ブルガリア研究室

アクセスカウンタ

zoom RSS Sofi Marinovaの優勝!

<<   作成日時 : 2012/03/03 20:18   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 2 / コメント 3

  さて、3月1日付Novinite.com紙記事(http://www.novinite.com/view_news.php?id=137134)を見て驚きました。現代ブルガリアのある意味最高のハイトーン歌手であるSofi Marinova(ソフィ・マリーノヴァ)が遂にブルガリア代表として、ユーロヴィジョン歌謡祭に出場が決定したという。もちろん、ジプシー歌手の彼女に対しては、様々な差別的侮蔑のコメントもネット社会に蔓延しているらしいのだが、小生自身、ブル滞在時(02--05年)に彼女の歌のCDを買って、なんという高音の美しさ、声の伸びのすばらしさと、感嘆ばかりしていたので、本当にこの国際コンテスト(Eurovision Song Contest 2012 in Baku )でも優勝して、世界中にその才能を見せつけて欲しいものだ。
  なお、彼女はwikiによると(http://en.wikipedia.org/wiki/Sofi_Marinova)、1975年12月5日、ソフィア県Etropole町生まれの36歳です。更に、Google検索すると、You tubeで、既に彼女が、国内大会で歌ったときの映像がアップされています。是非ご覧下さい( http://www.youtube.com/watch?v=up9NaelZPsw)。その声量の豊かさ、高音の美しさに圧倒されるはずです。
  以下に、記事概要を書きます。

1.国内大会挑戦3度目で、ようやく欧州大会への切符を手にした
  Eurovisionが開催する欧州歌謡祭(Eurovision Song Contest 2012)のブルガリア代表を決める国内大会が、2月29日(水)に開催された。
 この国内大会で、11人の競争相手(finalists)を凌駕して勝ち残ったのは、Sofi Marinovaだった。彼女が歌った「Love Unlimited(無限の愛)」が、視聴者の投票で最高点を得票したのだ。ただし、音楽アカデミー(ブル音楽界大御所達)票では3位で、1位は「New 5」グループによる「Chance for Better Life」であった。
  今回がMarinovaにとっては、3回目のEurovisionコンテストへの挑戦だ。

 最初は、05年に、有名トークショーのホストでミュージシャンでもあるSlavi Trifonovとの共同参加(デュエット)だったが、結局国内大会に際して、Trifonovが直前に参加をキャンセルしたので、彼女も参加できなかった。(小生注:マードック系民放大手のbTV局の著名トークショーでMCを務めるSlaviも、結局はジプシーと共演することへの多方面からの反対圧力などから、撤退を余儀なくされたらしい。ブル国におけるジプシー差別の根深さを感じさせると言える。)

  07年にも、彼女は、ラッパーのUstata(「口」の意味)と共同参加したものの敗退した。

 今回の優勝につき、彼女は「大変幸福に感じる」とコメントしている。

 Marinovaは、Baku市での本戦でも、ブル語で歌う予定。
 今年5月24日にバクー市(アゼルバイジャンの首都)で行われる第2回semi-finalにおいてブル代表として、他の18カ国代表と競う。19カ国の内、10カ国が最終決戦に進み、5月26日がfinalである。

2.ブルガリアのこれまでの成績
 ブルガリアがこの欧州歌謡祭に参加するのは、今年で8回目で、最高の成功を収めたのは、07年で、この年のコンテストでは、Elitsa TodorovaとStoyan Yankulov -Stundzhiの二人が歌った「水」が第5位に入賞した。

3.今年の経緯
  2011年8月25日に、国営TV(BNT)が、今回の歌謡祭参加を決定した。参加候補の歌としては、11年9月9日〜11月11日の期間に、音楽アカデミーと視聴者票により、当初60曲が決まり、そしてその後の選抜で22曲に絞られ、更に選別して12曲が選定された。
 そして、遂にこの12曲の国内コンテストで、Sofiが優勝したわけだ。

4.昨年の優勝はアゼルバイジャン
 2011年の場合、アゼルバイジャンのEli and NikkiがEurovision 音楽祭で優勝した。ブル歌手のPolly Genovaはデュッセルドルフの最終戦まで残れなかった。

5.差別論者らへの反論http://www.novinite.com/view_news.php?id=137165
 筆者:Milena Hristova(女性記者)

