ブルガリア研究室

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<<   作成日時 : 2009/10/20 17:29   >>

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 最近、自分自身で新しいことを考えると言うより、他人様のブログにおじゃまして書き込みをするというやり方で、日頃からの自分の信条とか、考え方を再確認する機会が増えたので、そのmugiさんのブログ( http://blog.goo.ne.jp/mugi411)で小生が展開した議論を少しまとめて、自分自身のブログの読者にも読んで貰おうと考えました。安易な作文方法で恐縮ですが、おつきあい願えれば幸いです。
 本当は、mugiさんのブログそのものを参照していただければよいのですが、このブログでは、小生自身の発言部分しか抜粋できませんので、やや分かりにくくなるかと思い、適宜、少しは手を入れてあります。
 今回は、主として日本の外交姿勢、あるいは外交戦術一般に関して書いたことを集めました。欧米の外交戦術には、学ぶべきところが大です。他方、アジア近隣諸国からの罠の仕掛けには、今後とも大いに用心すべきです。特に警戒すべきは、国内の左派系とか、宗教系の国賊どもです。

1.インド(発展)の衝撃:新興国とどうつきあうか
 そういえばこのNHKスペシャル(5月末、インドの総選挙戦を扱ったスペシャル)、小生にとっては全く未知のインド情報で、NHKもいい番組も作るではないかと感心して見ていた。あの台湾に関するデタラメ番組は、同じNHKでも、どのバカが作ったのだろうかと不思議に思えるほど。

 インド経済の発展ぶりも、やはり社会主義的制度撤廃、国営企業解体、資本主義体制への移行、自由化の実行という、旧共産圏諸国と同様の措置が原動力ですが、更にはIT関連でのインド人の能力開花、という新要素もあるらしい。ともかく大したものです。

 中国も、インドも、欠点も多いけど、やはり交渉力とか、経済力、軍事力など、総合的にますます力を付けていくはず。日本はより詳しくこの2国を研究しつつ、対策を練っていくべきだし、特にインドとは提携して中国の過大膨張をチェックしていくべきです。社会主義的制度採用時代には、非同盟諸国の盟主面をしつつも、秘かに日本をねたんでいたインドの外交官達は、最近は日本の外交官に反中国連携という意図を込めて、接近しつつあるようです。

 ともかく安全保障を自国の武力のみで確保できる国家など、世界中で米国だけです。日本が、問題を抱えつつも日米同盟を堅持しなければならないし、インド、豪州とも提携していかねばならないということは、地政学の常識です。もちろん自主防衛の努力はすべきですが、自前の武力のみでは安保はなしえないのが、ほぼ大部分の国家である以上、賢明に他国との同盟関係・集団防衛体制を構築していくのが外交・国際政治というものです。

 他方、中国が日本を中国国内の「倭人自治区としようとしている(あるブロガーの意見)」、などと言う評価は、やはり行き過ぎた表現と思う。中国の危険性は警戒しつつも、できるかぎり友好的な関係を構築していく知恵も必要です。潜在敵国ですが、とはいえ中国人富裕層の観光客は、今では日本の大切なお客様でもある(豪華客船で、九州に買い物に来る中国人観光団の例が、最近どこかのTV番組で紹介されていた)。そういうバランス感覚でつきあっていくべきです。
 前に書いたように、中国人は、中央の権力者達でも、国内の政敵と日々闘っているし、対外関係にのみ集中できるほど結束力の強い国ではない。現在国境の中にあるウイグルとかチベットを超えて、更に膨張主義を貫くほどの軍事冒険主義者達でもないと思う。(逆に彼らは、米国の過剰な対外軍事介入による国力消耗、米国内における厭戦気分の増大、などの負の影響につき、細かく分析し、その隙を狙って太平洋などにも進出しようと企んでいるのです。)

 普通の関係を維持しつつ、競争していく、これが国際関係の普通のことで、感情にとらわれてはいけない。日本人も漢字、漢文を文化の一部として発展してきた国家として、対中国友好感情が少しは存在しても、何ら悪くはない。ただし、警戒心も忘れずに、といいたい。


