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zoom RSS ブルガリア経済の数値(二)

<<   作成日時 : 2012/11/01 14:51   >>

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  前回の、ブルガリア経済の数値(一)に引き続く、続編です。

4.EUからブル経済への支援
(1)EBRD(欧州復興銀行)からの個別企業への融資(10月12日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144070
  EBRDが、Oliva社に融資:製造機器の近代化:これまでに総計80億ユーロの投資をブル経済にもたらした!!
  ブル国内のヒマワリ油製造大手Oliva社の製造施設拡張用に2200万ユーロを融資したと発表。EU域内での需要増大に対応するため。新たな磨り潰し施設、油分抽出装置、新型サイロ、などを建設する。近代化により、省エネ、抽出・加工効率が向上する。地元の国産製造業者の競争力を高めることともなる。
   欧州復興銀は、これまでにブル国内の200件の計画に、合計25億ユーロを投資してきた。復興銀融資額25億ユーロは、共同融資として55億ユーロを招き寄せ、合計で80億ユーロ分を超えるほどの投資をブル国内で実現してきた、とも言える。

(2)EUからの資金枠獲得交渉:どれだけ貰えるか?(2011.10.14:http://www.novinite.com/view_news.php?id=132950
  次期EU予算期間2014--20年に、ブルは140億ユーロを期待する。6年で140億ユーロ!!他方、EU側は、80億ユーロに留めたい意向。
  ブルは、2007--13年予算期間においては、110億ユーロの援助金に付き、資金枠を貰っていたが、結局吸収(消化)できたのは11年まででは、10--15%止まり。
  来年には頑張って、これをせめて、50%には引き上げたい。

  ドナウ第2架橋工事のように、隣国と共同して予算枠を取るのが賢明と、Hahnコミッショナーから助言された。
  今のところ、現在の2007--13年予算期間における対ブル資金枠110億ユーロを超えることは、かなり難しいであろう、というのがEU側の態度。
注:6年間で110億ユーロの資金枠ということは、年間18億ユーロ強がEUの対ブル援助資金として、供与されうる限度額だった、ということ。ブル政府の行政能力が低いので、消化率が必ずしも高くはないが、それでも上記1.(2)で、ブルが拠出する金額が9.08億Lv(4.5億ユーロ程度)なので、1を拠出すれば4も援助枠として戻ってくる、ということであり、後進国がEU加盟するメリットは計り知れない。)


5.所得税(個人、法人)一律10%という低率税制で、投資家を優遇
(1)ボリーソフ首相が、10%所得税制を今後も変更しないと言明(10月14日付: http://www.novinite.com/view_news.php?id=144129
  08年正月以来、ブルでは所得税率一律10%というフラット税制を採用した。即ち、非課税敷居という低所得者優遇措置は存在しない。最近蔵相は、このフラット税制を廃棄することを示唆したが、ボ首相はこれを否定したと言える。税制の安定性こそが、ビジネスと投資には重要だからだ。

  この税制は、社会階層間のギャップを深める側面があるが、しかしその責任は最初のこの税制を採用したBSP主導の前政権が背負うべきものだ。 08年正月以前は、ブルでは、所得額に応じて、税率は20--24%の幅があった。現在野党のBSPは、最近は累進税率への復帰を呼びかけている。即ち、富者はより多くの所得税を支払うべきだという。

   10%のフラット税制は、ブルをEU域内における最低の個人所得税国家として際だたせている。社会保険税率に関しても、ブルはEU域内最低で、このことが個人として、或いは雇用者とか、潜在的な投資家にとっても魅力的となっている。
   フラット税率の魅力は、平等性、税負担軽減、より多くの企業が「影の経済」を捨てるので、歳入が増大する、などの点だ。ブルの特殊性は、この税制を推進したのが社会党だったこと。フラット税制が「灰色経済」縮減に効果的だった理由の一つは、この税制を採用した国では、政府が意欲的に、厳しく、税回避行為を取り締まったことにもよる。

(2)世銀のビジネス環境指標:ブルは、185カ国中66位(10月23日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144397
ビジネスをし易い環境に関する指標で、世銀が公表した2013年度版の要旨。2012年度指標に比べて、ブルは2つ低い位置付となった。会社登記して営業を開始出来る速度(開業の容易さ)、建設許可証受領、配電網への接続、税金の納付などが、どの程度容易であるか、などがこの指標での基準となる。特にブルでは、「開業の容易さ」指標が、48位→57位へと低下した。「税金納付の容易さ」も83位→91位へと低下した。「建設許可証受領の容易さ」では、119位→123位へと低下。

