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zoom RSS イギリス旅行で考えたこと(2)

<<   作成日時 : 2007/11/16 14:09   >>

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 さて、前回は、本当はイギリスという資本主義の本家の経済状況を書こうと思ったが、小生の力量不足というかイギリス経済への知識不足もあり、結局は食物観察に終わり残念な思いである。今回は続編と言うことで、やはり細かい、つまらないことを書いてみたい。自分の関心のみで書けるのがブログのいいところなのだから。

 因みに、ベラルーシに在住する方から連絡をいただき、未だにベラでは大企業、ビール企業なども民営化されず、相変わらずルカシェンコ大統領による「社会主義」路線が健在であることが分かったので、ご報告する。もっとも、小規模民営業による混合経済化も進展しているようで、日本風の寿司店が今ではミンスク市内に10店舗ほどあるほか、かなり多くの日本食材、中国食材も売られており、日本人、中国人などの外国人には、住みよい環境となっている由。市民の生活水準も、恐らく02年3月に小生が去ったときよりは改善されている模様。

1.白人の顔
 外国暮らしが長い小生も、今回は半年ほど日本にばかり居たせいか、今回の旅行において最初はどこに行っても、美しい英語の発音とか、歴史の本に出ている英国系の偉人の顔とかに似ている人々の、際だった白人顔とか、そういう普通の人々の顔つきばかりが目について、「大英帝国の歴史を代弁する顔が居る」などと密かに納得しつつ、感心していた。

 もちろん、多くの元植民地の移民達が居るせいもあり、英国で出会う顔には、この人はギリシャ風だとか、中東風、イタリア系かな?とか、カリブ海の黒人系かな?とか、いろいろな顔立ちが居て、そういうのを地下鉄車内とか、スコットランドの風景の背景の中で見ているだけでも、かつて世界に雄飛し、世界を支配した老大国の風格という風に感じて、それなりに面白い。

 他方で、昔英国大使館勤務の下級館員が、定年を間近に控えて小生に述べた言葉も想起された:「日本人の観光客は、日本語しかしゃべれないので、英語のできる自国人のガイド付きで、行儀良く観光地を回って、土産物などもしっかり買い込んで地元の利益となる。下手に現地に土足で上がり込んで迷惑をかけない。すばらしいことだ。自分は、自宅の周辺などにも、既にインド系とか、外国人が増えて、ロンドンに住む気もしなくなった。自分としては、英国人だけが住む、静かな環境を欲しており、そういう自分が余生を送るには、むしろ豪州の田舎などで、英国系しか住んでいない地域が望ましいので、引退後はすぐに豪州に移民する」。

 小生としては、人種差別的な感情と言うか、あまりに外国人移民が多すぎる英国を嫌い、むしろ豪州に移住する、という同人の選択に、とまどったものだ。若かった小生には、その頃日本には外国人の居住者も少なく、このように外国人の大量移民にとまどう英国人老人の心情が十分理解不能だったのだ。

 今になってみれば、日本としても、今後どの程度外国人移民を国内に受け容れていくべきか、それがどのように日々の生活に影響するのかとか、国民が真剣に考えて選択していくべきだ(移民受け容れ条件をどの程度厳しくするのか、緩和するのかという選択が必要)と考える。

 既に小生の住む東京郊外の団地には、新しい団地ほど、徐々に日本在住の外国人(日本人妻が居る場合が多いようだ)の住民が増えている。土日などには、黒人男性がジョギングしているし、中東系の顔立ちの男性が、混血の子供と散歩していたりもする。幸いというか、中国系、韓国系の場合は、外見の差がないので、スーパーで買い物していても、彼らがしゃべらない限りは、外国人と意識しないですむのだが、こういう風に外見からも外国人であることが明白な人々が増えると言うことは、原住民としての日本人にとっても徐々に気味悪いという感情が出現してくる恐れはあろう。

