいが、バカ高すぎる。外国旅行したときに免税店で買い込む以外は買えないと娘は言う。因みに、ヒースローの空港の免税店で、1箱は2ポンド(約500円)で、日本国内より高いのだから、ヒースローで買うのはばかげている。小生は、機内の免税品として買い込んで(機内では、1カートン200円)、帰国した。

(5)畜産品価格は安い 
  欧州は、畜産が盛んなので、乳製品、肉製品が日本に比べると半値以下の場合が多い。英国でも、下記にも書いたが、乳製品は美味で、価格もリーズナブルで、楽しめる。肉類も、品質がよい上に、価格も安い。
  英国の低所得者層は、安い肉類とか、乳製品を多く消費して、割高の野菜とか、果物(特に日本人、アジア人が好む野菜、果物の多くは輸入品で、価格は高めである)はあまり食べないので、高所得層より肥満が多いともいわれる。安いファーストフーズには、揚げ物が多いことも、低所得層が太る原因らしい。

2.バーニツァを自作、傑作ができた 
  因みに、中東系の住民が多いせいで、ロンドン市内では、住宅街の小さい食品専門店でも、Halva、Baklavaの双方とも売られていた。もっとも、一生懸命探したが、小生が一番発見したかった、バーニツァ(ボレッキ)は、ついにどこにも見つからなかった。
  ただし、TESCOなどのスーパーでは、ギリシャ系企業がバーニツァ、またはバクラヴァーを家庭でも作れるようにということであろうが、生のパイ生地を売っており、小生達は、同じくギリシャ系企業製造のFetaチーズ(白チーズ)と一緒に買ってきて、ロンドンでもバーニツァを作ってしまいました。

  バターには、小生一家にも懐かしい、アイルランドのKerrygold社製の有塩バターを使い、電子レンジで溶かして、溶かしバターを作って、これをパイ生地にしっかり塗り込んで、本物のバーニツァが比較的安価に作れました。
  パイ生地は、A4版の用紙ほどの形で、1箱に16枚入っていて、1回のバーニツァ作りにちょうど必要な量でした。

  中身としてのフェタチーズは、レモネードの炭酸水で柔らかくほぐし、更に娘が庭で作っているchive(アサツキ)を細切れにして加えたところ、チーズだけよりはずっとましな味となった。チーズ、チャイヴ(ほうれん草だともっと良いと思う)、の他に卵も入れて、それに炭酸水を加えて練り、液体に近い形にする(チーズは少しごつごつしたままで、完全にはねれなくてよい)と良いのですが、娘には卵アレルギーがあるので、卵は使わなかった。

  チーズ+チャイヴの中身を、溶きバターを塗ったパイ生地2枚に1回ずつ、うすーく広げて、その中身入りの2枚のパイ生地を1度にぐるぐると巻いて、棒を作り、耐熱ガラス皿に真ん中から、とぐろを巻くように、少しずつ曲げて、2回目の中身入りパイ生地、3回目、4回目と、円形に並べていき、最後にもう一度、「円形状のパイ生地とぐろ」の上から溶きバターを塗り立てます。
  その後、オブンを190度設定で、約1時間ほどで焼き上がりました。
  本物のシーレネ(白チーズ)と、本物のうすーいパイ生地のおかげで、理想的なバーニツァができあがりました!チャイブがいい薬味となり、普段よりおいしいほどだった。因みに、できたての熱々も美味だが、数時間おいて、冷めて、少し湿気を吸ってしっとりした時にも、バーニツァはまた別の魅力的な味わいとなる。今回も、冷めたバーニツァもしっかり味わってきました。
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3.オリエンタル・シティー 
  昔に比べて、今回の英国訪問では、インド、パキスタン系の他に、アジアからは、中国人がやたらに増えているな、という感じがしました。中国人観光客が目に付くほかに、英国に永住して働いている中国人も、めっきり増えている感じがします。昔は、町の中で出会う東洋系としては、インド、パキスタン系以外には、日本人と少数の韓国人という感じだったのに、今回はやたら中国人が多く感じました。ドイツなど他の欧州でも、最近は金持ち中国人の観光客が多い。スコットランドでも、中国人観光客数が、日本人を上回っている感じでした。

  ロンドンの町の中には、日本食器店も所在するかなり大きなオリエンタル・シティーという、屋台村みたいなものができていました。実際には一つの建物内に、いくつもの屋台風の食堂が並び、アジア系食材スーパーも同居しているものですが、中華、タイ、インドネシア、ベトナム料理などの屋台風の店が並び、特に中華は、北京ダック専門、飲茶専門、ラーメン専門、などと分かれているほどで、20店舗ほどが一堂に会していて、値段も比較的安いのに、味はしっかりした、立派な食事が簡単に取れます。