  「配電網接続の容易さ」では、125位→128位へと低下。 合計10の項目で、ブルの場合6項目で「低下」を記録した。3項目(「国境を越える貿易の容易さ」、「契約履行を強制することが出来る」、「債務超過の解消」)に関しては「ほんの少し向上」したほか、1項目(「資産の登記」)では、「変化無し」だった。 「2013年版世銀ビジネス環境指標」は、2011年5月--2012年5月を観察期間としている。

  ポーランドは、この1年間で、指標を抜本的に改善した。 この指標での優等生は、1位シンガポール、2位香港、3位中国、4位NZ、5位米国、6位デンマーク、だ。トップ10への新参組としては、グルジアが注目される。

(3)外資の対ブル直接投資額(FDI)(2011.12.29:http://www.novinite.com/view_news.php?id=135239
01--10年度ブルへの外国資本投資額は合計357億ユーロ。
  また、11年度は約10億ユーロと少なかった。
  よって、01--11年度までの合計は約370億ユーロとなる。
  07年度は外資投資のピークで年間90億ユーロを記録した。


6.ブル中小企業:ブル中小企業は、安定しているし、リーマンショック後は、むしろ繁忙だ( 10月17日付:http://www.novinite.com/view_news.php?id=144203
05年の基礎数字との比較で、付加価値増大が大きいことが判明。しかし中小企業数の増加、雇用増への寄与は、少ない。ブルの中小企業は、企業数では99.8%を占め、経済活動による付加価値増においては61.9%も占めている。私企業で、金融部門以外では、雇用の75.7%を占めてもいる。

 中小企業の16%は、ハイテク製造業、或いは知的サービス部門で、ブルの将来の競争力にとって鍵となる要素を秘めている。ブルの中小企業は、EU域内の他国の同種企業に比べると規模が大。また、EU全体は、サービス産業が多いが、ブルの場合は商業部門が多い。
 政府は、小企業法を実行するための国家戦略を未だに採択していないものの、「責任ある行政」、「単一市場」、「最初に小さく考えろ」というような分野では、重要な措置が執られていると、本件研究は分析している。(即ち、中小企業振興に付き、政府の施策はそれなりに有効なものである。)

 他方で、次の分野では、ブル政府施策は遅れていると批判:「2回目の機会を与える」、「環境保護」、「国際化」、「起業家精神」、「熟練技術とイノベーション」。

  欧州の中小企業は、回復に向けて努力しており、中でも墺、独の中小企業は、良好な回復を見せているという。EU全域で見れば、総合的な努力は、主として、雇用をあまり産まないような成長という奇跡を辿っているという。厳しい環境の中、中小企業は、相対的には、欧州経済の背骨としての地位を確保している。故に、企業数では98%(2070万社)、雇用総数は8700万人。中小企業の92.2%は、従業員数が10名以下の小企業で、中小企業が雇用の67%を確保しており、付加価値額では58%を占めている。


7.ブルの対外債務(2011.05.26付Novinite.com紙記事)
2011.03末:ブル国家のグロスでの対外債務総額=361億ユーロ=GDPの94.5%。
同じ時点で、ブルの長期債務は253.42億ユーロで70.2%、短期債務は107.6億ユーロと29.8%を占めている。
  2011.03末:ブル政府の対外債務=27.4億ユーロ=GDPの7.2%でEU諸国中最低。
  2011.03末:ブル銀行部門の対外債務=64.5億ユーロ=GDPの16.9%
  2010.03末:対外純債務=195.8億ユーロ=GDPの54.3%
  2011.03末:〃    =176.9億ユーロ=GDPの46.3%

8.農業
(1)2011年の穀物収穫予想(2011.07.09付Novinite.com紙)
写真:ドブリッチ県Kavarna郡Bozhurets村(K町西隣)の農地で大臣が巨大な収穫期を運転している(注:社会主義時代に比べて、更に大型の近代的な農機が活躍しているようだ)。
  今年の小麦収量は410万t、大麦は670万t!!秋蒔き小麦・大麦の収穫時期が到来している。
  今年の品質は良好。収穫機の2割以上が10年以下という新品だ。

(2)ブルの農業生産高(2011.12.14:http://www.novinite.com/view_news.php?id=134860
ブルの農業生産額は、10年度2%増えて約40億ユーロを記録した。10年度のブルの農業部門(水産、木材を含む)の総生産高は76.3億Lv=ユーロでは39億ユーロ(伸び率は2%)。
  農産物貿易は、輸出が24.1%も増加した(10年度、輸入の伸びは4.9%)。
   農産品での貿易黒字は、1年間で2.5倍も伸びて、9.4億ドルに上る。
  10年度、ブルの農業部門が受領した補助金は14.06億Lv=7.19億ユーロ。
  ブル農業の付加価値は、10年度に4.6%向上した。

