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zoom RSS 日本経済の底力(その二)

<<   作成日時 : 2012/12/05 17:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 13

 その一の続きです。
 今回は、中国などの新興国の成長に歯止めがかかり、他方で、「産油国」として復活する米国が先導して、先進国経済が巻き返し、製造業でも巻き返しが有り得るかも、と言う流れの逆転傾向に関する、楽観論的報道です。
 ウォン安政策で、サムスン、現代などの財閥大企業を優遇して、輸出依存の成長を謳歌していた韓国にも、逆風が吹き始めたらしいことも、ある意味我が国の自信回復に役立つかも。
 なお、この「日本経済の底力」シリーズは、当初数回の連載を予測したのですが、実際に作業してみると、今回で打ち切りの2回のみ、となりました。見通しが甘かったと言うべきか、残念。
 ちなみに、世界中で、食糧品は底堅く値上がりし、庶民生活は苦しくなっている他、失業率も10%を超える国が多い中、日本国では、20年連続の「長期不況」と言いながらも、円高に支えられて、更には、4.5%程度の低い失業率で、さほど「食うに困っているわけでもない」。ましてや、電気代の高騰も気にせずに、「高値のLNGで火力発電すればよい、脱原発だ!」との「お花畑」的議論がまかり通っている。要するに、日本は未だに「豊かすぎる」のでしょう。

4.「シャルマ論文」の衝撃(11月28日付産経紙)
 (湯浅博という産経紙の「東京特派員」と称する人物の「世界読解」という連載記事の一つ。)

(1)世界経済の地殻変動
 00年以降、世界のエコノミストが唱えていた神話が終わるかも知れない。新興国と先進国が同じレベルになると言う「神話」も、「上り龍」の如き中国経済が米国を追い越すという「常識」も、BRICsブームも、また終わる・・・。

 
(2)モルガン・スタンレー社員R.シャルマ氏の論文
 米証券大手モルガン・スタンレー社員R.シャルマ氏が、米外交誌「フォーリン・アフェアーズ」に寄稿した巻頭論文「破綻したBRICs」が、上記のような新説を説き、注目を集めている。
 これまで「常識」として考えられてきた新興国「昇竜」説は、実は別の米証券大手ゴールドマン・サックス社が03年に試算した予測統計が基礎となっていた。GDPで日本を追い越し、その後2040年頃には中国が米国さえも追い抜くとの予想だった。だが、経済予測は、天気予報のように、狂いが生じうる。
 BRICsという言葉そのものを作ったのも、ゴールドマン社で、今回はモルガン側が、「BRICsという概念ほど、グローバル経済に対する見方を混乱させたものはない」と、挑戦状を突きつけた。

(3)シャルマ論文は、「成長10年限界説」
 シャルマ氏は、BRICsを中心に開発途上国が一斉に急成長し始めたのは、00年代に限られた特異現象で、今後は緩慢な成長となると予測する。

 2011年には、先進国と途上国の一人当たりの所得の差は、1950年代の昔に戻っていた。すなわち、「10年以上にわたって急成長を続けることは至難の業だ」という。
 BRICsの共通項としては、地域の最大規模の経済、というくらいしか無く、中国を除けば互いの貿易上の繋がりも薄い。

 景気循環は5年周期だし、世界経済の周期を見通せるのはせいぜいが10年である。その今後の10年を占えば、中国経済の更なる成長の鈍化である。中国は既にその人口の1/2以上が都市に住み、農村部の過剰労働力が消え、「ルシスの転換点」に近づいている。

 中国経済が近く米国経済を追い越すという予測は、1980年代の日本経済に対する予測と同じく、杞憂だったと判明するであろう。
今の中国は、貧富の格差、汚職蔓延など、習近平体制への危険がいっぱいある。中国の人口は2015年に「勤労可能年齢層」が頭打ちとなり、25年には総人口も天井を打つ。その頃には、人類史上見たこともない老人大国となり、あの傲慢さがようやく消えるであろう!


