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zoom RSS 正義感覚の「ずれ」

<<   作成日時 : 2017/12/01 10:00   >>

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 さて、ブログを書くのにも飽きが来て、さぼっていたら、高校時代の友人からお叱りを受けました。少しは、残っていない脳みそを絞ってでも書かないと読者には申し訳ないようです。

 そこで、今の日本で一番ニュース・ネタとなっている、日馬富士関の「暴行事件」に関連して、少し考察してみようと思う。
 最近異常性が益々顕著となっている特亜3国(中国、北朝鮮、韓国)と日本国との間の関係、摩擦に関しても、同じような視点で見れば理解が簡単だ。

1.何が「激怒」のきっかけとなるのか?・・・規範、基準のずれ
 小生が思い当たるのは、このような事件に際して、親方、兄弟子、教官、師匠、その他の指導的立場にある人物が、弟子、学生、研修生,などに対しての「激怒」の要因は、自らが考える、学ぶ側が「守るべき規範・態度」と、学ぶ方が考える「基準」がずれているからだろう、ということ。

 日馬富士が今回強調していることも、後輩たちが先輩力士から学ぶべきこと、或いは先輩たちに対する尊敬の態度、そして後輩として取るべき態度、と言ったような規範に著しく背反した行動、態度があったので、本人の将来のためを思って、少し厳しく教えようとした、ということ。

 他方で、貴ノ岩関にしてみれば、自分たち世代が今は上り坂にあり、古い世代の規範とは異なる基準で、しっかりと相撲道に邁進しており、古い基準での教えには、あまりピンとこないということであろう。

 もっとも、貴ノ岩関も、暴行を受けた直後には、むしろ素直に謝罪し、握手で和解したと言われる。酒の席での口論、喧嘩はモンゴル社会では普通のことで、また、相手が誰であれ、結構はっきりと自己主張するのがモンゴル人だ、と言う声もあるようだ。つまり、本来貴乃花親方が、これほどへそを曲げなければ、モンゴル人同士では、すでに和解が成立していたのかもしれない。

 とはいえ、貴乃花親方には、別の規範、基準があり、弟子と日馬富士関の間の暴力事件に関して、親方としては別の視点、規範からの「激怒」の理由があったらしい。


2.モンゴルでの上下関係、人間関係の規範と、日本の相撲界における秩序感覚には「ずれ」がある?
 もう一つ考えられるのは、日本の相撲界の考えるルール、秩序に関する規範と、モンゴル社会におけるルール感覚の間には乖離があり得る、ということ。

 もちろん、モンゴル人の関取たちも、日本の相撲界で稼がせてもらっているからには、日本の相撲界、或いは広くは日本人社会の秩序、ルール感覚を学んで、これと整合するように心がけるべきだ、と言うのが普通の日本人の感覚だと思う。

 他方、横綱白鵬が、これまでに自分が打ち立てた、けた外れの業績、成績、相撲界への貢献などを自己評価して、相撲界の上層部の人々から見れば「異例・異常と見える言動」が最近土俵上でも見られたと思う。

 親方衆、相撲協会の理事たちにしてみれば、例え横綱と言っても、相撲道精神に鑑みて、相応しい「言動の規範」と言うものがあり、行司に対しての「異例の抗議」の言動、観客に対する「万歳」強要、などは、あり得ないことだし、本来はもっと厳しく処罰対象となるはずとも言えた。しかし、日馬富士事件で、モンゴル勢と相撲協会との間で、見解、基準の差異が色々露呈してきている中、厳しすぎる処断は更に混乱を呼ぶと見て、協会側から白鵬に対する処罰は、結局口頭での「苦言」程度となった。


3.国と国との間での規範、基準のずれ
 さて、小生は上記で、相撲協会の規範、モンゴル社会での規範、貴乃花親方の相撲道に関する視点・・・などの間に、中心点の「ずれ」があり、それぞれの立場からは、他の人々は「規範の範囲を逸脱している」と感じているらしいことを指摘した。(小生注:「規範」と言う言葉は、場合によっては、正義感、正義体系(イデオロギー)、ルール意識・・・などと言い換えても良いと思う。

 実は、同じことは国家と国家の間の関係でも大いに生じうるのだ。
 例えば、先般のトランプ大統領のアジア歴訪でも、この「ずれ」の問題が摩擦の要因として日本の新聞で注目された。

@独島エビ?
  韓国では、歓迎晩餐会の宴席で、日本人の感覚では全くあり得ない無礼が行われた。「独島エビ」なる料理が登場し、元慰安婦を自称するおばはんが、トランプ大統領に抱きつくなど、関係のない第三者の日本を怒らせるための、異例の「反日劇場」が展開された。文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領としては、左派系勢力を基盤として誕生した政権故に、どうしてもトランプ氏との間の温度差が目立ち、国内世論の手前、点数稼ぎが難しいので、韓国歴代政権同様に、「困ったときの反日パーフォーマンス」で逃げを打ったのだ。