9.個人所得、人口など
(1)統計:月収が上昇、雇用者最大は「製造業」部門(2011.08.09:http://www.novinite.com/view_news.php?id=130967
きちんと労働契約した被雇用者は2.2百万人(6月末、3月末比+2.3%)。
  平均月給は、4月711Lv、5月698Lv、6月690Lv(注:約700Lvと考えると、約3.5万円となる)。第2四半期としては、昨年同期比9.2%も賃金が上昇。月給上昇率では、公的部門が1年前比3.8%増、民間部門が11.9%増。

   被雇用者の一番大きい部分は、「製造業」で22.5%、次いで「卸売り、小売り、自動車・バイク修理」で17.7%。
  今年6月末の被雇用者数は、2010年6月末比で、▽1.3%(2.9万人減)。 建設業=▽1.63万人、製造業=▽1.55万人、卸売り・小売り・自動車・バイク修理業=▽1.45万人。

(2)平均月収:12年度第1四半期=731Lv(注:1Lv=50円として、約3.66万円)(2012.05.11:http://www.novinite.com/view_news.php?id=139253
民間部門の月間賃金は、11.6%増、他方で、公的部門はたった3.6%の増加。
  12年1月の平均賃金は、720Lv、2月は719Lv、3月は754Lv。賃金上昇のトップは、IT部門の18.7%。
  平均賃金が高かった部門:IT部門=1742Lv。エネ部門=1582Lv。金融部門=1394Lv。   賃金が低かった部門:ホテル、レストラン・サービス部門=475Lv。
  管理部門=485Lv。農林水産部門=530Lv。

  3月末時点で、労働契約していた被雇用者数=210万人。これは昨年同期比▽2.1%。 絶対数で一番昨年同期比雇用数が減ったのは「製造業」部門で、1.54万人の雇用が減少した。次いで、「卸売りと小売り」部門の1.05万人、及び「建設」部門の0.85万人。
  パーセントで雇用喪失が甚大なのは、「不動産業」部門で、▽11.9%。「建設」部門が▽6.5%。「農林水産」部門が▽5.6%。

(3)ブル人の消費関連指数:エンゲル係数が高い(2012.05.12:http://www.novinite.com/view_news.php?id=139284
2011年のブル市民の所得の35%が食料費に充当された。電気・水・暖房などの公共料金に14.4%、輸送に6%、酒・タバコに4.5%、娯楽に4%、衣料品に3%など。

  11年度の年間平均所得は、3672Lv(約18.36万円)/一人当たり:食費には1265Lv、公共料金に500Lv、酒/タバコに155Lv使ったこととなる。

  他のEUで、食費への支出が多いのは、ルーマニア=29%と、リトアニア=26.4%である。
  他方で、先進国のルクセンブルクと英国では、食費と収入の比率は、9%にすぎない。
  Eurostatデータでは、欧州市民の所得の約24%が住宅費(家賃、または住宅購入費ということ)だった。

(4)ブルの最低賃金は、EU内で最低水準(2012.02.21:http://www.novinite.com/view_news.php?id=136852
  2012年1月時点で、ブルの最低月間賃金は138ユーロと、再びEU諸国中最低を記録。ルクセンブルクが最高で、1801ユーロ。購買力平価(PPS)で換算し直すと、ルクセンブルクとの差は、1:13→1:5と縮小する。

  今年5月には、ブルの最低賃金は148ユーロ(290Lv=1.45万円)となる予定。
  最低賃金によりEU諸国は、3グループに分けられる:
@100--400ユーロ:ブル、ルーマニア、など21カ国。(旧東欧、トルコ、クロアチアなど
A550--1000ユーロ:ポルトガル、マルタ、スペイン、スロベニア、ギリシャの5カ国。
B1200ユーロ超:英、仏、白、蘭、アイルランド、ルクセンブルクの6カ国。

(5)ブルの人口統計(2011.12.28:http://www.novinite.com/view_news.php?id=135218
ブル人の17.5%が、首都ソフィア市に居住している。
  1992--2011年の期間に、海外への移民故にブル人口は約40万人減少した。
  なお、15歳以下の少女の出産比率は増えている。