 ひるがえって、小生のロンドン在住の二女も、もちろん外国に永住している外国人なのであり、小生の周囲にも、外国人と結婚した子女を抱える人も増えていて、「国際結婚」が増加することは、グローバル化という世界の現状から見て、自然な流れと見るべきなのだろう。日本人ばかりが、外国に進出して、国内を外国人に開放しないというわけにも行かないだろう。しかし、野放図に移民条件を緩和すると、犯罪増加、など種々の問題を生むことにもなる。

2.スコットランドで考えたこと、地下都市見学 
 ロンドンから列車で5時間ほどのグラスゴーは、大学が巨大なおかげで、かなり多数の東洋系の学生とか、外国人の留学生を多く受け容れて、それが経済にも貢献しているような感じであった。古い建物も多く、それなりの雰囲気はあるが、町の中心部は近代化されているものの、野暮ったい風景で、どうもただの田舎町という風景。
 他方で、翌日1時間少しの列車の旅で着いたエジンバラは、グラスゴーに比べても、より古い町並みが、しかも丘の上にかなり高層の町並みが立て並んで、独特の歴史的風格のある、美しい都市である。観光地として、極めて価値が高い町並みで、丘の最上部にある城砦からの眺めもすばらしい。

 一番驚いたのは、長女が教えてくれた、中世エジンバラの地下都市観光ツアー。現在もそびえる古い高層建築の都市(旧市街)には、更に古い時代の下層部(現在は地下部分となっている)があり、その発掘された地下都市をツアーするという趣向である。

 実際には、古代ローマの遺跡などに比べて、大して見所もないただの昔のアパートの部屋を巡る旅となるのだが、当時のスコットランドの町における生活を再現した趣向が豊富で、しかも完璧なスコットランド訛りの女性案内人の、演劇上手な語りとかが楽しめる。例えば、ある部屋では、この室内のバケツ一つでトイレとしていたので、このように時折汚物を窓の外に放り投げていた、といってバケツを抱えながら、我々の前で躓きそうな演技をして、我々が汚物まみれとなる恐怖感を演出したりとか、突然大声を上げて脅かせてくれたりとか、その演技が楽しい。スコットランド訛りで演技するので、独特の雰囲気がある。

 因みに、スコットランド訛りというのは、スコットランドで元々しゃべられていたケルト系ゲール語の発音で英語を話すので、本当にわかりにくいのだ。小生一家にとっては、アイルランド訛り(アイルランドも、スコットランドと同じく、ケルト人の一種ゲール族の国)にも極めて似ているので懐かしい。アイルランドに住んでいても、とうとう小生には、ほとんどこのゲール訛りの英語は聞き取り不能のままに終わった。今でもやはり、小生には、このガイドさんの英語の半分ほどしか聞き取れなかったのだが、それにしても懐かしい。英語の方が日本語より楽な小生の娘ですら、スコティッシュ英語は、一部聞き取れないという。

 スコティッシュ英語が、それなりに趣のある英語の一種として存在するのであるから、大国国民である日本人が、完璧な英語発音などを志す必要はないと思う。日本語式発音の英語で通せばよいではないか。因みに、インド人などは、昔からインド式英語である。
 ともかく、日本からの観光の際には、城砦(Edinburugh Castle)から5分ほどHigh Streetを降りてきたところにある、「The Real Mary King's Close」 (住所:2 Warrisuton's Close、Web:www.realmarykingsclose.com)の観光(地下都市見学)をお勧めする。

3.本屋
 ロンドンでは、娘の案内でいくつもの有名書店を巡った。まるで図書館のように本棚が並び、専門ごとに分類されたコーナーに行けば、自分の関心のある分野の本が見つかる。今回購入したブルガリア関係書籍としては、Cambridge University Press発行の「A Concise History of BULGARIA(著者:R.J. Crampton)」がある(ISBN-13 978-0-521-61637-9 paperback, 14.99ポンド)。ブルガリアの歴史を簡潔に英語で紹介した書籍で、小生としては非常にわかりやすく、優れたものと思う。初版は97年、第2版として05年に改訂増補されたものである(07年第2刷発行)。