  トランプ大統領は、北朝鮮の脅威を前に、米韓同盟の強固さを演出し、対北朝鮮圧力を演出したいのに、文在寅氏としては、対北朝鮮関係での緊張感、対立軸などは一切目立たせたくはなかったのだ。なぜなら、親北・従北勢力こそが、自分の政権の一番忠実な支持勢力なのだから。

A皇帝出現?
  中国では、明、清両朝時代の宮殿だった「故宮」を貸し切りにして、習近平(シー・チンピン)国家主席が歴代の「中国皇帝」を真似てトランプ大統領を歓待して見せた。28兆円もの札束外交でトランプ大統領の口を封じ、米政権との関係が緊迫しているのをごまかしつつも、国内世論向けには、「偉大な皇帝」のようにふるまうことで、権威を再確認して見せたのだ。

  従来の米国政権なら、中国の国家・社会体制面での後進性に注意、警告を発信するために、「民主、自由、人権、三権分立(司法、行政、議会の三権)、法治主義」などの「近代社会の規範」に言及して、中国社会の改善を促すような発言もすべきだが、トランプ氏の政権は、「理想主義外交」とは一線を画する、「ビジネスマン感覚でのディール(取引)」を重視する政権であるため、中国側が、貿易摩擦に配慮して、巨額の札束(注:産経紙によれば、これまでに進行していた商談の金額を積み上げただけの見せ金で、中にはいつでも破棄できる未完成の投資案件も多いという)を用意して見せたことに満足して、苦言らしきことを一切述べず帰ったらしい。つまりは、中国側は、相手との距離感(ずれ)を事前に察知して、緻密に計算して「ずれ」の部分を乗り越える算段をしていたということだ。

   (注:民主主義と言うのは、個人、或いは団体などの間に、価値観、或いは規範、宗教感、正義感などにおいて、かなりの「ずれ」があることを想定して、その「ずれ」を調整するための手法として、意見交換し、議論した後、対等の立場で、「多数決を原則として」、最終的な決断を下す、と言うシステムだ。
  他方で、中国式の古代国家制度では、皇帝、或は宰相、或いは閣僚などが、独断的に何が正しいかを判定し、勝手に物事を決めて、その方向に進む、ということ。価値観の調整が、公平な制度で行われることなどはあり得ない、ということ。



4.国家と国家の間の規範の「ずれ」は、解消が厄介だ
 最近中国は、自国経済が「中進国の壁」に突き当たって、成長率が鈍化の傾向にある。この壁が「低成長」に帰することを恐れ、習近平政権は、最近再び対日「微笑外交」へと転身しつつあるようだ。すなわち、まだまだ日本と言う巨大市場を「失う」ことを怖れ、かつまた、できれば日本の財界に再度「対中国投資」を促したいので、微笑外交に一時的に転身して見せている、ということらしい。(注:もう一つの理由は、米国内世論が反中で固まりつつあるので、日本との関係はしばし緩和しておく方が得だ、と考えているのであろう。
 
 とはいえ、日中両国間の立場、規範には、大きな「ずれ、乖離」が存在する。中国と言う国家は、既に日本の識者が何度も指摘しているように、相変わらずの「皇帝独裁政権」であり、旧来の華夷秩序思想故に、全ての異国は夷狄に過ぎず、中華国家の視点から見れば、下に見下す以外の関係はあり得ない。要するに、外交の感覚としては、上下関係しかないのだ。韓国も、根本的な規範、正義体系は、儒教思想で、中国と同じだから、事大主義と言って、中国の方が自国よりは上、と言う感覚はあるものの、日本を含めた他国の何れとも対等と言う立場での関係性、国際法秩序に基づく関係構築の感覚がない。つまり、中韓両国の視点、規範は古代そのままだ。近代的感覚、或は現代的な感覚は、相変わらず理解できないし、一切根付いていない。
 
 だから、中韓両国は、国際社会の中で、自国への批判をかわすためにも、常に欧米での反日宣伝で共闘し、日本を貶めることで、自分らを上に置く、と言う外交、国際感覚ばかりに専念し、日本国民を「激怒」させて喜んでいる。
 この感情の裏には、実は、日本だけが欧米的な「社会の近代化・現代化」に成功し、自国が何時までも、古代的な「皇帝制度」から脱却できないという、国内世論の焦燥感を逸らすという意図も含まれている。

 つまり、一見、民主的制度が根付いているように見える韓国ですら、実体は、国民の間にも、儒教式の倫理観、政治観しかなく、近代化が困難で、政治家としての統治意識は、「民には真実を知らしめず、愚民のままでよい」、その代り「統治者は、有徳の賢人だ」と、上手に宣伝して、教化していけばよい・・・と言う古代感覚が、未だに優勢なのだ。