(6)国勢調査:2011年2月実施:ブル人口=735万人!(2012.01.11:http://www.novinite.com/view_news.php?id=135603
調査にインターネットで参加した市民が41.2%もいた。 11年ブルは、EU基準による初めての国勢調査を行った。また、電子調査を選択肢に入れた。
  2011年2月のブル人口=735万人強。都市住民が73%。
   92--11年の期間に、自然減で77.38万人が減少し、更に外国への移民で41万人が減少した。(注:ブルの人口に関しては、実質は700万人弱との見方が、市民の間で多い。季節労働者としての短期移民も多いから。)

(7)ブルの移民送金が経済を支えている(2012.02.17:http://www.novinite.com/view_news.php?id=136749
移民達から本国の家族への送金額は、世界経済の不況にもかかわらず、少しながら伸びたと中銀統計は言う。11年度の移民送金額は、7.74億ユーロ。11年5月には、04年に国立銀行が統計を取り始めて以来の月間最高額77.4百万ユーロを記録した。
  移民送金額は、08年6.94億ユーロ、10年7.6億ユーロ、11年7.74億ユーロと、安定的に伸びている。実際の送金額は、7.74億ユーロの30--40%大きい金額と想定される:そこで、35%増と仮定すると、10.4億ユーロとなる。

 移民送金が、小売り業、不動産市場にとっては、最後の砦だ。
 世銀によれば、ブルの出稼ぎ移民比率は世界一で、移民送金の金額では、欧州でも最大規模だ、という。すなわち、公式統計ではブル国民120万人が現在国外で労働していて、これは人口の16%に上るが、実際の数字は遙かにこれを超える、と見られている。

 ブル人移民労働者が多いのは、スペイン、独、ギリシャ、伊、ルーマニア、トルコである。ブル国立銀行の調査では、移民労働者の半分(50%)のみが、国内の親戚に送金する。他の半分は、定職を外国に持っているが、送金する余裕はないという。
  伊在住のブル人は7万人に上り、国内への送金に最も寛大で、月平均370Lvも送金する。スペイン在住のブル人は、月平均280Lvを送金する。
 不思議だが、米国、加在住のブル人は、送金額では最低だ。恐らくは、この2カ国における生活水準が高く、故に、生活コストも高いから。
注:小生の推測では、伊、スペイン、などに移民労働する人々は、主として肉体労働系で、実家も貧しく、この故に送金が欠かせない。他方で、米、加などの先進国に移民できるような家庭は、元来が中流以上のインテリ家系で、実家も相対的に裕福で、送金を必要としていない可能性もある。)


10.外国貿易
(1)対独貿易(2012.02.23:http://www.novinite.com/view_news.php?id=136918
11年度のブル独貿易総額は45億ユーロ。10年度比14%増。
  ブルから独への輸出は過去10年間に3倍増。11年度は21億ユーロ(+10%)。
  11年度のブルの独からの輸入=24億ユーロ(+8.5%)。
ちなみに、貿易総額40億ユーロという数字は、08年度に達成された。

(2)対EU貿易(2012.03.12:http://www.novinite.com/view_news.php?id=137478
11年のブルのEU諸国向け輸出は、247億Lv、33.6%増。
  主要輸出相手国は、独、ルーマニア、伊、ギリシャ、白で67.4%を占める。
  EU諸国からの輸入は270億Lvで、22.8%増。
  11年度の対EU貿易赤字は22.98億Lv。

(3)11年度貿易総額(2012.09.10:http://www.novinite.com/view_news.php?id=143082
11年度の輸出総額は396億Lv(1Lv=50円換算で、約1.98兆円)で、10年比3割増。
 輸入総額は、458億Lv(2兆2900億円)で、対前年比[21.6%増。
 貿易赤字は61億Lv(3050億円)。

  輸出品目項目として最大成長を記録したのは、「非食品原材料(燃料を除外)」50.2%増、「動物性、植物性油脂、ワックス類」45.3%増。
  輸入品目でも伸び率が大きかったのは、「非食品原材料」が41%増、「鉱物性燃料、潤滑剤、関連物質」が24%増、「動物性、植物性油脂、ワックス類」24%増。

  EU諸国への輸出が33.1%増で、合計247億Lv(1兆2350億円)。主要貿易相手国は、独、ルーマニア、伊、ギリシャ、ベルギー、仏で、EU全域の74%を占めている。
  EU諸国からの輸入は23.5%増で、272億Lv(1兆3600億円)。対EU諸国貿易赤字は25億Lv(1250億円)。

  EU域外の主要貿易相手は、トルコ、ロシア、セルビア、マケドニアで、これらで対非EU輸出の42%に相当する。
  非EU諸国との貿易赤字は36億Lv(1800億円)。

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