2.少数派:日本は外交大国ではない
 高坂正堯が、「国際社会の中で日本は初めから「少数派」である宿命を背負っていた・・・」と述べているのは名言です。いわゆる「国際社会」とは結局は、欧米、特に英米中心の国々で、特に「英語国」というのは、第二次大戦後は、加、豪、NZ、アイルランドなどの旧大英帝国圏諸国、アフリカ諸国のみではなく、太平洋諸国、その他にも、国際会議場で英語を使う国が多いし、結局英語の巧みな国ほど、発言力が高いという傾向が見える。

 日本人の場合、国際会議で英語を使いこなせる人材が少ないばかりではなく、キリスト教国でもないし、どうしてもいつも「少数派意見」となることが多い。日本の意見が、農業問題ならば例えば、EUのような多数の国の支持もないから、米、魚などにつき、日本の国益を守るのが難しいような局面に立たされるし、クジラ問題でも、もしキリスト教国のノールウェー、アイスランド、デンマーク(グリーンランドの母国)などが同じ捕鯨国でなかったならば、もっともっと少数派として苦境に立っていたことでしょう。仏、独、旧ソ連も、それなりに多数の諸国(EU諸国、旧東欧)などを子分に抱えているから強いのです。

 また憲法上の制約として、法律論しか展開しないような、国内世論の制約に基づく、軍事面での国際貢献の難しさも、日本外交の手足を縛ります。要するに、英語新聞で形成される「国際世論」に、うまく便乗できるような、そういう論理を駆使しつつ、「少数派」の宿命と闘うしか、今のところ外交ができないのです。便乗的な論理が見つけられないときは、日本は議論の前から敗北確実です。そのことを念頭に、外交するしかない、これが小生の常日頃感じている制約です。外交強国になれと言うのが無理な相談でしょう。

 とはいえ、それでも日本は、正直で誠実な外交、一貫した外交的立場(親米一本槍との批判もあるけど)、などを貫くことで、また金銭面での貢献をすることで、英米陣営の懐に潜り込み、多くの場合は英米陣営の支持を期待できる論理を展開しつつがんばっていると思う。問題は、英米とも利害が対立する場合ですが、これは救いようがないこともあると思う。外交においては、そこそこ負けることも当然で、米国すら負けることもある。このことも覚悟すべきです。

 ナショナリズムというものは、軍事面でのがんばり(貢献)を伴わないと、口先のみになると思う。また、ナショナリズムがショーヴィニズムという極端に走らないように、国内世論を舵取るのも、結構大変です。外交は、容易いものではありません。我慢、忍耐も外交の内です。大部分の小国はそうです。日本は大国としては、欧米国でも、キリスト教国でもないので、損している面もあるけど、概ね米国、英国からの支援を得ていて、損ばかりではありません。もっと自国政府に声援を送る、暖かい世論があるべきでしょう。ソマリア沖でも、インド洋でも、自衛隊はがんばって国威を揚げている。うまくやっているときにも、がんばっているときにも、マスコミの声援がなさ過ぎです。


3.国境地域の防衛:与那国島に自衛隊を配備せよ、竹島問題は反面教師
 (この項は、ブログ投稿記事を書き直し、訂正している内に全く別の文章になってしまったので、mugiさんのブログのコメント欄にもありません。)
  最近産経紙は、与那国島(日本最西端の領土)の過疎化に警鐘を鳴らし、地元民の要望を受け容れて、陸上自衛隊を配備すべきだとの論調を張っている。この連載はすばらしい企画である。小生も同感であり、地元経済への貢献、中国(場合によっては台湾)側侵略意図への阻止決意の表明、という意味でも、絶対に、最低でも500人規模の軍隊を配備すべきだと思う。海上自衛隊の洋上警戒航空部隊の基地も併設できれば、更にいいだろう。対馬もそうだけど、隣国との最前線の領土には、500人、1000人規模の部隊、基地などを配備しておいて、日本側の国防意識が強いことを誇示しておくべきです。

  昔、東欧のある人が、韓国による竹島の不法占拠に関して、「最前線の国境地域なのに、無人島だったことが不思議だ。我々なら、数百名規模の軍隊を配置しておく」と、日本側の国防意識の薄さを不思議がっていました(欧州諸国は、陸上の国境を持つので、国境防衛意識が日本の何倍も高いから)。

  戦後間もなくで、日本は米軍統治下にあり、軍隊もなかったのですから、やむを得ない事情ともいえるのですが。ともかく許せないのは、李承晩大統領が竹島領有宣言を発したのが、連合軍(米軍)対日占領行政終結が1952年4月下旬へと迫った、同年(1952年)の1月18日だったこと(宣言と同時に、軍隊による占拠を開始した)。日本が再び、独立国となる前に、小さいとはいえ、また、岩礁のみで元来が無人島の島とはいえ、日本国の領土をこの際占領、奪取しよう、などと考えるとは、全くとんでもない火事場泥棒根性です!!(その後かなり経ってから、200海里の経済水域が国際承認されたので、韓国側は水産権益の意味でも、上記の不法占拠を合法化しようと、でたらめの「歴史」を捏造して、固有の領土などと強弁している。)竹島問題は、永遠に我が方の対韓虐めの材料として、活用していくべき材料です!!(注:日本側には、どこから見ても正統な権利があるのですから、「道具」と言うより、絶対に譲れない主権の主張です。)


4.国益外交
 鳩山氏の国連その他での「外交デビュー」に関しては、「温室効果ガス排出25%削減の一方的公約」など、国益を損なう一方的な譲歩を含んでいて、冷徹な国益外交を信条とする小生にとっては、とんでもない愚行に見えてしまう。また、宮城県の「河北新報」御用達の、怪しげな外国人評論家ドーア氏が、「良心」などという、英国外交においても実践したことがない、不思議な対日勧告をしているとすると、日本国に有害な宣教師が、日本国の利益ではなく、西洋の利害を勧めるのと同じような偽善を感じます。アイルランド人は、英国(そして時には米国)のこのような隠れた偽善というか、奸計、自国の国益優先主義を、常に鋭く嗅ぎ分けるし、そういうアイルランドに4年近く在住した小生も、英国賛美一辺倒ではありません。ただし、英国知識人の能力もよく理解しています。

 小生は、鳩山幸夫人のパーフォーマンスなどは、外国報道機関に売り込むセンスのよい広報活動として、高く評価しますが、中国、欧米に媚びを売って国益を害するような鳩山外交の出初め式には、昔の社会党、或いは河野家の容共・媚ソ連外交と同様に、嫌悪感を覚えてしまいました。出初め式で少し出血しても、その後のきつい外交で元を取るぐらいの冷徹な計算があれば良いのですが、単なるお坊ちゃまのお人好し外交ではないか、と危惧します。そうでないことを祈りたい気分です。


5.レヴァレッジ
 (注:本項の議論は、欧米が時折トルコに対して、一種の歴史問題である「アルメニア人虐殺」問題、あるいは「少数民族」クルド人への「非人道的な」扱い、などを取りあげて、色々非難したり、圧力を加えることに関して、mugiさんが、自分たちが過去にやってきたことは棚上げしてのダブルスタンダードと批判したことに関し、小生が、外交技術としてある意味当然の戦術が駆使されているもので、冷静に観察すべきことを説いたものです。)
(1)トルコ虐めの道具
 アルメニア人虐殺問題は、欧米である程度支持があるにしても、必ずしも対トルコ非難ばかりではない(ロシア人と組む傾向の強いアルメニア人への警戒心もあるから。また、冷戦時代は、アルメニアがソ連の一部だったし、トルコが対ソ連の前線国家として重要だったから、この問題は西欧、米国によって無視された)。
 クルド問題は、西欧としては、EUに本当はトルコを加盟させたくないから、口実として使える道具です(そもそも、クルド人に領土を与えない、独立させないような国境線引きをしたのは英仏両国です。これも将来、クルド人問題で、中東各国が国内に問題を抱えるように、初めから仕掛けられた罠だという説が根強い)。
 西欧は、或いは米国は、いつも外交の際に、自分達はどういう論理で相手を牽制しうるか、その道具立てを用意して、論争に備えます。アルメニア問題、クルド問題、両方とも、都合良くトルコ相手に使える道具なのです。しかし、トルコを利用する価値が高いときには、二つの問題は無視します。当然の戦術です。決して欧米は汚いとか、ダブルスタンダードだとか、単純に非難すべきではなく、欧米の論理学、雄弁術など、そういう手法を教えているわけで、外交とはそういうもの。