 こういう社会では、何が真実か?は重要ではなく、為政者たちがいかに国民を扇動し、都合よく誘導するか、が重視される。だから、独裁国家である中国のみならず、韓国でさえ、教科書の歴史記述は、真実を語るのではなく、為政者に都合の良いような「架空の歴史物語」が捏造されるし、国民もそういう「嘘の歴史」に気付かない。学者たちですら、統治者にゴマをすり、「嘘の歴史」を捏造することに平気で加担する!これが、韓国を古代国家のままだ、と言う評価を下さざるを得ない理由だ。

   (注:皇帝が真実、価値観、正義を独占し、民にはこれに基づく嘘をばら撒き、宣伝効果で民心を統一する。これが中国式統治の根幹。このような古代国家では、国論統一のための嘘については、何らやましいとは感じない。嘘で固めた歪曲史観も、何ら問題は無い。むしろ、上から押し付ける価値観に逆らう連中を、いかに罠にかけてでさえ、粛清し、排除するかが重要と考える。つまり、中韓両国では、新聞、マスコミですら、まともな議論ができないタブーが多く、狭い言論空間しか許容されていない、というのが常態で、枠内での議論、理屈づけしか許容されないのだ。

 戦後の「平和憲法護持」イデオロギーを叩きこまれた日本国民の視点では、国家と国家の間の「紛争」とか、「戦争」とかを、非常に憂慮して、こういう国家間の正義、規範、歴史に関する「視点のずれ」を放置することなく、「話し合って解消していくべき」だ、と言うことになるが、実際にこのような説得を試みることがいかにむなしいことかは、他国の現地で「意見交換」してみればわかる。完全に洗脳された、しかも「洗脳されたことに気づかない」相手と、いくら長時間議論しても、何らの成果もあり得ないのだ。

 新聞、教科書、書物など、あらゆる手段で一定の「歪曲史観」を植え込まれた人々の視点、考え方、見方、正義感、などを「変更」させることは、本当に不可能に近いのだ。

 それこそ、「敗戦」の後に、初めて気づく・・・・と言うのが、実は日本人も経験済みの近代の歴史なのだ。ほんの少し、「過度のナショナリズムに偏向」して、自国の「正義感」を絶対に正しいと考えて、正義を貫徹するために、大いに努力して、とんでもなく強い国家との対決の道を選んでしまった・・・・。日本人の一昔前の過ちは、その程度の小さい過ちに見えるのだが??もちろん結果は、完璧な国家破綻であった。
  
   (注:北朝鮮を見れば、歪曲史観とか、嘘をばら撒く宣伝効果で民心の統一を図るとか、嘘で国民を「善導する」(正しい方向に導く、と言う意味)という、儒教国家、或いは独裁国家の考え方が明らかだ。実は北朝鮮は何も特殊ではなく、結局今の中国も、韓国も、根本的な思考形態、体制において、北朝鮮とほとんどなにも異なっていない、と言うことなのだ。


 なお、欧州国家であるはずのロシアも、実は、半分中国化している側面がある。相当昔の歴史に由来する、モンゴル支配の影響と、皇帝に忠実だったオーソドックス(ギリシャ正教系のキリスト教)と言う宗教思想の影響で、独裁者が誕生しやすいような社会・文化背景があって、共産主義から離れて自由化したはずのロシアで、プーチン政権はいつの間にか、再度独裁政治に陥っていて、結局は中韓両国に近い存在となっている。

 他にも、イスラム圏などの独裁政権も、一定のドグマに基づく、元首、大統領などによる独裁政治が行われていて、西欧式の近代制度とは整合しないことが多い。


5.国家間の価値観の「ずれ」の解消手段は、今後も恐らくは簡単には見付からない
 上記に書いたように、東アジアに存在する、主要国家間の正義感、価値観の「ずれ」は、そう簡単に解消方法が見付からないし、今後とも相互関係を「改善」する、有効な手法は見付かりそうもない。故に、「友好関係」のための姉妹都市関係、対話、などの努力は、全て無用で、むしろ危険だ。

 特にお人よしの日本人に警告しておきたいのは、要するに、我々も諸隣国同様に、厚顔となり、自己主張をはっきりさせ、相手に対して「嘘つき」と抗議し、主張し続けるしかない、ということ。我慢強く、粘っこく、対抗手段を講じていくしかないのだ。

 更には、安全保障政策に手抜かりなく(日米同盟という、世界最強国家との軍事同盟をないがしろにせず、用心深く信頼関係を維持していくこと)、それなりに費用と、決意と、人材を傾けて、圧倒的に弱い国になることは絶対に避けるべきだ、ということ。

 海と言う障壁を抱える日本国は、大陸国に比べれば圧倒的に有利な軍事的、地政学的位置を占めているから、決意と金と人材をケチらなければ、まだまだ中韓、或いは北朝鮮などに舐められたり、脅迫されて尻尾を縮める必要性は無いのだ。
        

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