5.米国の「産油国」返り咲きで、世界経済の趨勢が変わる
(1)エネ輸出大国への道(8月3日付産経紙)
地中の岩盤に含まれる天然ガス「シェールガス」、及び石油の「シェールオイル」開発が米国でブームとなっている。海洋油田の開発も、中東石油への依存(輸入量の約2割)を引き下げるために注力されてきた。米国が、液化天然ガス(LNG)や、石油と言った液体化石燃料の純輸出国に早晩転じる、との観測も盛んだ。

 金融大手シティグループ、米エネ省情報局などが相次いで、「2020年には、米国はLNG、石油といったエネルギーの純輸出国となる」との予測を発表している。石油「製品」については、既に昨年純輸出国に転じている。
 エネ自給が盤石となり、安いエネで米企業の競争力が高まり、製造業の復活が加速するとの見方も出てきた。既に米国では、自動車などの製造業の復活ぶりに注目が集まっている。

(2)「最大の産油国」照準(11月14日付産経紙)
 世界で従来型の原油生産が停滞する一方、地下のシェール層からオイルやガスを抽出する新技術を開発した米国で、生産力が増大しつつあり、近く世界最大の「産油国」にのし上がる、との見通しが出てきた。米国の「エネルギー革命」が、世界経済の流れを変えそうだ。

 国際エネルギー機関(IEA)が発表した2012年版「世界のエネルギー展望」によると、@米国の11年の産油量は810万バレル(日量)だが、20年には1110万バレルまで拡大し、20年代半ばまでにはサウジアラビアを抜き、世界最大となると言う。A天然ガス生産でも、15年には米国はロシアを抜き、世界最大となると見ている。

 IEA予測では、2035年時点の世界の石油需要見通しは11年比14%増の日量9970万バレルに達する。これは、中国、インドなど新興国での自動車普及が「予想以上に需要を押し上げる」と見ているから。この逼迫する需給を埋めると見られているのが、米国産資源だ。20年時点で既に米国は、LNG等の液体化石燃料の純輸出国となる、との試算も米民間企業などから出されているほど。

 問題は、エネ安保の視点から、米国はエネ輸出を制限していること。目下の焦点は、米国とのFTA(自由貿易協定)締結国に限定しているLNG輸出を、再選後のオバマ政権が緩和して、日本などへの輸出を承認するかどうかである。


6.中国ネットの自虐ネタで、中国の弱点が暴露された(11月22日付産経紙)
 (この情報は、実は上記「シャルマ論文」で引用した湯浅博氏の「決められない症候群の拡散」という、日本政治の決められないという症候は、米国でもそう言う傾向が見られる、と言う論文で、かつ、「中国でも決断できない状況は蔓延り始めた」という後半部分のみを引用したものです。若干、論文全体の論調から中国の弱点部分にのみ焦点を当てるという意味で、勝手な引用ですが、小生としては、今回のテーマで、日本の自信を回復する意味で、日本を褒め、かつ、同盟国の米国が自信を回復していく側面にのみ焦点を当てているので、ご勘弁願いたい。)

 習近平新体制の中国も、汚職・腐敗の海の中で権力が溺れてしまう懸念がある。胡錦涛時代の中国でさえ、利益団体同士がこっそりと利益を分かち合ってきたから、改革はかけ声倒れに終わった。
 その実態を、中国ネットが自虐ネタとしてギャグで表現している。題して「米国が苦もなく中国を崩せる秘策」だ。
 ハンドルネーム「許戦勝」は、
@中国の官僚が海外に持つ資産を凍結する、
A米国旅券を持つ中国人官僚の名簿を公表する、
Bロサンゼルスにある中国高官の愛人村を摘発する、
 など6つの「秘策」を挙げている。
   (注:6つあるなら、6つ全部列記して欲しかった。しかし、「皆が平等に貧しい」が共産圏の唯一の取り得だったはずで、今のように「幹部共産党員」、或いは彼らの子弟が「太子党」として利権を貪り、蓄財しては外国銀行口座に預金し、万が一「貧困に喘ぐ」大衆による「革命」が起きてもすぐに逃げられるように、米国、加などの旅券を取得している、そういういびつな「共産党独裁国家」の「残骸政権」には、さほど長期の安泰はあり得ない、と言うのが最大の弱点と、中国のネット社会の若者達も考えているらしいことが、上記3つのギャグでも分かる。)

 実際に「政治改革」の旗振り役だった温家宝首相その人が、一族による2200億円に上る蓄財を暴露されたから、この6つの秘策は、迫力がある。今では、ブラジルに変わって中国が「世界一の格差国」となっているのだ。
 習氏が今後、権力の腐敗や無謀な公共投資の一掃を「決断できるか?」で、中国が自爆するか否かが決まるだろう。


7.韓国で、「日本に学べ」論が出ている
(1)韓国で再評価:危機に強い日本を見習え(7月29日付産経紙)
 バブル崩壊後、危機の中で20年も耐えてきた日本は凄い、「日本をバカにするのは誰だ!」と題する異例の日本再評価論が登場し、関心を集めている。
 『朝鮮日報』が発酵する時事週刊誌『週間朝鮮』(7月16--22日号)に掲載された在米記者によるワシントン発の特集記事だ。(注:国内記者ではなく、在外記者発の記事というやり方で日本を評価している、ということは、要するに、国内在住記者ではこういう日本称賛記事を書きにくい、と言うことなのであろうか??

 欧米でのメディア論調を紹介し、「世界が経済危機で右往左往する中、欧米ではこれまでの日本の危機対応策を”日本モデル”として評価する声が高まっている」と言う。
 特に経済的には、円高を逆手にとって、対外純資産世界1位を続け、輸出大国から対外投資・資産大国へと転換し、金融大国になると共に、貿易依存度を減らし、内需型の安定経済構造に変化しつつあると評価する。

 記事は、「危機に強い日本」を強調し、「良質廉価の100円ショップや、ユニクロの人気」「4人家族が1ヶ月1万円で暮らす方法」などのベストセラー本の出現なども紹介し、「ヨーロッパの危機国家とは違って、危機になるほど国民が一致団結する”生存力”こそ日本の底力」と称賛している。
 また、消費増税や原発再稼働などで示された野田首相の決断、指導力も高く評価している。

(2)ウォン高進行、沈み始めた韓国(11月17日付産経紙)
 最近のウォン高進行で、輸出企業を牽引役に成長を維持するという「韓国型モデル」が崩れつつあり、韓国経済に斜陽の兆候が見られるという。08年秋のリーマン・ショック時よりも経済が悪化するとの観測もあり、政府や財界では「日本型デフレ」回避との意識が出ているほか、国民の間では長期不況への対処法として、「再び日本に学べ」との認識も生まれている。

 『朝鮮日報』は、「1998年以降3回あった世界的景気低迷期の中で、ウォン相場が1ドル=1100ウォンを割り込む高値に触れたのは今回が初めてだ」との悲観論を載せた。

 「世界一のFTA(自由貿易協定)国家」(李明博大統領)を自任する韓国は、外需依存度が極端に高い。中銀である韓国銀行によれば、10年の外需依存度は105.2%、11年は113.2%だ。2年連続100%を超えている。
 また、韓国紙によれば、GDPを基準とした2010年の貿易依存度は、米国が22.0%、日本が25.1%*、中国が49.5%なのに、韓国は87.4%と言う高さだ。
  (注*:上記3.(3)で、日本のGDP比の「輸出比率は11%と低い」、とされていた。ここでは「貿易依存度が25.1%」と倍以上の数字です。もちろん、中国、韓国に比べて低い数字という点では納得ですが、なぜ11%と25.1%という大きな差があるのか?検索してみると、「貿易」ということで、「輸出+輸入」の両方の数字を足してあるということ。他方、韓国の「外需依存度」が100%越えという数字は不思議です。検索してみたら、外需依存度とは、「輸出対GDP」となっているのです。06年度の韓国の数字は、36.7%です???。)

 有力シンクタンク筋は、韓国経済の弱点は「内需主導国に比べ、世界経済の影響を受けやすいこと」と指摘する。「今の状況が長期化すれば、国民生活は高い輸入品で苦しくなり、内需縮小の影響で更に悪化する、と言う悪循環に陥る」と見る。

 『朝鮮日報』は、10月末、造船世界3位の現代重工業の今年の受注額が、9月現在で131億ドルに留まり、前年同期比4割以上減ったと報じた。更に「ここ数年は、、欧州景気の後退で商船の受注が激減し、今後の見通しも暗い」との悲観論も伝えた。

 韓国では、日本のように(物価下落と実体経済の縮小が同時進行する)デフレスパイラルに突入するのではないかとの警戒論も台頭している。7月の消費者物価指数が過去12年で最低になり、物価上昇率の縮小状態が1990年代初めの日本に似ているとの見立てだ。
 
 そこで、低成長期の資産運用を「日本に学べ」という認識が、国民の間に広がっている。だが、金融当局筋は、経済規模、内外需への依存度、金融市場のあり方の違いなどから、「不況を凌ぐための日本研究が役に立つかは未知数だ」としている。

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
中国を苦も無く崩壊させる秘策 の元ネタは、こちらのサーチナの記事でしょうか。

>方法その1は「中国の官僚が海外にもつ資産を凍結する」、
>その2は「米国のパスポートを持つ官僚の名のリストを公開する」、
>さらに、「家族が米国に移住した高官家族のリストを公開する」、
>「ロサンゼルスにある(中国高官の)愛人村を摘発する」、
>「在米の中国高官の家族をグアンダナモ刑務所に収容する」、
>「リストラされた労働者や失業中の若者に、空中から武器を投下して与える」と、方法その6まで続く。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1029&f=national_1029_005.shtml
スだまり
2012/12/06 03:38
スだまりさん、こんにちは、
 サーチナというサイトに掲載されていたのですか。6つ全てが分かります、ありがとう。
しかし、元来は、中国のネットに掲載されていた情報らしいです。

 政治家というのは、国家の利益のために働くもので、利権とか、家族の蓄財を優先するようでは、しかも、いざとなったら「亡命できる準備」を怠らないとか、そういう政治家がトップ層を占めている中国の共産党政権は、先が長くはない、と思えてしまう。
 韓国の大統領も、任期末期になると、或いは任期終了後に、一族の汚職とか、すぐに検察が動き出して、全ての名誉も帳消しされてきたという悲しい歴史ですね。
 日本では、外国系市民からの違法献金が数十万円あったとか、会計報告書に若干手落ちがあったとか、スケールが小さい話ばかり。さほど大騒ぎするほどの悪事は見えてこない。
 しかし、中国人は、悪事のスケールも大きいけど、人物のスケールも大きく見える人々も多いから、不思議です。
室長
2012/12/06 09:41
こんばんは。

 経済情勢に疎い私には、今回の記事は興味深かったです。とかく日本のメディアでは日本経済はもうダメという悲観論一色だし、このような報道を連日繰り返されれば、心理的にも影響してきます。
「シャルマ論文」の予測が当たるのか、今のところは全く分かりません。シャルマとはインドのバラモンによくある名前ですが、この人物はインド系?願わくばこの予測は当たってほしいものですが。

「格差国」ではインドも引けを取りませんね。元からカースト制の国だし、権力の腐敗や無謀な公共投資は当たり前なのです。こちらも人口問題を抱えている。一人っ子政策のため中国は男女比のバランスが崩れています。跡継ぎに男児を望むため、女児の間引きに拍車をかけましたが、一人っ子政策をとらないインドも同じ現象が起きています。ダウリー(持参金)を節約するため、こちらも女児の間引きが横行しています。男が異様に多い国というのは、社会の安定を欠くでしょうし、隣国には不気味な存在です。
mugi
2012/12/07 22:44
mugiさん、こんにちは、
 小生の記憶では、BRICsという概念を提唱したのもゴールドマン勤務のインド系の女性社員でした。今回のモルガン社員シャルマは、インド系男性のようです。米国の金融機関で働く、優秀な「先読み社員」が、実はインド系のPC分析に長けた社員らしいことは、興味深いです。
 インドこそ格差社会、という弱点も抱えていますね。それでも、世界最大規模の「民主主義国家」を誇っています。中国ほどの、一党独裁ではない。しかし、男女比が崩れている点とか、石油がぶ飲み国家となりつつある、ということでも似ているような気がする。
 インターネットで情報、知恵が簡単に拡散する社会となったから、世界的な富の分散化が進行する、と小生は見ていたけど、やはり本当の人材が多いのは、明治以来教育を蓄積してきた日本で、未だに知的優位は崩れてはいない、という現状分析は正しいのでしょう。しかし、それでも、米国への留学整数とか、将来への投資という意味では不安です。楽観論が当たればいいけど、お金の増刷ばかりしている先進国は、何れコモディティー価格の暴騰=インフレにやられていったん経済が破裂する運命のように思える・・・本当は悲観論の方が、すぐに頭に浮かんでしまいます。日本だけは、何とかうまく逃げて欲しいけど。
室長
2012/12/08 10:20
折角ぐっちーさんや岩本女史の著書に言及されたと思ったら、その子引きの週刊ポストのさらに孫引きであったか。であるから室長さんともあろうお方がこう言う誤解をする。
国全体の債務、債権(資産)を企業会計や家計になぞらえるから話がややこしくなるので、分けて考えるべきなのだ。なぜか。
日本国政府には、家計は勿論、企業会計にも、地方自治体会計にも絶対にない(さらにはギリシャ政府にもない)強力なツール、すなわち、
通 貨 発 行 権
がある。
なるほど債務残高100兆円でGDP比2倍かもしれないが、要は通貨、すなわち日銀券(政府貨幣もあるが)を刷り(鋳造し)まくれば債務の実質的価値を圧縮することはできる。
これは当然にインフレを招くが、今の日本がデフレなのだから、デフレ脱却のためにはむしろやるべきだ。それを政府、日銀がサボってやらなかったことから、長期デフレ、長期経済低迷を招いている。
のらくろ
2012/12/09 03:13
のらくろさん、
 小生は、ブル在勤時に隣国ユーゴのインフレ、トルコのインフレを経験している。1週間後ですら、もう一度ユーゴに行くと、ディーナル貨幣が対ドルで更に大きく値下がりしている・・・。ベラルーシでも、政府は国営企業社員を一切解雇せず、給与を支払い続けたけど、当然凄いインフレで、貨幣価値が下がり続け、国民は悲惨な思いをした。翌月になると、5--10%も対ドルで貨幣価値が下がっているのです。1年後には、対ドル価値が1/2とか1/3になる。当然物価も毎月上がるから、企業経営はある意味楽ですが、長期投資はできなくなる。一番儲かる方法は、売る時期を少しずつ先延ばしして、物価が上がってから商品を売ればよいのです。
 ブルガリアも、1996−−97年にハイパーインフレを経験して、それまでの銀行貯蓄が価値ではゼロとなったし、給与も月額20ドル程度へと目減りして、食えなくなった。
 このような惨状は、ほんの少し市場が、貨幣価値に疑問を持てば、起こりうることで、貨幣を刷りまくれば何とかなるなどと言うのは、暴論です。
 
室長
2012/12/09 16:28
(続)
もちろん、政府債務をほぼゼロとするのには、ハイパーインフレは一番簡単な方法ですが、政府は助かっても、国民は塗炭の苦しみを経験するのです。その意味では、日銀総裁が頑固に円の価値を守り抜いた政策は正しいのです。
 そのことは、ブルガリアで、通貨審査委員会制度を採用して、発券を厳しく制限し、IMF出向の外国人委員達も加わって、外貨準備を確認、チェックしながら発券を許す制度にしてから、ブル貨幣の価値は回復され、経済も正常化されたのです。
このことは、最近の記事で書いたはず。
 今もブルガリアでは、政府は財政規律をきちんと守り、この故に、ブルガリアの銀行には隣国のルーマニア、ギリシャの市民、企業からも預金が集まっています。
 先進国においては、どうしても賃金が高くて、いくら金融緩和しても、投資に金が向かわないから、簡単には成長軌道に乗れず、長期的には経済の中心が新興国に移っていく。だから、日銀は円の価値を守り、日本企業の東南アジア、その他への進出のために、円高利用で、外国投資で儲ける道を選ばせた、とも思えます。外国に生産工場を移転する際には、円高の方が投資が容易です。日銀は、バカではない、と小生は思っています。しかし、できることなら、安倍総裁が言う程度の、2--3%程度のインフレターゲットで、不況を少し緩和する努力をした方がうまくいくのではないか、という意見が最近多いのです。これも、うまくいくかは、やってみないと分かりませんが。
 安倍総裁がインフレターゲットを公約しているが、発券を青天井で行うという暴論ではもちろん無い。年間2--3%程度のインフレを目指すと言うこと。通貨は、決して刷りまくるべきではないし、政府債務が大きすぎることは危険、というのも経済の常識です。
室長
2012/12/09 16:29
室長さん
>このような惨状は、ほんの少し市場が、貨幣価値に疑問を持てば、起こりうることで、貨幣を刷りまくれば何とかなるなどと言うのは、暴論です。
あなたがあげたブルガリア、ベラルーシ、(今は亡き)ユーゴスラビアなどはいずれも共産圏=計画経済の国だったところで、バブル経済とその崩壊と言う事象には無縁だったはずである。日本は今バブル崩壊とその後の長期経済低迷=デフレにあえいでいるのだから、旧共産圏の経済自由化に伴うかなりのインフレ(ハイパーインフレは年間130倍(130%ではない)の物価上昇なので、日本では敗戦・新円切り替えの混乱時さえ、その定義に沿ったインフレは起こっていない。ブルガリア、ベラルーシ等でも起こったかは疑わしい)と一緒にするのは無茶=暴論であろう。
のらくろ
2012/12/09 21:10
(続)
さらには、ブルガリア、ベラルーシの経済規模はこの程度↓
http://blog.livedoor.jp/meaningless88/archives/2575471.html
なのだ。東北人、九州人には申し訳ないが、そりゃ大分県、山形県が独立国をやっていれば、ヘッジファンド(室長さんの言う「市場」という主語はあまりにも曖昧模糊なので、それを私なりに解釈した)如きにおもちゃにされうる経済規模かもしれないが、それぞれ我が国GDPの1%程度、合算して2%程度でしかない。その50倍規模の日本経済を振りまわせる−資金調達できる(つまりバックにヘッジファンドに貸し付ける金融機関がある)−だけのヘッジファンドが一体どこにいるのか、具体的個人名、金融機関名をあげていただきたいものだ。リーマンショック以降の世界的信用収縮のなかで、ヘッジファンド如き「山師」の類にウッカリ1〜10億米ドルも貸しつけられる「太っ腹」というか「無謀」な個人なり金融機関の名を。
のらくろ
2012/12/09 21:59
のらくろさん、
 経済学は、かつて小生が論じたように、人文系の学問であって、自然科学系のようには、「真理」が一つとはならないし、何時の時点でも正しい理論とはなり得ません。
 グッチーさん、岩本氏に関しては、仰有るとおり小生は、週間ポストからの「孫引き」で知った程度ですが、こういう方も本当は色々と前提条件をヘッジしているはず。例えば、タイミングと逃げ時を守れとか。「市場」は、必ずしもヘッジファンドばかりではない。実際に怖いのは、「大衆心理」です。日本国民自身が、国家の貨幣=円を信用しなくなることなのです。
室長
2012/12/10 09:19
(続)
 小生が経験した共産圏、或いは旧共産圏のインフレも、まさにそれで、国民自体が自国貨幣を信用しなくなる。貨幣を信用しないから、給与をもらったらすぐに、スーパーに駆けつけて、砂糖(ウォッカなどのアルコール原料となる)、小麦粉、バター、チーズ、マカロニ、その他のあらゆる商品を買いだめする。スーパーの店頭からは、全ての商品が、給料日の翌日には消える。・・・店頭にある商品が、日常消費物資、特に食料品を中心に消え失せて、家具とか、衣料品など、余り緊急に必要性のないものを除き、あっという間に消える。物資流通は闇経済中心となり、ここでは、価格上昇は国営店より更にすさまじい。
 だから物価が益々上がって、国民は塗炭の苦しみとなるのです。ヘッジファンドなどは関係しなくとも、インフレは起きます。独裁国家で、新聞情報、TV情報を統制していても、インフレは退治できない。結局、貨幣を刷りすぎれば、そうなるのです。インフレターゲットなども、よほどうまく運営しないとうまくいくかどうかは怪しい。人間の「心理」という要因も加わるし、隣国からの「隠れた経済戦争」の仕掛け、もあり得る。
 日本の一部にある、「上げ潮派」の議論は、経済成長が高度成長期並に、先進国経済となった後にも起きうるという「お花畑」的推論に立った無謀な議論です。
 07年、小生が引退した頃の円対ドルのレートは1ドル=120円ほどだったけど、その頃日本経済は「大成長」していましたか??ここ20年にわたり、GDP500兆円程度にずっと低迷してきたのが日本経済で、円安の時でも、たいして景気は良くなかったのです。
室長
2012/12/10 09:20
(続)
 グッチーさん、岩本氏の議論をこのブログで取り上げたのも、まあ、「楽観論」を読んでいただいて、日本は簡単に衰退してはいない!という、そこの所に焦点を当てて、元気を出して、「民意迎合的議論」「お花畑議論」を展開している、怪しげな政党の議論、「お花畑」の経済理論に惑わされないで欲しい、ということです。
 絶対的に有効な「経済学理論」など、小生は信じていません。むしろ岩本氏ですら、「円高は悪くない」と言っているように、簡単に貨幣価値をわざと落とすインフレターゲット議論には、眉唾なのが本音です。
 政治家と銀行家には、極論は避けて、安定した経済政策を採用して欲しいものです。給料は下がっても、円高のおかげで、百円ショップのおかげで、日本国民はさほど塗炭の苦しみからは遠い。まだまだ工夫で、豊かな食生活を楽しむ余裕すらある。
 そもそも、現状では、世界一裕福な国の一つなのです。失業率も先進国では、最低レベル・・・もっとひどい国は多い。だから、希望を持って、現状悲観しすぎるべきではない、といいたい。
室長
2012/12/10 09:44
フCZ? 趺P?韃 粢 鈕褥? <a href=http://malipuz.ru/>malipuz.ru</a>
Davidtus
2017/10/02 21:36

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