(2)日本虐めの道具
 日本もそういう風に考えて、色々使える道具立てを日頃から用意しておくべきです。ところが日本国は、そのような「汚い手段」が苦手で、何時も受け身に回ってしまって、相手側に多くの道具立てを自ら提供してしまうような、バカな言動があった。村山談話とか、河野談話とか、左派、或いは容共派による国益阻害・自虐外交です。
 歴史問題、教科書問題、慰安婦問題・・・・全て日本が繁栄し、自分たちが劣勢にあった当時、中国、韓国が編み出した「道具立て」です。対日牽制、非難の道具立てとして、有効な手段を練った。それに日本国内の一部のバカが乗っかったのが悲しい!!靖国神社参拝などは、宗教問題として、国論を統一できれば、断固無視できたはず。新興宗教、キリスト教などが「敵側に同調して国益を害した」!!

(3)外交戦術としてのレヴァレッジ 
  さて、mugiさんが、少しは共鳴してくれた「外交戦術」とか、雄弁術のための「道具立て」というのは、小生があるときに、米国軍人、外交官らからアドバイスを受けたときに教えられた話で、要するに自分(自国)の政策を推進して、相手側(国)と交渉する際には、相手側の弱点を色々押さえておいて、交渉時にこれらの相手の弱点を突く、或いはちらつかせる、ということで、「対抗手段」と訳すべきかも知れません。英語では、leverage(てこ)です。
  レヴァレッジという用語は最近では、金融技術として、「借金して資金を元金の何倍にも膨らませる」際のテコという意味で使われることも多いですが、米国人が交渉術として強調したレヴァレッジとは、「自分の主張を相手側に押しつけ、押し通すために、相手側から抗議とか、抵抗があったら、こういう対抗手段をこちらは使いますよ、といって相手を脅迫すること、またはそういう対抗手段とか、反論材料」です。テコの原理で、「こうくれば、対抗してこう言ってやる」という、相手の弱点につけいる対抗手段です。

(4)韓国、中国の汚い対日虐めキャンペーンには、過去の歴史をほじくって、こちらも虐めの材料を探そう
  考えると日本人は、神経が弱いというか、教科書、靖国、慰安婦など、そういう言葉を持ち出される度に、論戦そのものが面倒くさいとか、びびってしまって、外交でも損をしている感じがしますね。相手が歴史認識、慰安婦といえば、こちらは朝鮮王朝時代に、貴族(やんばん=両班)の娘達を清朝高官らの妻、あるいは側室として大勢差し出していた。中国の王朝に、自国のエリート達の子女から美女を選りすぐって、毎年のように「性の奴隷として献上していた」という情けない朝鮮王国の実態を指摘するとか、そういう嫌がらせで対抗すればよいのです。これがレバレッジの一つの例ですが、どういう風に、どのタイミングで使うかとか、技術面での検討が必要で、むやみに相手を怒らすだけではいけません。レバレッジのために、マスコミを使って「あらかじめ相手国をバッシングしておく」のも有効な手段です。