Eurovision歌謡祭にブル代表として、Roma chalga singerのSofi Marinovaが選ばれたとたん、websiteには、人種差別的な怒りの声が充満している:「Sofiはロマだ。ブルがロマによって代表されるのは、恥だ」とのコメントが寄せられているのだ。
 それがなんだというのか?外国人記者らは、普段から、単にブルガリアという国名に関心を寄せはしない。珍しい事例にのみ飛びつくのだ。ロマの結婚式とか、(ロマが操る)熊のダンスとか、ムトリ(ブルのヤクザ)達が引き連れる足の長いお嬢様達とか。その上、Sofiが国際大会に出場することは、我が国の「エスニック的寛容」の象徴として売れる話ではないか!

 反対論者らは、「しかし、Sofiは、嫌らしいchalga(ブルの流行歌謡)歌手ではないか。ブルが、チャルガ歌手によって代表されるのは、恥だ」と叫ぶ。
 それがなんだというのか?チャルガは、エスニック的、テクノ的、ディスコ的・・・色々まぜこぜの歌謡曲で、決して自分の好みではないけど、しかし、汚点、恥辱としての形跡を何か含むものでもない。ブルのpopfolk=chalgaの特有の要素(上記のように、エスニック的、エロチック的・・・)に関しては、実際、既にとっくの昔に、外国でも熱狂的歓迎を受けることもあるし、ブルの社会現象ともなっているではないか。

 ともかく、Sofiの声は素晴らしいし、前向きで作らない性格だ。クールな態度を保っていると言いたいほどだ。美学にこる紳士淑女達は、Eurovision当日にTVのスイッチを入れずに、黙想しつつウィスキーでも飲んでおればよいはずだ。 その他の普通人は、単に楽しめばよい。Sofiのユーモア・センスも良い「自分は、我が大きなロマ家族に対して、携帯電話をつかんで、私に投票してよ、と指示しました」とfinal前日に述べたのだった!!

★追記(同じ3月1日付のニュースです)
 ジプシー関連と言うことで、このSofiのおめでたい話とは別ですが、例のエスニック騒動事件の引き金を引いた人物、すなわち轢殺犯への判決が下りました:
 昨年9月23日夜、Rashkovi家(Kiro王)の従者であるジプシー男性(Simeon Yosifov、55歳)が、19歳のブル人青年を轢殺した事件につき、Plovdiv地裁が2月29日、簡易裁判の略式手続き(注:簡易裁判方式では、量刑は約33%減刑される由。)にて、17年の禁固刑を判決しました。交通規則違反+意図的殺人罪での量刑です。もっとも、弁護士は、控訴する由です。

★追記:
   3月24日付の報道( http://www.novinite.com/view_news.php?id=139673)によると、残念ながらSofi Marinovaは、Bakuにおけるセミファイナルコンテストで、人気を集められず、ファイナル出場権を手に出来ず、敗退した由です。ブルガリアのジプシー歌手として、世界の注目を集めて欲しかった、と言うのが小生の気持ちですが、やはりブルの流行歌(チャルガ)は、世界的音楽の潮流、主流とはかけ離れた、バルカン半島特有のメロディー感覚なのでしょう。




Zhaduvam Tseluvkite Ti
Sunny Music

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Zhaduvam Tseluvkite Ti の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

Ostani
Sunny Music

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Ostani の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




Nedei
Sunny Music

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by Nedei の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ジプシー王に対する判決
さて、3月3日の記事でジプシー歌手Sofi Marinovaが、Eurovision歌謡コンテスト「欧州大会」にブルを代表して出場する、との朗報をお伝えしました( http://79909040.at.webry.info/201203/article_1.html)。昨年9--10月に、Plovdiv県のジプシー王が引き起こした「エスニック紛争」がようやく遠のき、ブル社会の中で、ジプシーの「歌手」(Kiro王のような富豪ではない)なら、その才能を認めても良いだろう、というよ... ...続きを見る
ブルガリア研究室
2012/03/31 13:51
Sofi Marinovaの敗退:そんなに深刻に考えるな!
  ブルガリアは、1989年末に共産主義体制を突き崩す「変革(Change)」という宮廷革命を実現し、1990年代以来これまで約20年強、経済、政治体制の自由化を経験してきた。2007年には、EU加盟も果たし、EUという組織を通じて、欧州先進諸国からの経済的支援も得てきた。米国は、NATOの枠組みで軍事面での防衛を保障し、それと引き替えに、色々と政治改革につき、米大使らが進言を繰り返してきた。 ...続きを見る
ブルガリア研究室
2012/06/03 12:06