 ロンドンの本屋を巡ってみると、改めて英語圏という、全世界に何億人もの市場を持つ英語による出版の有利さ、この故に実に多種多様で、しかも質の高い出版が行われていることを痛感した。小生の専門でない分野に関しても、良質な出版物がいっぱいあるのだが、残念ながら昔から、いい本だと思って買い込んでも、結局読まなかった本が未だにいっぱいあるので、どうせ読む時間は作れないと諦めた。

 長女の娘用の、Doraとか、子供用絵本も色々購入したが、子供用の絵本類もすばらしい品揃えがある。
 本屋での購入、パブでの食事代、地下鉄での切符購入など、多くの場合クレジットカードが便利であるが、暗証番号を自分で入力させられるので、記憶していないといけない。その代わり、サインは必要がない場合が多い。

4.中華レストラン
 滞在最後の前日には、ロンドン市内のチャイナタウン(意外に狭い地域だと改めて感じた)で昼食をした。飲茶専門店で、ワゴンでいろいろなものを運んでくるので、それらを適当に選んで食べられる。

 この店で感じたことは、中国人の愛想が悪くなったと言うこと。昔は、日本人の観光客が上客だったせいか、日本人には特に愛想がよいように感じたが、今回は全くそういう感じはなく、むしろ無愛想であった。
 若い店員らには、新移民が多くて、彼らは愛国教育で日本敵視を教育されてきているからなのか、あるいは最近の中国の国力向上、経済力強化で、もはや日本人などは自分らから見て格下だと感じているのだろうか。

 もっとも、欧米など外国では、普通は日本に比べて、お客に媚びを売らないというか、サービスに際してより冷淡なのは小生も百も承知であるが、どうも小生の長い外国経験から見ても、最近は中国人が、日本人に対して高慢になってきていると感じる。かつては、同じアジア人として、また外国では肩身の狭い思いが多い中国人は、語学が下手で外国に不慣れな日本人に同情的で、優しい人が多かった。ところが最近では、自分たちの経済的成長、将来に自信を深め、日本人を軽視、軽蔑するような態度が見られる場合も出てきている。もちろん皆がそうというわけでは、もちろんないのだが。

 更に言えば、元来中国人は、本国でも、外国でも、意外に日本に比べてサービス意識は低く、商売の根幹に関しては「味が良ければ客は来るはず」とか、「安い商品を上手に仕入れているのだから、客はありがたく買うべし」とか、そういう感覚が強くて、日本の商売の仕方とは違うので、日本式の商売上の愛想の良さなどは求めてはならない(横浜の中華街でも、そう感じることは多いはず)のはもちろんである。しかし、やはり、本国の経済発展、国力の増大、などの事情から、在外にいる中国人の心情が、昔のようではなくなっている(昔は白人ではなく、アジア人に対して、より親切な中国人が多かった)という傾向もあるように思える。

 同じアジア人だし、顔も同じなので、逆に憎み合い始めればもっと関係が悪くなりうるし、何も良いことはない。我々日本人としては、今後も対中国人関係で、日本国内でもほどほどに、差別することもなく、優しく対応していくのがよいと思う。昔蒋介石は、「暴に対して、徳を持って答える」と大人の対応を誇示していたときがあったように記憶する。

 アジアで一番最初に近代化した日本は、韓国、中国の最近の発展に際しても、あらゆる産業面において、技術的にも、商売のアイデアの面でも、貢献しているはずであるが、それをどこかの国民のように「中国文明を仲介した我が国がなければ、日本の文化、文明などはあり得ない」などと恩着せがましいことは言わない方がよいだろう(最近は韓国も十分発展したので、こういうバカなことを言う人は減っていると思うのだが)。
 真似するのは、どこの国にとっても勝手であり、恩を着せられたり、着せるべきことでもない。むしろ、勝手に真似することは、自助努力と言うべきだ(中国、韓国のコピー商品については、文句を言いたいが、それは別の話)。


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