(5)米国も対日虐めの道具を準備している可能性あり
 米国議会がなぜ、慰安婦決議を採択したか?日本でも、フィリピンでも米兵は売春婦を買いまくっていたのに、昔の日本兵も同じことをしただけなのに、なぜ批判するのか?米国としても、対日交渉の際に、色々使える「道具立て」を、前もって用意しておくということでしょう。日本人が上手に言い訳ができないこと、国論が分裂していること、いやがることなら、何でも将来役立つ可能性があるから、米国としても「道具立ての中にキープした」ということです。
 日本に民主党政権誕生が予見できたので、こういう議会決議を事前に可決しておいて、場合によっては対日嫌がらせのマスコミキャンペーンに使える、という読みだと思う。欧米のマスコミ記事の一部は、結構政府筋の働きかけというか、政府高官から、懇意のジャーナリスト相手に漏らされる「秘密の内緒話」(70年代、80年代に、米国マスコミによる日本バッシング・キャンペーンが何度も発生した背景には、「最近日本は対米貿易で儲けすぎで、けしからんから、日本バッシングに協力してくれよ」、などというつぶやきが、政府高官から、親しいジャーナリスト達になされた可能性が大)に立脚しているのですから、こういう道具立てをそろえておくことには、将来への備えとして、大いに意味があるからです。

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内 容 ニックネーム/日時
 室長さん、またも拙ブログを紹介されて頂き、有難うございます。先日記事にもしたトルコの歴史小説『トルコ狂乱』にこんな一節があります。
−そもそもトルコは、トルコ人の考えと国内の現実を、西欧の報道機関を通じて国際世論に訴えることが出来ないでいた。歴史上一度もこれに成功したことはない。国家戦略としてこの種の専門組織を作ることもなく、情報工作の経験もなければ、そのための専門教育を受けた人間も皆無だったのである。アナトリア通信社の影響力も国外には及んでいなかったのである…

 反対に世論操作や広報、プロパガンダの重要性に早くから気付いていたギリシアは政府広報を行い、トルコの抗議を圧殺、無効化しました。やはり白人のキリスト教国ですし、トルコの立場の弱さは日本と共通する所があるのではないでしょうか?トルコも少数派ということでは同じであり、周囲のアラブ諸国やイランとも必ずしもうまくいっていませんから。
 
 なお、欧米のダブル・スタンダードという批判は中東諸国、殊にアラブ諸国には多いですね。イスラエルに甘くイスラムに厳しいという見方は中東に限らずイスラム諸国に共通しています。
 中国に関しても、日本の若い方は所謂ネットウヨに限らず反中、警戒感情が強い傾向がありますよ。「倭人自治区」というのも国の将来の不安があるのではないでしょうか?
mugi
2009/10/21 21:39
mugiさん、コメントありがとうございます。
 トルコが、ギリシャに比べて広報下手で、国際社会で損している、という側面は、正しいかも。
 他方で、バルカン側から見れば、ケマルが建国した「トルコ共和国」は、多民族協和のオスマン帝国ではなく、「民族主義、世俗主義の国民国家」であり、昔のようにバルカン諸民族を登用したり、取り込んだりする、寛容なムスリム帝国ではなく、強大な陸軍を誇る軍事国家でもあります。常に50万規模の大軍備を維持するために、脆弱な国民経済は、巨大すぎる軍隊を抱え、毎年のようにハイパーインフレを繰り返してもいました。
 経済力のひ弱さと、不釣り合いに強大な軍部!!この矛盾を補填するには、外国の援助がいる!冷戦時代には、米国がトルコに主として武器供与などの軍事援助という形で補填をしていたが、冷戦が終わったところで米国は、NATOの不可欠の戦力だから、今後はEUで援助しなさいと、欧州に経済負担を肩代わりさせることとした。
 しかし、EUとしては、トルコに援助をする法案は、ギリシャがブロックするし、また、トルコをEUメンバー国とする案も、ギリシャだけではなく、多くの欧州国がムスリム国家の加盟に反対するし、いずれにせよこれもギリシャ1国でもブロックすることは明白で、実現性は怪しい!!
  小生の感じでは、ギリシャ、ブルガリアなどを含めて、バルカン側はトルコのEU加盟には、結局反対すると思う。本当は、EU経済負担の多くを担うこととなる独、仏、英、伊なども内心は「欧州でもないし、キリスト教国でもないトルコの加盟」を歓迎する気持ちもないと思う。
室長
2009/10/21 23:29
「トルコ共和国」は西欧型国民国家に変貌しましたが、かつてのような多民族協和のオスマン帝国にも戻れませんね。バルカンの側にも複雑な民族問題はあり、ルーマニアでチャウシェスク政権末期、ハンガリー系少数民族の虐殺事件が起きてますよね。ボスニア紛争など、欧州もインド亜大陸なみの宗教紛争が起きたことに驚きました。日本で民族自決を訴えるのは左派ですが、ある民族集団が独立・建国するのも難しい問題があり、紛争の火種は尽きないということ。

 私も欧州諸国は、トルコのEU加盟を内心は反対していると見ています。少し前、アメリカがトルコのEU加盟を支持するようなことを言ってましたが、あれも外交辞令でしょうね。そのくせ議会では、第一次大戦時のアルメニア人150万人虐殺非難決議をしているのだから。あの虐殺事件の真相は不明ですが、20世紀までは多くて犠牲者百万人と言われており、それも誇張と言われてました。50万もさらにアップさせたのも、「レヴァレッジ」の手法ですね。
mugi
2009/10/22 21:45
mugiさん、トルコの広報が下手とはいえ、彼らもなかなかしたたかな国家。米国援助が大幅に減少した上、EUも援助する気が薄いし、加盟問題の進展もない。
 そこで、最近トルコは、イスラエルとの友好関係を薄めて、ムスリム諸国に接近するそぶりを見せています。世俗主義の国是も、最近は少しずつ宗教へ重点を置く方向に変化してきているし。つまり、イスラエルとの軍事的提携を拒否するなどして、米国に、きちんと援助しないと中東一の軍事力を誇るトルコが、イスラム側に行ってしまうと警告しているのです。
 まあ、従来から、トルコとギリシャは、米国の経済援助額、軍事援助額を巡って競争し、米国も両国を対等に扱うしか方法がなかったくらい。主導権は、完全にトルコ、ギリシャ側に握られ、金を出す米国は、損した気分もあったが、NATOを守り、ソ連に勝利するまでは、両国を優遇するしかなかった(本当は、ギリシャには金も武器もやりたくなかったが、トルコだけ援助すると米国内のギリシャ系ロビーがうるさかった)。
 冷戦後、トルコの価値は、米国にとって低下したし、ルーマニア、ブルガリアに基地を持つことで、中東への非常時の補給基地が維持できるようにもなったので、代価請求に厳しいトルコの基地使用を減らすようになってきた、と感じます。トルコも、大きすぎる軍部を維持するための財源を多様化して、同じ中東の産油国からの援助に切り替えざるを得ない、或いは、対中東貿易でより稼ぐしか方法がない、というように状況が変化して、国内の宗教勢力を従来のように抑制ができなくなってきている、という風に見えます。
室長
2009/10/23 23:28
 仰るとおり、トルコの外交も強かですね。日本の外務省も大いに参考にしてもらいたいのですが、地政学的にトルコの方が日本より有利なのは否めない。EUに冷遇されたらトルコも中東に接近、牽制することもやっている。欧州でもトルコのイスラム原理主義化は大いに脅威だから、顔を立てることも行わざるを得ない。

 あのチグリス・ユーフラテス川の水源がトルコにあり、周辺諸国との関係でトルコが強みを持つ利点もあります。トルコがダムを建設したため、下流のシリアなどと確執が生じていますが、イスラエルも懸念しているでしょうね。さらに中央アジアのトルコ系民族とも連帯しようと、「トルコ語サミット」も行っていました。トルコは世界でも数少ない食糧自給率百%の国なので、この点でも強いです。
mugi
2009/10/24 20:41

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