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

 ソフィ・マリーノヴァという歌手は初めて知りましたが、さすがに国際大会で優勝しただけあり、歌唱力はスゴイ。ただ、ブルのお国柄もあるのか、ビジュアル的には少し地味な印象でした。髪型もアップにせず伸ばした方がよいと思うし、衣装ももう少し派手にしてもよさそう。英米のポップスを見慣れた日本人なら、おそらくこう見ると思います。

 日本人から見れば、一般ブル人とロマとの区別はつかないかもしれませんね。ロマは歌と踊りが上手いというイメージがあるし、オスマン帝国時代のベリーダンサーの殆どはキリスト教徒やロマだったそうです。あの手の踊りはムスリマにとって、“賤業”でしたから。女のヘソ踊りをムスリムやクリスチャンの男たちが喜んで見ていたとなります。

 ふと思いましたが、同じようなことが日本で起きたら、どうなるのでしょうね?国際大会で優勝した在日歌手が、国際大会にも日本代表で出場したら?サッカーや野球などでは既にその現象が起きていますが、一部ではバッシングがあります。地元のサッカーチーム、ベガルタ仙台の代表選手にも在日がおり、対戦で負けたチームのサポーターで蔑称を浴びせた者もいました。
mugi
2012/03/09 22:33
こんにちは、
 もしかすると誤解されておられるかも。今回のソフィの優勝は、「国内大会」での優勝で、「欧州大会」は、今年5月にバクーで行われます。

 小生としては、このジプシーの天才歌手が、欧州大会でも優勝して欲しいし、その実力は、十分と思うけど、やはり欧州の中のバルカン・ローカルの色彩が強い「チャルガ」という、自由化後のブルで急に広まった流行歌謡曲の形式の歌が彼女の持ち味ですから、どこまで他の西欧系諸国でも受けるか、少し懸念しています。ただし、このブルでのソフィの優勝に関しては、歌の場面と共に、かなり多くの欧州諸国のTVニュースで流されていて、各国での評価も高い、とNovinite.com紙で伝えています。
 特に、隣国トルコでは、そのリズム感なども、トルコの現代歌謡曲にも近しいから、凄い人気だという。バクーもトルコ語圏で、オスマン朝時代の文化影響もあるから、ブルなどバルカン半島の文化とは同根で、やはりソフィの歌は共感を得られるのではないか、と思います。

 mugiさんは、ロックなど西欧音楽系に耳が慣れておられるから、ソフィを初めとするバルカン歌謡曲(チャルガ、その他)の音色には恐らく違和感があるだろうけど、小生のように伝統的なバルカン音楽が好きだった人間には、現代チャルガの音色も分かり易い。まあ、日本で言えば、演歌調というか。

 
室長
2012/03/10 16:10
(続)
あと、今の日本で、在日の人々に違和感を抱く人は、そう多くは無いとも思う。スポーツ選手、俳優、歌手などで、在日なのか、あるいは日本国籍取得者なのか、などと、それほどは細かく我々は意識したり、差別していないように思う。和田アキ子が、音楽の国際大会で優勝したら、我々も素直に喜べる気がする。

 他方で、ジプシーは、ブル人にとって、それこそ15--6世紀から共存してきた人々です。異民族系ではあっても、ブル市民には違いない。だから、彼らをブル代表とすることにためらいはあるけど、いったん選ばれてブル代表になった以上、ソフィが欧州大会で優勝したら、ほぼ皆が喜ぶことは間違いないでしょう。

 もっとも、最近例のKatunitsa村で、「Kiro王」所有の農場施設で火事があり、かなりの農場施設、干し草などが燃えました。警察の捜査中ですが、放火の可能性もある。やはり、人種差別感情というか、現地の村での対立感情は、消えては居ないのだと思う。
室長
2012/03/10 16:20

コメントする help

ニックネーム
本 文
Sofi Marinovaの優勝! ブルガリア研究室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる