ブルガリア研究室

アクセスカウンタ

zoom RSS シュケンベ・チョルバ

<<   作成日時 : 2009/10/11 10:20   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

 
  さて、久しぶりに料理・食べ物の話を書きます。シュケンベ・チョルバという、小生がこのブログを書き始めた最初の頃に取りあげた料理です。偶々ある肉屋で、ハチノスが手に入ったので、数年ぶりに食べることが出来ました。

1.シュケンベとの出会い
 9日(金)肉屋の中を物色中に、店員が一見「蜂の巣」のような内蔵を10個ほども並べだした。「牛ハチノス」と品名が書いてある。小生は、ぴんと来て、「これは牛の第3胃、または第4胃ですね?」と質問、「たぶんそうです」との回答。反芻動物だけが持つ反芻胃(牛、羊の追加の胃で、英語はtripe)をスープとして珍重するのは、トルコ、バルカン半島の国々である。以前07年8月5日付のこのブログで「ブルガリアの食べ物(6):料理」としてご紹介したシュケンベ・チョルバの食材ではないか!
そもそも、日本人は反芻胃を余り食べないようで、小生もシュケンベ=ハチノスという知識がこれまでなかったのだが、さすがにその姿を見てぴんと来たのだ。シュケンベの臭いを嫌う妻の反対を押し切って、買い求めた。さすがに、日本では認知度が低いらしく値段も100g=128円と安い。もっとも、バルカン半島でも、安い食材だから、大衆的なスープとして普及している側面もあろうが。

 ともかく、ブル人にとって、シュケンベ・チョルバは、ソウル・フードの一つである。小生も、当初のとまどいから、ブル生活に慣れてくると、この不思議なスープへの愛着が出てきて、民俗レストランではたいていスープとしてシュケンベがあるかないかまず確かめたものである。また、自由化以降個人経営のレストランが増えて、懐かしい民俗料理が復活し始めた00年以降のブルでは、各地で美味なシュケンベ・チョルバが特に昼食メニューとして、多くの店で食べられるようになった。

 小生にとって、特に記憶に残ったシュケンベ・チョルバの名品は、プロヴディフ市旧市街の「鐘=Kambanata(87/03/02開店)」というレストランにおけるシュケンベだ。同店オーナーのDanail Danailov -Didoは社会主義時代に「プルディン(Pqldin)レストラン(同じく旧市街にある有名店)」の料理人だった有名シェフ。シュケンベが柔らかく、スープ自体にも色々な工夫が成されているようで、絶妙の味だった!!
 ちなみに、02年10月19日付のあるブルガリア紙の記事では、次のように「カンバーナタ=Kambanata」レストランが 紹介された:「10/26のシメオン・サックスコブルク首相(当時)の娘Kalinaの結婚式で500名のお客用に「ブルガリア料理の神髄」を披露する。ショープスカ・サラダ(Shopska salata)、ムサカ(musaka、卵、ジャガイモ、挽肉を主体とする料理)、パラチンキ(palachinki sqs sladko=borovinki<ブルーベリー・ジャム入りのパラチンキ>)の3品が出される。これらを世界の著名料理に並ぶ料理として紹介する必要がある。97/05 Margarita(シメオンの妻、スペイン貴族の家庭出身)がプ市で同人の料理を試し、その際に「新鮮な山羊ミルク、山羊乳シーレネ、果実(borovinka=ブルーベリーなど)ジャム」で気に入られた。その後Kambanata特製のジャム(=sladkoスラトコ)がシメオン家の土産物の定番となった。」

2.シュケンベ・チョルバを料理
 10日(土)朝8時頃に調理開始。まず二つの大きな塊(合計200g)だったハチノスを、チョルバ(スープ)用に、細かく切断した。だいたい長さ4cm、幅1cm程度に細かく切った。ハチノスは表面が蜂の巣状で、裏面はやや分厚い一枚板という風情。これを、鍋に入れ、鍋の半分ほど、約1リットルの水で煮た。煮る前に、タマネギ1/4個を細かくみじん切りにして、臭み抜きに入れた。本来はここで、塩少々を入れるべきだが、忘れて、塩はできあがってから、入れた。鍋で10分ほど煮込んだ後は、我が家の省エネ機器である、ステンレス保温容器(THERMOS Shuttle Chef)に入れて、2--3時間おきに再加熱しつつ、3時間ほど保温しておいた。カレーとか、長時間調理用に威力を発揮する保温容器である。

