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zoom RSS 韓国政権の迷走が、東アジア情勢を危険にさらす

<<   作成日時 : 2015/10/21 13:38   >>

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  さて、既に1か月以上もブログ記事を更新しておらず、小生もさすがに気が引ける。いろいろ過去記事を整理したり、新聞切り抜きをやったり、受け身の対応が多かったので、原稿書きの習慣が少し遠のいていたのかも。

  ところで、最近小生が気になっているのは、日本の安全保障にとっては最大の危険性を有する朝鮮半島情勢だ。
  北朝鮮の金正恩第一書記は、10月10日の「党創建70周年軍事パレード」の画像などを見ると、中国から派遣されてきた序列5位の高官と親しげに会話するなど、対中配慮する様子が見られ、徐々に最高指導者としての自覚とか、自信などを深めつつあるようで、一応は今後は慎重な国政運営に努めるのではないか、と少し期待している。
  他方で、心配がより高まっているのは、南の朴槿恵(パク・クネ)大統領とその取り巻きたちの動向だ。小生が最近尊敬している古田博司氏(筑波大学大学院教授)によれば、朴槿恵大統領の側近たちの中には、従北勢力が大勢いて危ないという(http://www.sankei.com/world/news/150909/wor1509090003-n1.html)。

  他にも、北朝鮮の体制は近く崩壊するから、早目に「統一朝鮮」に向けての準備をすべきだとかいう楽観論を根拠に、朴槿恵大統領は対中ゴマすり外交をしている(中国に、韓国主導の統一に目をつぶってもらいたいから)との観測もあるようだ(9月3日の中国における「対日戦勝記念日軍事パレード」出席理由)。そういう、楽観論の先行は、極めて危険だと小生も思う。

  他方で、10月5日付朝日新聞の1面、3面に掲載された記事では、在韓米軍が主導する対北・米韓作戦方針が最近大幅変更となり、「北朝鮮には、大規模軍事侵攻するだけの近代兵器、或は燃料油が足りないので、北の軍事作戦は、ゲリラ戦・小規模侵攻が中心となる」とみて、これへの対応を重視するとか、或は、「北朝鮮での万一の政権崩壊時における混乱の中、北の核兵器、核物質などが適切に管理されない危険性に対応するため、迅速な空挺団による核兵器、核物質などの流出を防ぐ作戦」が重視され始めているという。この記事も、ある意味今韓国で有力な、北朝鮮自然崩壊説に立脚しているように見えるが、米軍としては、現実的な作戦方針として起案しただけであろう。

  小生としては、長年社会主義国を観察してきた経験から、「よほど甘ちゃんの独裁者」が出現しない限りは、意外と独裁国家は自滅しない、という意見なので、そういう北朝鮮消滅を前提とするような議論は、極めて危険だと思う。
  第一、今の北朝鮮体制が崩壊したとしても、後継の政権はいずれにせよ、中国の傀儡政権であり、韓国による統一などは、中国が許容するはずはないと思う。

  さて、全体的な枠組み、観測の下地としての小生の見解は、上記のように、北朝鮮と言う緩衝国家が維持され、中国とも和解し、核兵器による冒険をしないことが望ましい、というものだ。
  他方で、今回取り上げたいのは、産経新聞の「ソウル駐在客員論説委員」と言う立場の黒田勝弘氏による、2回の論説だ。

1.19世紀回顧が今の韓国で盛んな訳http://www.sankei.com/world/news/151003/wor1510030037-n1.html
  論文自体は、上記のURLで読んでいただけるが、一応小生の注目個所を列記したい。

(1)中国も、韓国による半島統一を望まない
  まず最初は、9月3日に北京に西側指導者として唯一、米国の勧告(出席しないように)を拒否する形で「対日戦勝記念日行事」に出席した朴槿恵大統領の「訪中」について、朝鮮日報9月15日付で、金大中論説顧問(元大統領の金大中は09年8月死亡しているので別人らしい)が、「中国は、韓国の統一を望まない」と警告している、との情報。つまり、韓国国内でも冷静な議論としては、第二次大戦後に成立した半島の分断は、今も中国の政策として、緩衝国家としての北朝鮮を温存する方針には変わりはないはずだ、ということ。

(2)歴史回顧に込める保守派(右派)、左派の意図
(ア)保守派の議論

  韓国亡国の背景には、当時の覇権国家英国のロシア封じ込め策があった。英国が東アジアでその役割を日本に託した。
  このような世界情勢に鈍感だった当時の韓国は、日本をけん制するためロシアを引き込み「親露拒日」策を進め、日本は親露派の中心だった王妃(閔妃、ミンぴ)を暗殺し、日露戦争に勝利して、韓国を支配した。
  現在は、英国を米国、ロシアを中国とすれば分り易い。米国が中国封じ込めのため日本との同盟関係を強めようとしているのに、韓国は「親中反日」路線で行こうとしている。亡国の二の舞にならないのか?

(イ)左派の議論(ハンギョレ新聞7月16日付)
  閔妃と朴槿恵(パク・クネ)大統領の両者とも、列強の間で民族の生存に責任を背負った運命にある。然るに、朴槿恵大統領も閔妃と同じ失敗の道を歩んでいるようだ(と現状を批判)。
  閔妃については、コトあるごとに清(シン、中国)の軍隊を引き入れ勢力を維持しようとしたが、朴槿恵大統領は米国に依存し過ぎ、軍事演習で中国を刺激している(と批判)。
  つまり、この左派系紙の言いたいことは、変動するアジア情勢の中、いつまでも米韓同盟にしがみついて、対北強硬策ばかりやっていていいのか?と言うわけだ。
  更に同紙は、今の韓国は19世紀と違い国力を付けているので、米中共に韓国を味方に付けようとしていて、韓国の値段が上がっているので、対米・中均衡外交(米国離れ?)に期待している。
  
  要するに、右派は、親中国はいい加減にして、もっと親米をやり、反日も考え直せと言い、片や左派は、米国離れをして北朝鮮とも仲良くしろ、と言うのだ。  

2.「中立化統一朝鮮」の夢再び(10月11日付産経紙、筆者:黒田勝弘)
  この論文は、どういう訳か、産経紙電子版で「朝鮮半島」関連記事として掲載されていないので、URLでご紹介できない。以下は、小生による要旨のみ。

  東亜日報5月12日付に掲載された南時旭(ナム・ジウク)同紙編集局長の論文は、米外交専門誌「Foreign Affairs」誌に掲載されたマイケル・スウェイン米カーネギー平和財団研究員の論文、「中立化統一朝鮮」論、を紹介したもの。
  これによれば、スウェイン氏は、アジア太平洋地域での米中衝突の危険を回避するためには、「韓国をいかなる外国の軍事力からも自由な非同盟統一国家にしなければならない」と主張しているらしい。

  韓国では、朴槿恵(パク・クネ)大統領が最近対中接近外交を展開したことに触発され、歴史回顧議論が盛んとなっている。朝鮮半島の将来展望で、一番の難問は北朝鮮の処遇だ。北朝鮮を引き込んで、半島をいかに安全で安定した存在とするかが目標で、スウェイン氏の議論はその一つの提案として、「中立化統一朝鮮」論が、米国でも登場したということが関心を呼んでいるのだ。
 
  日本支配から朝鮮半島が解放された1945年、米ソなど連合国の対応次第では、ナチス・ドイツの併合から解放されたオーストリアのように、中立化統一国家としての独立が可能であったかもしれない。しかし現実には、既に米ソ対立が開始されていて、統一国家は生まれず、逆に南北間の戦争で分断は固定された・・・これが朝鮮半島の現実だ。
   (注:筆者自身、この「中立化統一朝鮮」と言う構想は空想論に近いとしつつ、「頭の体操」としては面白い・・・程度に締めくくっているし、この論文には小生も「空想論」としか評価できないので、電子版では紹介されていないのかも。産経新聞社として、この論文はさほど評価しないということかも。
   とはいえ、「Foreign Affairs」誌(5—6月号)が今時このような空論を掲載しているというのも、不思議なことだ。朴槿恵大統領が何らかの統一幻想を抱いていて、その故に反対を押し切ってでも訪中し、中国に媚びを売っているらしいことこそが、一番危険なことであろう。しかもそれが、側近の間の従北勢力が主導して、本当は北朝鮮の利害のために動いているとしたら、益々危険なことだ
。)

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