  寿司店もあったが、どうも日本人がやっている感じではなかったし、中華の方がおいしそうなので、中華の飲茶系と、北京ダック系(北京ダック風の豚肉料理)を食べました。今回の英国旅行中には、パブ食が多かったのですが、またパブの昼食、或いは夕食も、昔に比べると本当においしくなっているし、工夫を凝らしたすばらしい料理が増えているのですが、やはり東洋人の情けなさというか、オリエンタル・シティーで食べた中華は最高においしかった(それに値段も比較的安く付くし、大満足)。

 このシティーの中のスーパーには、日本食材の他、韓国料理、中華用、或いはタイ料理用、フィリピン料理用、などの食材も並べられており、現在のロンドンが、多くのアジア系の人々を抱えていることが分かります。他方、どうやらこのシティーが、最初は日本食中心に考えられていたのが、今では中国中心になっているらしいことは、世界における日本の存在が、徐々に中国に切り崩され、負けつつあるような感じで、日本人としては少し困ったな、という気持ちです。

 そういえば、大英博物館の入り口の近くの横道には、ビビンバ料理を看板に掲げた韓国人の店があり、小生達はそこで昼食してから博物館に入ったのですが、このビビンバ料理は野菜が豊富で(ほうれん草、ニンジン、もやし、大根)、辛いチリ・ソースは、お好みでかけるようにと、最初は一切かかっていなかったので、小生達はソースをほとんど使わず、野菜かけご飯(目玉焼き卵付き)として、おいしく食べさせていただきました。量も、日本人に適切な程度の昼食といえ、グリーン・ティーもあるし、外国に行ったら韓国食も日本人にはありがたい援軍といえる。

4.結論 
  さて、本来は、英国の資本主義の現状を考えてみるという企画のつもりだったが、大した観察にはなっていない。旅行者としての、食事の感想ばかりが目立つので、恐縮であるが、やはり英国に関しては素人なので、ご勘弁願いたい。

  今回の総論としては、現在英国ポンドが強いので、日本円では1ポンド240円強という交換レートであり、このレートで考えると、英国の物価は相当高い。実際にモノを買う際とか、食事するときには、1ポンド200円くらいに考えないと、どうしても計算が合わない気がする。特に、地下鉄などの交通費は、割高なので、気をつけるべき。小生達は、娘が詳しいので、通勤時間帯をすぎた午前9時半以降(通勤時間帯は、切符の値段が相当割高だという)に、駅で1日券を買う、というやり方で、切符を買った(1日券で、5.7ポンド)。切符を買うにも、クレジットカードで、機械でも買えるようだ。 1日券が一番安くつくらしいが、それでも1日中あちこちに地下鉄を使いまくるわけでもないのに、5.7ポンドというと、1400円ほどにもなる。

  1ヶ月の定期券も安くはなさそうだ。しかも、英国では従業員には交通費手当がでない。交通費が高い、というのが、ロンドン勤務の難点らしいが、賃金は地方に行くと低いし、そもそも地方では仕事がないので、ロンドンに集まらざるを得ないのだ。テロ騒ぎで地下鉄駅が一部閉鎖され、娘も勤務先までの通勤に、かなりの距離を歩かざるを得ない時期が半年も続いたり、英国での生活も楽ではないようだ。

  しかし、食べ物の面から言えば、どこのスーパーでも、20世紀梨(中国製らしい)とか、サボテンの実を含む各種の南洋果実とか、野菜類も、輸入品も、東京よりはいくらか安い値段で売られているし、チーズ類も安くておいしい。乳製品、パン類などは、東京よりは品質、味ともより高級である。
  特に不思議だったのは、ギリシャ系企業が製造しているギリシャ風のプレーンヨーグルトが、極めて美味であったこと。日本のヨーグルトは、ブルガリア本国製よりおいしいと威張ってきた小生にとって、羊乳+山羊乳で製造した脂肪たっぷりでこってりしたヨーグルトのみではなく、牛乳だけのヨーグルトでさえも日本のものよりずっと美味であったことは驚きだ。日本の大手乳業企業の技術力については、小生はこれまで過剰評価していたようだ。フェタ・チーズも同じギリシャ系企業製で、羊乳+山羊乳の高級品ではなく、牛乳のみのフェタも、ブルガリア製に負けない(それ以上の)美味なものであった。

  そもそも、交換レートが高いと言うことは、英国経済が、サッチャー政権以来の福祉路線放棄(とはいえ、結構福祉もじゅうじつしたままらしい)、競争重視の自由放任回帰後、資本主義経済がうまく機能して、好調であるということである。

  東欧系移民の増大の他にも、町を歩いているとアジア系の住民が増え、特に中国人が増えていることが看取され、アジア系外国人移民の増大が、英国の競争力回復に大きく貢献しているのではないかと思われる。インド、パキスタン系などは、所有する車などから相当裕福そうな人々も多く、移民後時間を経た2世、3世の時代に入っているインド、パキスタン系は、もちろん英国経済に貢献しているのであろう。しかし、現在の欧州の場合、一番の発展部門は、新しい移民の新しい頭脳、新しいやり方に支えられるのであり、それが今の時代としては、東欧系移民、中国系移民、中国からの安い工業製品、或いは中国製のIT製品ではないだろうか。

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