 まず昼食に食べるため、食前に、ニンニク4片ほどをすり下ろし、或いは一部はみじん切りにして、これを食酢に入れて、シュケンベ用のタレを作った。さて、保温器から取り出したシュケンベ・チョルバは、臭いといい、少し白濁した色といい、本物という感じだ。元来ブル式の料理方法では、完成間近に、少し牛乳を入れて、更に白濁させるのだが、トルコ式では一切牛乳を使わないというので、今回小生は、牛乳を入れなかったが、その代わり、本当はレシピにないタマネギをいれたので、みじん切りのタマネギは既にスープに溶け込んで姿を消しているが、本来トルコ式ではあり得ない、若干の「白濁」現象となったようだ。今回の経験で、シュケンベに牛乳はほぼ不要と確認できた。また、タマネギ入りでも、味に悪影響はほぼ無いことも分かった。
 
 上記のニンニク酢(本当はワインビネガーを使いたかったが、無かったので、穀物酢を使用、味的には、さほど問題なし)をたっぷりスープに入れて、試食。シュケンベは元来、長時間ことこと煮込まないと柔らかくならないが、ブルガリアの食材と違って、日本の場合、売る前に湯通しして清潔にし、かつ臭いも和らげてあるようで、これが災いしてか、せっかく保温容器で奮闘したつもりが、決して十分柔らかくはなってはいなかった。もっとも、少しハチノスが硬いとはいえ、臭い、味とも小生の大好きなシュケンベ・チョルバーである!!なお、試しに、ポッカレモンを入れてみたり、豆板醤を入れてみたりしたが、豆板醤入りは、なかなかいけた。ポッカレモンも大丈夫で、本物のレモンをたっぷり入れてもおいしそうだ。しかし、小生は、ニンニク酢をたっぷり入れるという、昔ブルガリアでやっていたやり方が一番好きだ。

 夕食にも、再度加熱した後に保温器に保存しておいたシュケンベ・チョルバを食べたのだが、再びニンニク酢で食べてみると、昼食時以上に本格的ないい味になっていた。ただし、シュケンベが更に柔らかくなるという、期待した効果はあまりなかった。日本で入手できるハチノスは、やはり少し硬めだと、覚悟した上での料理といえる。とはいえ、小生は、何年ぶりかのシュケンベ・チョルバを食べて、大満足。(妻は、くさいと顔をしかめて一切食べないが、どういう訳か小生には、余り嫌な臭いはしない。臭い・匂いに関しては、喫煙家の小生の場合、鈍感な種類の臭いもあるようだ。) 

画像


画像


画像

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「シュケンベ・チョルバ」を再び作った
「シュケンベ・チョルバ」について  昨年10月に、シュケンベ・チョルバーにつき紹介したのですが、2月6日に再び同じ肉屋で、牛のハチノスを見つけたので、早速買い求め、自宅で同じやり方で作ってみました。  今回のハチノスは、新鮮で、分厚いもので、もしや今度こそは、柔らかくてハチノスそのものがおいしいスープに仕上がるのではないかと期待が高まった。  前回と同じ手法で作ったのですが、タマネギは少し多目に、しかも細かく切らずに長いまま、多く入れたので、タマネギが完全に溶解すると言うことはなく、姿... ...続きを見る
ブルガリア研究室
2010/02/11 13:13

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
室長さん、こんにちは。
すごく楽しみに見にきました。
シュケンベは胃袋のことだったのですね。
ミノ(牛第一胃)なら焼肉で食べたことがあります。
ブルと同じ味が再現できたのであれば大成功ですね!
パプリカパウダーを加えれば色もブルと一緒。
作り方は時間がかかる以外は意外に簡単だったのですね。
室長さんはよく料理をされるのでしょうか。
日本でシュケンベを発見されたり、ピーマンのかわりにパプリカを使われたり、
すばらしいです。
次回は何を作ってくださるのか、とても楽しみです。

itsuko
2009/10/12 10:58
Itsukoさま、
 いつもあなたのブログでレシピを見ながらため息、実はあまり料理を自分でやらないので。時折妻に手伝ってもらいつつ、今回も料理しました。パプリカパウダーを入れるのですか。確かに、ブルで食べた一部のシュケンベには、入っていたような。でも、トルコ式レシピでは書いてなかったです。
 
 今回、ハチノスの最初の塊を撮影することを忘れていて、読者には残念なこととなりました。一番上の写真の左側が、ニンニクのみじん切りに食酢を加えたタレです。その右側が、ハチノスが分かり易いように、アップで撮ったつもりの絵柄。第3番目の写真でも、右側がハチノスそのもの、左側がシュケンベ・チョルバの完成品。2番目の写真は、保温器です。この保温器は、カレー、シチューを作るのに役立ちます。省エネ機器です。
 ともかく、久しぶりのシュケンベの味に、小生は感激。
 なお、読者のために、ブル料理のすばらしいレシピを公開されているItsuko様のブログ・アドレスをご紹介します:http://pazar.jp/ です。
 次回は、いつ料理の話になるか?小生も見当がつきません。気の向くままに、計画性ゼロで書いているからです。
室長
2009/10/12 18:18

コメントする help

ニックネーム
本 文
シュケンベ・チョルバ ブルガリア研究室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる