「無人兵器」について

無人兵器」について
1.経済制裁でも、既に戦争行為?
拉致問題に対する日本の「経済制裁」は、既に一種の「戦争行為である」という、面白い記事が西尾幹二氏のウェブサイト(http://www.nishiokanji.jp/blog/wp-trackback.php?p=824)で紹介されている。日本が米国から、戦争に追い込まれた「石油の対日禁輸措置」が、既に十分な戦争行為の開始だったとの解釈もある由。真珠湾攻撃の「事前通知」があったか無かったなど、実はどうでも良かったのであるという解釈もあり得ることとなる。
その意味で、北朝鮮としては、対日核攻撃の口実を既に得ているようなもの、とこの記事は警告している。

2.独裁者は、戦争しない
この記事で唯一小生が同意しかねるのは、独裁者が「戦争好きだ」と断定していること。
小生の記憶では、ソ連の独裁者も、スターリン以外は、基本的には対外戦争を避けているし、スターリンも、独が協定を破って侵攻してこなかったら、英米など連合国に参加して闘ったかどうか分からない。独裁者は、自分自身、家族の自己保身には極めて熱心で、実質上それ以外の関心はあまりないとさえ言える。従って、普通、言葉の上では勇ましくとも、実際の行動は、極めて慎重だ。戦争すれば、勝てるとの信念がなければ、普通独裁者は戦争をしないのだ。金日成も、スターリンから唆されて南進し、朝鮮戦争を闘ったが、それ以外の機会に、小競り合い以上の戦闘行動を許可したことはない。
金正日政権も、日本人を拉致して、特殊部隊の言語訓練に使用したりして、特殊部隊を国外に派遣して、彼らにテロ行為をさせたり、ときおり「汚いテロ、隠密作戦」などを行いはするが、正面切っての本格戦争には踏み切らない。勝てる見込みが少ないし、勝って新たな領土、領民を抱え込んでも、北朝鮮国民のレベルまで洗脳するのは、簡単ではないからだ。結局彼らは、日本にミサイルを撃ち込むと脅しはするが、本気で戦争を起こして、日本人の「好戦的気質」を目覚めさせることは、恐ろしくてしないだろう。

3.ミサイル防衛=MDの不毛
西尾先生の記事で、もう一つ目を引くのは、ミサイル防衛は完全ではあり得ないと確認していること。先の北朝鮮ミサイル発射時の議論で、日本の国会議員の中にも「ミサイル防衛というのは、鉄砲の弾を鉄砲の弾で撃ち落とそうとしようというようなもので、成功率は低い」と小生と同じことを言っていた人がいたようだ。もっとも、小生も、この比喩は、SDI議論当時(レーガン政権が、SDI構想でクレムリンを脅していた頃)に、科学者の誰かがそういう議論をしていたことを聞いたのであり、又聞きなのだ。いずれにせよ、MDなどに巨額投資するよりは、北朝鮮の危険なミサイル基地を先制攻撃する方が、格安だし、確実な防衛なのだ。今回の西尾氏記事は、そういう合理性のある戦略を採用すべきという常識を再認識しているだけだ。
小生は、MDで高価な投資をさせられているのは、米国軍産複合体の罠だと思う。中距離攻撃ミサイル、巡航ミサイルを国産開発する方が、よほど簡単で、成功率100%ではないか!

4.後継者が政権を取ったら要注意
小生自身は、上記のように、独裁者は、自滅路線を避けるので、「戦争しない」と見ている。しかし、北朝鮮はあまりに生存基盤が脆弱な国家であり、金正日はまだ冷静だとしても、後継の未熟な息子が、何をやってもうまくいかない(それが共産主義体制だ)ことに気づいたときに、何をするか怪しいので、要注意だと思う。
もう一つ、最近気づいたことは、韓国から一部の民間人らが、風船を使って対北朝鮮宣伝をしているが、風船より、小生が「無人兵器」の記事で書いたように、模型飛行機を使ってビラを撒き散らす方が、より効率がよいし、意図的にばらまく地域を選択できると思う。韓国の民間人団体に、安価で高性能な模型飛行機を支援してはどうだろう。

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この記事へのコメント

mugi
2009年05月10日 16:34
 独裁者といえば好戦的というイメージがありましたが、必ずしもそうではなかったとは目からウロコです。一般にヒトラーが独裁者の典型と思われていますし、それは間違いではありませんが、英仏の弱腰外交に付け入って増長した面もある。

 海外在住体験を持つ者でも、未だに国家間の友好を真に受ける能天気さんもいるようです。↓のブロガー、昭和11年生まれと自称していましたので、室長様より年上のはずですが、貴方に比べて国際社会の見方が酷いというか、何故これほど差が出るのか不思議ですよ。
http://yamanasi-satoyama.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/05/post_da31.html
2009年05月10日 16:57
エリツィンの回顧録だったかで読んだ話ですが、晩年のブレジネフは、既に政治などにも興味はなくなり、美女の体とか、外国製のスポーツカートか、そういう俗物的な興味しかなかったそうです。エリツィンら高官は、自分の担当している州の関係で、何らかの上層部のお墨付きが必要なときは、ブレジネフの部屋に押しかけ談判すると、話を聞く興味もないブは、「どこに署名すればいいのだい?」と聞き、すぐに文書に署名したそうです。内容にはもはや関心もなかったという。そういう状態で、軍部の要求に従って、アフガニスタンへの介入戦争も始めたようです。
ともかく、独裁者といっても、ヒトラーのように、戦争そのものよりも、全欧州からユダヤ人を絶滅させることにこそ関心を持っていた(ポール・ジョンソンによれば)ような独裁者は、例外中の例外というか!

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